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一日一書 899 若葉して御めの雫ぬぐはばや・芭蕉

2016-06-01 17:44:24 | 一日一書

 

芭蕉

 

若葉して御めの雫ぬぐはばや

 

 

 

 

目にしみいるような若葉を見ると

いつもこの句が思い浮かびます。

意味は、

「このしたたるような若葉で、御目もとの雫をぬぐってさしあげよう。」

「若葉して」の「して」の解釈が二通りあり

一つは「あたり一面若葉がしげり」とする説、

もう一つは、「若葉をもって」「若葉で」とする説。

どちらでも意味はとれますが、

最初の方がいいですね。

 

 

鑑真の像を見た芭蕉はこの句の前にこんなふうに書いています。

 

唐招提寺鑑真和尚来朝の時、船中七十余度の難をしのぎたまひ、

御目のうち塩風吹き入て、終(つひ)に御目盲(しひ)させ給ふ尊像を拝して、

 

この鑑真和尚の像は長いこと拝観できず

生きているうちには拝観できないだろうと思っていたのですが、

唐招提寺の改修の折、初めて東京へやってきたのでした。

その時の感動は、いまも忘れません。

こちらがその時の感想文「鑑真あるいは冬のケヤキ」です。

 

 

 

 

 

 


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