飄(つむじ風)

純粋な理知をブログに注ぐ。

原発がどんなものか知ってほしい!!④

2008-05-27 10:57:47 | 平井憲夫

また、ぞろ原子力発電に傾斜を始めた企て.....。
後のことは関係ない、利権しか考えない
悪の企て、アルゴア以来の、否、温暖化キャンペーン以来の
悪の企て......。で、掲載することにした。


 

800pxsuperphnix

先日、コメント(公開中)を頂いた方から、当掲載文書は、「怪文書」とのご指摘があった。そうは思っていない。

 「怪文書」とは、『為』にする文書のことである。そう指摘する以上、その証拠が必要である。コメント氏の指摘する文書の欺瞞とする箇所は、以下の2点。

  1. 著者自ら100回以上も内部被ばく云々。

  2. 「絶対安全」だと五時間の洗脳教育は労働安全衛生教育云々。

 内部被爆は、体内部被爆であるので、センサーには関係ない。従って、外部的には見つからない。労働安全衛生教育との推定は、正しいが、「洗脳教育」と表現したこと自体表現の自由。著者自身が教育担当者であったかどうかは明らかではないが、資格者であったかも明らかではない。それらの主張をもって、欺瞞と断ずるには証拠不十分である。従って、コメント氏の「欺瞞による怪文書」との主張は、異論各論の一つと考えられる。

 異論各論は、言論の自由の証左であるから当然ある。批判も大いに結構。批難は、その方の立場を主張する批判であるから、あんまり歓迎しないが、それも排斥しない。立場が分かって都合が良い。批判は冷静・公正である。歓迎する。

 ちなみに、平井憲夫氏の文章は、多岐にわたる。その全般は承知していないが、その主張に『為』にする文章とはとうてい思われない。むしろ、犠牲の上に立つ使命感を感じ取れる。表現は時には誇大にも、行き過ぎもある。しかし、一貫する流れに警告を発する意図に、悪意(意図する恣意性)はない。故に、『怪文書』とは、とうてい思わない。 

参照>レイニーさん(IPアドレス: 58.188.229.48)のコメント

はじめまして今日は。

ご引用されている「原発がどんなものか知ってほしい」に対して異論が存在するとご承知の上で、転載されていらっしゃるご様子ですね。
ご引用文書の欺瞞性を知らずに引用公開されるのと違い、意図的だとは存じますが疑義のある文章を正当化されるのは決してほめられる行為とは思えません。

丁度この3ページ目に簡単な欺瞞部分が表示されています。

「内部被ばくが一番怖い」は全く正しい事ですが、著者自ら100回以上も内部被ばくをしてガンになったとの記述が有りますが、内部被ばくを引き起こした作業員は「現場作業禁止」になります。
私自身が内部被ばく発生という実例を現場で確認し、その後の処理も一部始終見ておりましたから言えます。
即ち100回もと言う記述は明らかに虚偽であり、内実は体表面汚染モニタに引っかかった回数と推定されます。

次に「絶対安全」だと五時間の洗脳教育で…~オウムの麻原以上のマインド・コントロール、 「洗脳教育」をやって来ました。とも記載されています。
この洗脳教育と揶揄されている教育は、労働安全衛生法により規定される教育で、教官には一定の資格が必要です。
その資格を得るには放射線管理員という実務経験が必須ですが、上記内部被ばくどころか体表面汚染モニタに100回も引っかかる放射線管理員など言語道断失格です。
従って著者自身が行える教育では有りませんので、行えたのは事務所での雑談程度でしか無いはずです。
まぁ冒頭で書いた「原発のことなら何でも知っている」と同様に、自己を大物に見せようと言う虚飾でしょう。

この2例は現場を存じているものに取って「相反する事例」であり、両者を同時に並記した時点で相当以上に事実をねじ曲げた文章であることが簡単に判ります。

少なくとも「事実を求めるブログ」を標榜なさるなら、当然のようにこの引用文書が「怪文書」だという事を異論反論も並列して掲載されるべきと思います。(全文掲載)

