乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

エウゲニ・オネーギンに感激

2006-08-31 | 映画

 (写真は I.オーゼロフ  

  エウゲニ・オネーギン http://www.theatertv.co.jp/theater_0608/rosia.html

         感動度 ★★★★★+おまけ★

         満足度 ★★★★★+おまけ★★

         影像美 ★★★★★+おまけ★

         オペラ ★★★★★

         出演者 ★★★★★

         原作   プーシキン

         1958年 ロシア映画

         作曲  ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

         演出・監督:ロマン・ティホミーロフ

         撮影:エヴゲーニィ・シャピーロ

         指揮:ボリス・ハイキン

 

出演 

  【タチヤーナ】ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(ソプラノ)

          A.シェンゲラーヤ(演技)

     【オリガ】ラリーサ・アヴデーエヴァ(アルト)     

          S.ネモリャーエヴァ(演技)

  【オネーギン】エヴゲーニィ・キプカーロ(バリトン) 

          V.メドヴェージェフ(演技) 

  【レンスキー】アントーン・グリゴーリエフ(テノール)   

          I.オーゼロフ(演技) 

  【グレーミン】イヴァーン・ペトローフ(バス)

          I.ペトローフ(演技)

 

 先日観た『オネーギンの恋文』http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/ed3431e54b79ae9665e1dd85f966343d

のロシアのオペラ版映画。

 さすがにプーシキン作品http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/2f1c84fc5bcec4ae46548290c6eccac9(こちらはプーシキンの集めた美術作品)

とあって詩の朗読部分は観劇+興奮・・・

 映像もロシア的で絵画をカメラが撫で回しているよう・・・

 オペラも艶っぽく素敵~~

 

 二人の伯爵がまたカッコイイ~~

 この二人森が似合う。

 馬にまたがり凛々しく森から現れる男前二人・・・

 この二人は ともに『雪』と『マント』と『ハット』が小憎らしいくらいにお似合いになったのです・・・

 

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散歩する侵略者

2006-08-30 | TVで舞台

(写真は十津川)

G-up presents Vol.4      散歩する侵略者 

 http://www.land-navi.com/backstage/report/g-up/index.htm

        満足度  ★ ★ ★ ★ ☆

        感動度    ★ ★ ★ ★ ☆

        舞台監督  小野八着

        脚本     前川知大

        演出     赤堀雅秋

        舞台美術  福田暢秀

        出演     寺十吾・・・夫

                小林顕作(宇宙レコード)

                中野英樹(グリング)

                猫田直・・・妻

                岸潤一郎(NAィKI)     他

 

 

                 またまたテレビなのですが・・・

                  『散歩する侵略者』をみました

 

 どこか懐かしい舞台美術。

 どこか安部公房氏の作品を感じさせる具象的ナンセンスで安定した脚本。

 訓練された発声と声の役者陣。

 なんだか学生時代に戻ったような懐かしい作品で楽しませていただきました。

 楽しかった・・・

 

 「それ、いただきます。」

 言葉と内容が概念の剥奪によって離脱してしまう・・・

 台詞と話のイメージは突拍子もないといえばそれまでですが、自然体にも感じ、結構身近に感じられて怖かったですね。

 

 

 妻は中味は別人とは知りつつ、夫或いは夫の抜け殻、または夫の形を借りた別人を心底愛す。

 「私の『愛』という概念をうばって。そうすればあなたがどこかに行ってしまって、死んでしまっても、もう悲しむこともないんだわ・・・」

の言葉と愛のの深さ・・・

 夫は今まで漠然としていた愛について、妻から愛の意味を盗むことによって初めて根本的に本当に愛することの意味を知る。ここで、

「うばわなければよかった・・・」

という脚本家の意図がじんわりとこちらに伝わってくる。

 テレビながらに少し目頭がにじんでしまいました。

 

 

 夫は愛の概念を無くした妻を置いて、後ろ髪を引かれる思いでドアの前で立ち止まり、去る・・・

 この『ドアの前の夫』のグレーベースの色彩と構図が、スプレーで書いた80年代に流行った油絵のようで、見事に美しかったです。

 

 

 面白かった!

