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一日一書 1616 鶯や下駄の歯につく小田の土 凡兆

2020-05-12 20:51:56 | 一日一書

 

凡兆

 

鶯や下駄の歯につく小田の土

 

半紙

 

 

「田のあぜ道を歩いてゆくと、おりからの霜どけで、泥土が下駄の歯にくっついて足をとられがちになる。そのとき、どこからともなく鶯の鳴き声が聞こえてきた。」(日本古典文学全集 42 近世俳句俳文集)

 

「小田」は「田」の雅語。地名ではありません。

 

今では、下駄もほとんど履かなくなりましたが、

下駄の歯についた泥って、なんだかうっとうしいものです。

そのうっとうしい思いも、霜どけの土となると、ちょっと春を感じて嬉しかったりする。

そんなとき聞こえてくる鶯の声。

優美な短歌の世界とはまったく異なる俳諧の世界ですね。

 

 


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