梁塵秘抄
遊びをせむとて生まれけむ
半紙
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全文は以下の通りです。
遊びをせむとや生まれけむ 戯れせむとや生まれけむ
遊ぶ子どもの声聞けば 我が身さへこそ揺るがるれ
【口語訳】
遊びをしようとしてこの世に生まれてきたのであろうか、
それとも戯れをしようとして生まれてきたのであろうか、
無心に遊んでいる子どもたちの声を聞いていると、
自分の体までが自然と動きだすように思われる。
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「梁塵秘抄」は後白河法皇の選になる平安時代末期の歌謡集。
この歌は特に有名で、ぼくも高校時代に教科書で読んだ記憶がありますが
今でも、古典の教科書に載っています。
「遊び」には様々な意味がありますが
ここでは今言う「遊び」すなわち「思うことをして心を慰めること。遊戯などをして楽しむこと。」
といった意味でしょう。
反省なのか、自嘲なのか、
それともただ素直な感慨なのか……
「無職」となって、日々それこそ「遊び暮らして」いると
ふとこの歌詞が思い浮かぶ。
やっぱり、こうした感慨は、高校生に頃には分からないものでした。