 

 

 芝居について何も知らない初心者ですので、間違いや失礼なことを書いていればお許しください。

 

 

 

 

 。

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男の好きなスポーツ/ナイロン100℃

2006-08-29 | TVで舞台

(写真は十津川村壁の苔です)

    男の好きなスポーツ http://www.sillywalk.com/nylon/

      ナイロン100℃ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%B3100%E2%84%83

      満足度  ★★★★☆

      台詞   ★★★★★

      作・演出:  ケラリーノ・サンドロヴィッチ

      美術:    林巻子(ロマンチカ)

      キャスト  みのすけ

             松永玲子

             新谷真弓

             村岡希美

             廣川三憲

             藤田秀世

             小沢真珠 

                   美しかった~~

             ロマンチカ(5人)

                   美しかった~~

                             他多数

 セックスをテーマとしたラブ&ミューマンコメディー・・・なんて書き出すとしらけるので今日は感想だけです。

 ナイロン100℃は今日TVで始めてみましたが、面白かった

 そのもののシーンよりもアップテンポの台詞に笑い転げてしまいました。

 というのもとりとめもないさほど重要性を感じない内容を可能な限りへ理屈こね回すところが面白い。

 私の好きな『ラーメンズ』を平たくしたような場面があったり陣内のような笑いを感じたり・・・

 大好きな『特命係長 只野 仁』のように ぉち○ち○がズドーン(失礼しました)だったり・・

 音楽も良かった。

 小沢真珠は本当に美しかった~~。

 ダンスのロマンチカの5人の顔と体の線も絵に書きたいほど美しかった。

 私ナイロン100℃は初めてで何にも知らずに楽しんでいましたが警官役と警官の形態で50万も受けようとした役者さんは一体どなたなのでしょうか・・・くらい初心者なので、間違いや失礼なことを書いていればお許しください。

 ナイロン100℃は面白かったので今後も注目・・だな?

 

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幸せになるためのイタリア語講座/デンマーク

2006-08-29 | 映画

 Italian for Beginners 幸せになるためのイタリア語講座

              http://www.zaziefilms.com/italian/intro.html ←HP

               満足度    ★★★☆☆

               感動度 A   ★★★★★

                    デンマーク作品としてみると、出色の一作品

                                感動度 B   ★★☆☆☆

                    一般的作品としてみた場合

                    感動度 A と評価は異なる

               画面の構成 ★★★★☆

                                             構図や色彩が時々レンブラント作品を

                     思い浮かばせ重厚で安定している

               話の展開   ★★☆☆☆

               2000年    

                              デンマーク映画    重要

              http://www.eonet.ne.jp/~okajimas/sub084.html

               ↑ デンマーク福祉HP 

                               http://copenhagen.japanese-guide.com/

               ↑  デンマークHP

 

                監督・脚本  ロネ・シェルフィグ 

               キャスト  アンダース・W・ベアテルセン

                      ピーター・ガンツェラー

                      ラース・コールンド

                      アン・エレオノーラ・ヨーゲンセン

                      アネッテ・ストゥーヴェルベック

                      サラ・インドリオ・イェインセン

                     ※ベルリン国際映画祭銀熊審査員賞等受賞作

 

 舞台はデンマーク。

 多分私たちはこの国に対して『福祉国家』或いは『美しくクリーン』なイメージの国を描いているだろう・・・少なくともこの作品を観るまでは・・・

 一見6人の男女の人間模様や愛を描いた作品朋受け取れるこの映画ですが、実は思いの他奥がが深かったようです。

 『福祉国家』であるデンマークの問題点をたくみに、女性の視線で細やかにとらえ、描ききっていました。

 

