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一日一書 875 奥の細道(三日風雨あれて)・芭蕉

2016-05-01 17:11:28 | 一日一書

 

「奥の細道」より

 

半紙

 

 

三日、雨風あれて、

よしなき山中に逗留す。

 

蚤虱(のみしらみ)馬の尿(しと)する枕もと

 

【口語訳】

風雨が激しくなって、出立ができず、

日の暮らしようもないこの山中に、三日もとどまってしまった。

「句」

一晩中蚤や虱にせめられ、

枕元では馬がおしっこをするような宿りをすることである。

 

 

有名な、松嶋、中尊寺のあたりはとばして、

「岩手の里」から「出羽の国」へと向かう途中の難儀。

 

この句が昔から妙に好きです。

いいことは何もなく、ただ辛いだけなのに

ぜんぜん深刻になっていない。

難儀を楽しむ風情さえあります。

これが俳諧の真骨頂というものでしょう。

 

 

 

 


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