【転載開始】平井憲夫氏>

だれが助けるのか

 また、東京電力の福島原発で現場作業員がグライ ンダーで額(ひたい)を切って、大怪我をしたこと がありました。血が吹き出ていて、一刻を争う大怪 我でしたから、直ぐに救急車を呼んで運び出しまし た。ところが、その怪我人は放射能まみれだったの です。でも、電力会社もあわてていたので、防護服 を脱がせたり、体を洗ったりする除洗をしなかった。 救急隊員にも放射能汚染の知識が全くなかったので、 その怪我人は放射能の除洗をしないままに、病院に 運ばれてしまったんです。だから、その怪我人を触 った救急隊員が汚染される、救急車も汚染される、 医者も看護婦さんも、その看護婦さんが触った他の 患者さんも汚染される、その患者さんが外へ出て、 また汚染が広がるというふうに、町中がパニックに なるほどの大変な事態になってしまいました。みん なが大怪我をして出血のひどい人を何とか助けたい と思って必死だっただけで、放射能は全く見えませ んから、その人が放射能で汚染されていることなん か、だれも気が付かなかったんですよ。

 一人でもこんなに大変なんです。それが仮に大事 故が起きて大勢の住民が放射能で汚染された時、一 体どうなるのでしょうか。想像できますか。人ごと ではないのです。この国の人、みんなの問題です。

びっくりした美浜原発細管破断事故!

 皆さんが知らないのか、無関心なのか、日本の原 発はびっくりするような大事故を度々起こしていま す。スリーマイル島とかチェルノブイリに匹敵する 大事故です。一九八九年に、東京電力の福島第二原 発で再循環ポンプがバラバラになった大事故も、世 界で初めての事故でした。

 そして、一九九一年二月に、関西電力の美浜原発 で細管が破断した事故は、放射能を直接に大気中や 海へ大量に放出した大事故でした。

 チェルノブイリの事故の時には、私はあまり驚か なかったんですよ。原発を造っていて、そういう事 故が必ず起こると分かっていましたから。だから、 ああ、たまたまチェルノブイリで起きたと、たまた ま日本ではなかったと思ったんです。しかし、美浜 の事故の時はもうびっくりして、足がガクガクふる えて椅子から立ち上がれない程でした。

 この事故はECCS(緊急炉心冷却装置)を手動 で動かして原発を止めたという意味で、重大な事故 だったんです。ECCSというのは、原発の安全を 守るための最後の砦に当たります。これが効かなか ったらお終りです。だから、ECCSを動かした美 浜の事故というのは、一億数千万人の人を乗せたバ スが高速道路を一〇〇キロのスピードで走っているの に、ブレーキもきかない、サイドブレーキもきかな い、崖にぶつけてやっと止めたというような大事故 だったんです。

 原子炉の中の放射能を含んだ水が海へ流れ出て、 炉が空焚きになる寸前だったのです。日本が誇る多 重防護の安全弁が次々と効かなくて、あと〇・七秒 でチェルノブイリになるところだった。それも、土 曜日だったのですが、たまたまベテランの職員が来 ていて、自動停止するはずが停止しなくて、その人 がとっさの判断で手動で止めて、世界を巻き込むよ うな大事故に至らなかったのです。日本中の人が、 いや世界中の人が本当に運がよかったのですよ。

 この事故は、二センチくらいの細い配管についている 触れ止め金具、何千本もある細管が振動で触れ合わ ないようにしてある金具が設計通りに入っていなか ったのが原因でした。施工ミスです。そのことが二 十年近い何回もの定検でも見つからなかったんです から、定検のいい加減さがばれた事故でもあった。 入らなければ切って捨てる、合わなければ引っ張る という、設計者がまさかと思うようなことが、現場 では当たり前に行われているということが分かった 事故でもあったんです。