 例えば

1)病気の母親の娘に対する金のむしんや病人のいたたまれない怒り。

 医療問題や介護問題。苦痛に耐えかねてモルヒネ量を増やしてほしい(安楽死)と頼めるのは、地のつながった娘だけ・・・

 

2)パン屋に勤める女は普通の仕草が難しい、数値的には表れない程度の おそらく神経内科系の病気。

 彼女はまともに仕事をこなすことができずに職をおわれ、転々と働き場所を変わる。

 彼女の心の支えになったのは、教会の神父。

「きれいな声をしているね。賛美歌のソプラノが必要だ。」

と優しく微笑み、スパゲティの巻くことができない彼女を見かねて、自分のマカロニの「皿を交換しよう・・・」といった宗教を通しての人間愛だった。

 

3)ほかにも『失業問題』や『結婚できない問題』、『個人的肉体問題』や『貧困』などのデンマークのイメージとはまた違った隠された陰の部分を見事に表現していた。

 

4)上の1~3のような一般底辺で一生懸命に生きる人々と国家との温度差は言い表しがたいが、時々町並みにそびえる立派なデンマークの国旗が、皮肉に観ている私たちの目に入り込んでくる。

 この部分を女監督は描き出したかったのではないか・・・

 見事な作品である。

 

 デンマークといった『北ヨーロッパ』に対して『イタリア』といった国は野菜や光、自由な愛など、本来の生きている人間が必要とするものに恵まれた理想的な国として映る。

 それが『幸せになるためのイタリア語講座』といったタイトルとなって表れ、たまたまなにがしらの心に傷を持った人たちが、イタリア語講座の教室に通う。

 各自また人々の心の交流や葛藤、色々な出来事の末、パンやで働いていた女性に父親の遺産が入る。

 「イタリアに行きたいの・・・」

の言葉を受け成り行きで受講生9人皆でヴェネチアへ旅行に出かける。

 陰鬱だったデンマークの冬の北ヨーロッパの町に比べ、ヴェネチアの街の前に広がる海の姿は爽快。

 イタリアでのみんなはそれぞれに自分たちの楽しみ方をしたり、ほのかなラブストリーがあったりですが、映画はみんなでとり食事風景で幕を閉じます・・・

 

 

 

 実は最後の数分のシーンが観られなかったので、家族に教えてもらったのですが、いまいちはっきりとわからないのです・・・

 

 実は後5分といった時、いきなり大雨が降ってきたので

      1)洗濯物を取り入れる

      2)一、二階の窓という窓を全て閉める

      3)外においていたバイクのヘルメットを家に入れる

などの作業で、ラストを観そびれてしまったのでした・・・

                               

 まあ今日は散々でしたが、明日はきっと良い日になりますともさ

 

 

 

 

 

 

 

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ミュージカル/星の王子さま

2006-08-28 | TVで舞台

     星の王子さま

  http://blog.eplus.co.jp/hoshi2005/  ←HP

                   満足度 ★★★★☆

                   感動度 ★★★☆☆

                   衣装   ★★★☆☆

                   舞台   ★★★☆☆

                   原作 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

                   演出 白井晃

                    脚本・作詞 能祖将夫

                   作曲・音楽監督 宮川彬良

                    振付 近藤良平(コンドルズ)

 

                   キャスト  宮崎あおい 

                         中世的な笑顔で、かわいかった

                         イメージする『星の王子様』そのもの

                         話さなくて立っているだけでもいいよ~

 

                    飛行士  岡田浩暉   

                         かっこよかった

                         衣装が遠くから見ると革、

                         実際は竹のようなものをなめし編んである

 

                   王様    ブラザートム

                      上手かった、ぴったり

                      印象的

                                            http://www.stardust.co.jp/file/profile/tom.html

 

                                       

                   ヘビ     森山開次

                      見事な舞踊

                                       http://kaijimoriyama.com/cgi-bin/diary/topics.cgi

 

 

                   キツネ&うぬぼれ男  ROLLY

                     【うぬぼれ男】

                      ピッタリ

                      70年代ぽいロックの衣装

                      クイーンの編曲

                     【キツネ】

                     「心で見なくちゃ物事は分からないんだ。」

                     「大切なことは目に見えないんだよ。」

                     台詞が深~い!!

