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一日一書 901 最上川のほとりを・斎藤茂吉

2016-06-04 17:21:29 | 一日一書

 

斎藤茂吉

 

最上川のほとりをかゆきかくゆきて小さき幸をわれはいだかむ

 

 

茂吉が山形県の大田原に疎開中に詠んだ歌は、歌集「白き山」に収められています。

東京青山の自宅は、空襲で全焼し、疎開中の茂吉は肋膜炎にもかかり

まさに失意の中にあった茂吉を再び短歌創作へと駆り立てたのは

最上川を中心とする故郷の自然だったのでしょう。

 

とぼとぼと最上川のほとりを歩きながら

「小さき幸」を探し求める茂吉の心境は、やはり「老境」のものでしょうか。

この時、茂吉は64歳でしかないのですが。

 

 


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