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一日一書 883 一枝の梅・三好達治

2016-05-11 16:03:05 | 一日一書

 

三好達治「一枝の梅」より

 

半紙

 

 

  一枝の梅

 

嘗て思つただらうか つひに これほどまでに忘れ果てると

また思つただらうか それらの日日を これほどに懐しむと

いまその前に 私はここに踟蹰(ちちゅ)する 一つの幻

ああ 百の蕾(つぼみ) ほのぼのと茜さす 一枝の梅

 

 

「踟蹰(ちちゅ)する」とは「ためらう」の意。

結構むずかしい詩ですが、「忘れる」と「梅」の取り合わせは

百人一首の紀貫之の歌

人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香ににほいける 」を思い起こさせます。

そんな関連で作った詩なのでしょうかね。


いずれにしても、最初の2行だけの方が分かりやすい。

少なくともぼくにとっては日常茶飯事ですから。

 

 


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