 

                   地理学者  松澤一之

                    「地理学者たるものは現地に行く必要はない」

                    「研究室で事実らしい話を書き込むのだ」

                    深い台詞が印象的

 

                   実業家   内田紳一郎

                     楽しかった

 

                   点燈夫   宮川浩

                     上手かった

                     印象的

 

                   呑み助   福本伸一

                     上手かった

                     印象的

 

                   天文学者  田子裕史

                     楽しかった

  

                   バラ     安寿ミラ

                      歌が好きだった

                      個性的だが予想のつく手の動かし方が好き

 

 

 男の飛行機が砂漠の真ん中に墜落。

 砂漠で男は、星から来たという少年(星の王子さま)と出会う。

 二人は羊のスケッチをきっかけに心を通い合わせ始める。

 

 少年は住んでいた小さな星のこと、花のこと。

 旅の途中で出会った人々や、本当の気持ちを気付かせてくれたキツネのことなどを目を輝かせながら話す。

 そして・・・・・・

 話は次々と展開、舞台として、ミュージカルとして楽しむことができつ場面の展開。

 出演者みんながそてぞれの個性を発揮した、台詞の発声もはっきりしていて満足のいく舞台でした。

 

 舞台と客席の間にオーケストラが設けられ、オペラやバレエのように少しワクワク感の盛り上がるミュージカル。

 リアルタイムで観たかったな!!

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小さな中国のお針子

2006-08-25 | 映画

     小さな中国のお針子 (原題 Balzac et La Petite Tailleuse Chinoise)

  http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=3018

  ↑ 小さな中国のお針子

              感動度    ★★★★★

              満足度    ★★★★☆

              話の展開  ★★★★☆

              好み度       ★★★★★

              2002年   フランス映画   中国語    110分

             ((フランス映画だそうですが、

                中国映画に分類しちゃいました~ごめんなさ~い))

                              監督     ダイ・シージェ

              キャスト   ジョウ・シュン

                      チュン・コン

                      リィウ・イエ 

 

 中国の鳳凰山の片田舎。

 ここは文明yとは程遠い時間には基本的に終われず太陽の光に基づいた素朴な生活を営んでいた。

 1971年頃中国の文化大革命のさなか、ブルジョア知識階級層のマーとルオは再教育と称し、四川省の山奥似て強制肉体労働を課せられる。

 彼らはそこで見ら一番の美しいお針子に出会いう。

 二人は彼女のために、フロベールやユーゴーなどの西欧文学を読み聞かせ、愛情から彼女のために人間らしく考える力をつけさせようとする。

 

 歯医者のルオとは激しい恋に陥る。

 川の中で激しく愛し合う場面は自由奔放で、この時代の背景を考えると燃え上がるような恋愛といってよい。

 だが根本的に彼女に影響力を与えたのは彼らに読んでもらった文豪バルザックだ。

 

 バルザックを読み聞かせる歯医者の息子、ルオと彼女は表面的に情熱の恋に陥るが、バイオリンのマーとは収支一貫した安定した精神的プラトニックな愛で通じていた。

 果たしてそれだけか・・・

 

 彼女はバルザックを読み聞かせる彼と恋に陥り、彼の子を18にして身ごもってしまい。

 当時鳳凰山では結婚は25歳からと決められ、みんなに知られると相手の男は殺されてしまう。

 だが運悪く整理の来ない2ヶ月目、男は父の病気のためにこの村を二ヶ月間離れていた。

 彼女は毎晩男の変わりに本を読み聞かせてくれるバイオリンのマーに相談する。

 マーは機転を利かせ、彼女の身になった行動をとる。

 