もんじゅの大事故

 去年(一九九五年)の十二月八日に、福井県の敦 賀にある動燃(動力炉・核燃料開発事業団)のもん じゅでナトリウム漏れの大事故を起こしました。も んじゅの事故はこれが初めてではなく、それまでに も度々事故を起こしていて、私は建設中に六回も呼 ばれて行きました。というのは、所長とか監督とか 職人とか、元の部下だった人たちがもんじゅの担当 もしているので、何か困ったことがあると私を呼ぶ んですね。もう会社を辞めていましたが、原発だけ は事故が起きたら取り返しがつきませんから、放っ ては置けないので行くのです。

 ある時、電話がかかって、「配管がどうしても合 わないから来てくれ」という。行って見ますと、特 別に作った配管も既製品の配管もすべて図面どおり 、寸法通りになっている。でも、合わない。どうし て合わないのか、いろいろ考えましたが、なかなか 分からなかった。一晩考えてようやく分かりました 。もんじゅは、日立、東芝、三菱、富士電機などの 寄せ集めのメーカーで造ったもので、それぞれの会 社の設計基準が違っていたのです。

 図面を引くときに、私が居た日立は〇・五mm切り 捨て、東芝と三菱は〇・五mm切上げ、日本原研は〇 ・五mm切下げなんです。たった〇・五mmですが、百 カ所も集まると大変な違いになるのです。だから、 数字も線も合っているのに合わなかったのですね。

 これではダメだということで、みんな作り直させ ました。何しろ国の威信がかかっていますから、お 金は掛けるんです。

 どうしてそういうことになるかというと、それぞ れのノウ・ハウ、企業秘密ということがあって、全 体で話し合いをして、この〇・五mmについて、切り 上げるか、切り下げるか、どちらかに統一しようと いうような話し合いをしていなかったのです。今回 のもんじゅの事故の原因となった温度センサーにし ても、メーカー同士での話し合いもされていなかっ たんではないでしょうか。

 どんなプラントの配管にも、あのような温度計が ついていますが、私はあんなに長いのは見たことが ありません。おそらく施工した時に危ないと分かっ ていた人がいたはずなんですね。でも、よその会社 のことだからほっとけばいい、自分の会社の責任で はないと。

 動燃自体が電力会社からの出向で出来た寄せ集め ですが、メーカーも寄せ集めなんです。これでは事 故は起こるべくして起こる、事故が起きないほうが 不思議なんで、起こって当たり前なんです。

 しかし、こんな重大事故でも、国は「事故」と言 いません。美浜原発の大事故の時と同じように「事 象があった」と言っていました。私は事故の後、直 ぐに福井県の議会から呼ばれて行きました。あそこ には十五基も原発がありますが、誘致したのは自民 党の議員さんなんですね。だから、私はそういう人 に何時も、「事故が起きたらあなた方のせいだよ、 反対していた人には責任はないよ」と言ってきまし た。この度、その議員さんたちに呼ばれたのです。 「今回は腹を据えて動燃とケンカする、どうしたら よいか教えてほしい」と相談を受けたのです。

 それで、私がまず最初に言ったことは、「これは 事故なんです、事故。事象というような言葉に誤魔 化されちゃあだめだよ」と言いました。県議会で動 燃が「今回の事象は……」と説明を始めたら、「事 故だろ! 事故!」と議員が叫んでいたのが、テレ ビで写っていましたが、あれも、黙っていたら、軽 い「事象」ということにされていたんです。地元の 人たちだけではなく、私たちも、向こうの言う「事 象」というような軽い言葉に誤魔化されてはいけな いんです。

 普通の人にとって、「事故」というのと「事象」 というのとでは、とらえ方がまったく違います。こ の国が事故を事象などと言い換えるような姑息なこ とをしているので、日本人には原発の事故の危機感 がほとんどないのです。【転載続く】