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一日一書 1618 鯉はねて水静か也郭公 言水

2020-05-14 20:08:10 | 一日一書

 

池西言水(いけにし・ごんすい)

 

鯉はねて水静か也郭公(ほととぎす)

 

半紙

 

 

「伏見の川辺でほととぎすの声を待っていると、水の上に鯉のはねる音が聞こえて、あたりはいっそう静かになり、やがて、待ちかねていたほととぎすの声が、やっと聞こえてきた。」

(日本古典文学全集 42 近世俳句俳文集)

 

 

一句のなかに、鯉とホトトギスを読み込みながら、

ゴテゴテとした印象はまったくなく、

むしろ、どこまでも透明な水のイメージがあるのは、

「鯉」も「ホトトギス」も「音」だけがそのありかを示し

実態が描かれていないことによるのでしょう。

 

言水は芭蕉の同時代人で、芭蕉とも交わりがあったようです。

この句は芭蕉の「古池や蛙飛びこむ水の音」と味わいが似ていますが

芭蕉の句が、水墨画の世界だとしたら

言水の句は、透明水彩画の世界のような印象があります。

 

 

 

 

 


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