 彼女の不安と伊丹に対して小屋の外でバイオリンを引き続け、産婦人科医に大切なバイオリンを25元といった二束三文で売って、彼女に20元を渡し、

「これで好きなものを買って気分転換をしなさい。これから町に行って映画を観る。」

といって、彼女を静かに思いやる。

 彼女はしっとりとした面持ちで、かに所の愛情を精神的に受け入れる。

 

 彼女はバルザックの影響だけではなく二人の青年に異なる愛情を感じ、身を引いたのではないだろうか・・・

 

  時代は変わり、ルオはは医者の権威者、マーは有名なバイオリスト。

 15年の時の流れは互いにフランスと上海で成功を収めていた。

 

 ある日マーはテレビで、青春時代を過ごしたあの村がダム建設で水没することを知る。

 マーは彼女を思い、彼女のイメージの香水を求め、彼女の村へと向かうが、彼女に会うことはできなかった。

 

 マーはその後今は結婚して子供もいる医学部教授のルオと出会い彼女の回想に浸り涙する。

 ルオはマーにつぶやく。

「僕は彼女を探したが見つけることはできなかった。君も彼女を愛していたのだろう・・・」

「ああ、多分。君とは違った形で愛していた・・・」

 ここのセルフが深い!

 素晴らしい映画だと感じました。

 

 

 役者さんで印象的だったのはお針この父親

 この役者さんが出てくると作品に広がりがあり重厚で上品で上等になったように感じました。

 特に、

「もう娘に本を読みきかさんでくれ。一冊の本が人の人生を変えてしまうことがある・・・」

 この深みのある台詞がとても好きでした

 

 

 

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泣かせてもらいました~日本沈没

2006-08-24 | 映画

      日本沈没

http://www.nc06.jp/  

↑日本沈没HP 

http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/filmnc06/eri_qa.html 

↑東大地震研HP

         満足度  ★★★★☆

         話の展開  ★★★★☆

         話の矛盾  ★★★★☆

         キャスト  ★★★★☆

         感動    ★★★★☆

         泣きました ★★★★☆

         劇場に行く価値 ★★★★☆

 

         原作    小松左京

         監督    樋口真嗣

         キャスト  草なぎ剛  淡々とした台詞と表情が好きでした!!

                柴咲コウ  かわいい~

                豊川悦司  印象深く上手かった!!

                及川光博

                大地真央  声明文を読むシーンが重厚!!

                 國村隼

                石坂浩二 総理の物まねが上手かった

                柄本明  「富士山が・・・」見事に上手い!!!! 

                    (目立たないが重要な繰り返しの台詞が深い)

                吉田日出子 アップテンポが印象的

                長山藍子 表情が良く、印象的!!

                福田麻由子

 

 

 レディースデーを利用して『日本沈没』2006を観てきました。

 夏休みということもあり子供連れのお母さんもちらほら・・・

 総製作費20億円をかけた大作とのことでかなりの迫力。

 部分的に矛盾点もありましたがキャストも適任者で固められ、見ごたえのある映画でした。

 何よりも、最近テレビばかりで愉しんでいたので、劇場で観たことに感激。

 かなり単純に満足感でいっぱい、幸せ感いっぱいで帰ってまいりました。

 

 

 内容的にはかなり以前に書かれた小説にもかかわらず、けして古くない。

 むしろ以前に観た映画よりも身の気がよだつ怖さが感じられる。

 それは大掛かりな特殊撮影によって日本が崩れ行く場面の為ではなかった。

 実は『世界と日本』、『日本政府と国民』、大きくは『自然界における宇宙と地球』といった関係の中で客観的に笑って入られない部分を垣間見たと同時に、身震いするほどの怖さを感じたからなのです。

