庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

偕楽園記と臥竜梅

2015年01月08日 | 偕楽園の四季 梅、桜、萩、紅葉など
偕楽園創設の趣旨などを記した偕楽園記という石碑が好文亭近くにあります。偕楽園の造園工事が始まる2年前の天保10年・1839年に建てられました。現在は苔むすなど碑面から直接読み取るのは難しいです。

見晴亭の休憩室にその大きな写真があります。

でも漢文で書かれた文字は雑草には解読困難です。
先人の解読したのを見ると、一張一弛とか一馳一息の言葉が見えてきます。偕楽園は藩校弘道館と対をなすもので、弘道館で文武に励み、偕楽園で一息いれることが大切なことであるということです。
弓に一弛なけれればすなわち必ずたわみ、馬に一息なければすなわち必ず倒れる。張りつめてばかりでは弓は使い物になりませんし、馬に走り続けさせてばかりでは倒れてしまう。弘道館で学問、武道に励むばかりではなく、時に休息が大事である。数千株の梅を植えて、この地に真っ先に春が来る所とした。私の真意を心にとめて、一日中修養と仕事に励み、余暇には親戚友人とゆったりとした時間を過ごすのがよい。詩歌、管弦、書画、茶、花を愛でつつ酒杯を傾け、釣り糸を垂れるなど、好きなことをして時を過ごせば、心身の緊張と弛緩ほどよく調和して保養となる。このように多くの人と楽しみをともにしたいと思い、この園を偕楽園と名付けた。などのことが書いてあるそうです。また園の利用の決まりも書かれています。

さてこの偕楽園に梅の季節が始まりました。現在早咲きの梅8本に花が咲いています。八重寒紅本園4本、窈窕梅林1本。合計4本。

通路左側の手前の木に咲いています。花が少ないので見にくいです。前方は東門です。


八重冬至2本。そのほかに一重の冬至梅など、合計8本が咲いています。

2番目に咲いた八重冬至です。芝生の向こうに暁鐘と向学立志の像が見えます。


まだまだ花は少なく、本格的シーズンが始まる前に、植木屋さんが枝の剪定をしていました。

本園の中ほどの東梅林です。前方は御成門です。


ところで変わった梅の木があります。①お客さんは通常このように見ています。

木が4本生えているようにも見えます。②反対側から見るとやはり4本生えているようです。

一体どうなっているのでしょうか。
一番早く気付いたのは小学生でした。我々の年代ではなかなか答えが出てきません。実はたった1本の梅の木なのです。
①の画像で右から1、2、3、4とします。
1が幹の根もとです。それが2で着地して、地表近くを横に這ってゆき、3と4で立ち上がっています。
②の画像で見ますと、左側が1で根もとです。1が立ち上がって、途中から枝分かれして2に着地していますが、1の主幹は2に枝分かれしてからさらに高い位置まで伸びて、それから左に曲がり、下向きに進んで、左側の杭にくくりつけられています。すでにこの主幹は枯れていますが、生きているときはおそらくこの左側の杭の近くで着地していたと思われます。
着地してなかったとしてもかなり地表近くまで下がってきていたことは確かです。このように一旦は上にのびながらも、また地にもぐるかのように、あたかも竜の如くに這い回っています。これを臥竜梅というそうです。




コメント (10)
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