 バカな話ですが、『これは政府の国民に対する警告ではないか』と疑いたくさえなった作品でした。

 

 

 この作品は賛否両論はっきりと分かれやすい作品でしょう。

 映画を見ながらこんなに日本を、世界をそして自然界を考えさせてくれる、或いは恋愛映画としても単純に楽しめるし、感動映画としてもとられることのできるこの作品は成功ではないかと思います。 

 何しろ万人が各自の趣向である程度愉しむことができるのですから。

 

 

 キャストとしては草なぎ剛 さんの淡々とした台詞と表情が好きでしたし、 豊川悦司  さんもはまり役で印象深く上手かったように感じます。

 大地真央さんは美しく凛とした表情が素敵でしたし、好きな役者さんの柄本明さんの目立たないが重要な繰り返しの台詞が深く心に残っています。

 長山藍子さんと草なぎ剛さんの再会の親子の表情がやわらかく、悲しく通じ合い心に残りました。

               

 

 一箇所かなり気になった場ねんもありました。

 峠に取り残された人々をレスキュー隊の柴咲コウ さんが助けに来たときの子供のシーン。

 子供(福田麻由子さん)は助けに来てもらった喜びと大好きなおねえちゃんに再会できた喜びのあまり、柴咲コウ さんの胸に顔を埋めのこのこと満面の笑みでニコニコと笑っちゃってました。

 この大切なシーンでこのようにニコニコ笑顔の表情を強調されたのは監督さん或いは演出家さんの一般人との見解の相違なのでしょうか・・・

 少し残念に思いましたが映画全体としては楽しめました。

 

 

 

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揺れ太鼓/谷瀬の吊り橋

2006-08-24 | 乱鳥徒然 Rancho's room.
       ゆれ太鼓


 奈良十津川村の揺れ太鼓のポスター。

 8月初旬に開催されたそうですが、結構ゆれる吊り橋。

 迫力があったのでしょうね・・・

 


 このつり橋は人気があり、近くには駐車場(五百円)もありました。

 谷瀬の吊り橋は20人までしか渡れないとのことでしたが、注意する管理人の方はいらっしゃらないようで、軽く25~30人は渡っておられました。

『こわくないわ~』
とたかをくくっていたのもつかの間、風邪や歩く人のテンポやタイミングで結構揺れる箇所もあり、スリリングな体験ができました。




 23日は奈良・和歌山・大阪で大雨も降り、車を運転していてもにワイパーでは追いつかず、前が見えず結構こわかったです。

 近くでは大量の小石の山崩れも起こり、警察や作業員の方が10人以上で迂回させたり小石をどける作業をさせたりとたいへんなお仕事をしてくださっていました。

 雨の中、本当にありがとうございます。

 
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おぉおぉ~クイーンのロック・ユー!

2006-08-20 | 映画

       ロック・ユー!

http://www.sonypictures.jp/archive/movie/rockyou/

Rock  You ! あらすじ

             原作  A Knight's Tale

              満足度 ★★★★☆

              話展開 ★★★★☆

              感動度 ★★★★☆

              芸術性 ★★★☆☆(色彩と衣装が好きでした)

              音楽(クイーン興奮度)★★★★★+おまけ★★★

 

              2001年  アメリカ  132分 

              監督・製作・脚本   ブライアン・ヘルゲランド

              キャスト    ヒース・レジャー

                       マーク・アディ

                       ルーファス・シーウェルシャニン・ソサモン

                       ポール・ベタニー

                       アラン・テュディック

 

 ♪ドゥオンドゥオン パスッ  ドゥオンドゥオン パスッ

       ドゥオンドゥオン パスッ  ドゥオンドゥオン パスッ♪

 

 おぉおぉ~クイーンのロック・ユー!

 我らクイーンの『We  Will  Rock  You !』から始まるこの映画、心は映画とクイーンに奪われて、落ち着きのない私。

 映画もかなり楽しめるもので満足がいきましたが、今回はもうあらすじも乾燥も無しってことで。

 本当は音対の夜9時にテレビで観たのですが、観終わった後はクイーンのビデオを二回観てからCDを朝までかけながら仮眠状態で昨日も今も寝不足・・・

 昨日も買い物と『ミナミの帝王』を観た以外は、一日中CDを流しながら家事をしたり本を読んだりといった怠惰な生活を送っておりました。

 

 舞台は、14世紀の欧州。

 貴族にだけ参加が許されるジュースティング(馬上槍試合)とあって、衣装もこっているが、どこか7、80年代にみたロックを思い浮かべる。

 フランスでのkyぷぎの為の入場シーンは、ROCKのコンサートさながらで、心はワクワクする。

 ヒース・レジャーも途中からはボンジョビに思えてきて、ひとりほくそ笑む。

 ただ・・・テレビで観たので3曲だけ・・・ずいぶんカットされたんだろうな、と心はブルーでした・・・

 本当はもっと流されたであろうはずのロックを指をくわえながらビデオを観たり、CDを聴いていた私。

 劇場で観ればよかった・・・

 

 クイーンで興奮してしまって観想もあらすじも無しってことで・・・

 本当にごめんなさ~い

 

 

 

 

 

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二人で歩いた幾春秋

2006-08-17 | 映画

記録のみ二人で歩いた幾春秋 

             好み★★★★★

             満足度★★★★☆

             感動度★★★★☆

             芸術度★★★☆☆

             キャスト★★★★★

 

             監督  木下恵介

             原作  河野道工

             脚色  木下恵介   

 

            キャスト   佐田啓二 (野中義男)

                   高峰秀子  (とら江)

                   山本豊三  

                    小川虎之助 

                    岸輝子 

                   久我美子 

                   倍賞千恵子 

                   野々村潔 

                   菅井きん   他 

http://www.shochiku.co.jp/video/jimaku/cp0055.html

二人で歩いた幾春秋の松竹ビデオ↑

 

 昭和二十一年。

 復員した学歴の低い野中義男は、故郷の山梨で道路工夫で生活を営なむ。

 貧困生活ながらも一家三人は幸せに暮らす。

 そんな二人の息子は成績が優秀。

 息子の成長は二人の生きがいでもあった。

 夫婦は貧しいながらもお互いに方を寄せ合って、お互いに対話や衝突をもしながら幸せに宝の息子を軸に、二人の道を実直に歩んでゆく。

 その生き方は人間の血液の流れる速度のようで優しくゆっくりとしていて、見ていてこちらまでが心が和む。

 その光景は雪解けの下から耐え抜いた植物が春になって息吹を得た読むにたくましく、めばゆいくらいに美しい・・・

 

 雨の日も風の日も夫はただひたすらに道路の凹みやひずみに土をかけ続ける。

 まるでシャベル独自に息吹が吹き込まれたかのように・・・

 この表現は故安部公房氏の『砂の女』の一部分を思い起こさせる。

 

 私は佐田啓二 さんと高峰秀子 さん の演技も淡々とした中にも細やかな表情の表現があり、以前から好き・・・そしてこの映画も以前TVで観た木下恵介監督の『喜びも悲しみも幾年月』と同様、淡々と話が進められ中にも、巧みに心理描写が描かれていて隙です。

 以前『喜びも悲しみも幾年月』で佐田啓二さんが好きになった。

 とはいえ、私が彼を知ったのはもうなくなられた後のことで、とても残念です。

 高峰秀子 さん はずい分昔に二時間ドラマで『波子』を見て以来好きですが、他にもTVで観た『カルメン故郷に帰る』も心に残る作品の一つです・・・

 

『二人で歩いた幾春秋』で印象的な場面は二人でイカにはいを持って帰るときのこと。

 照り返しのきついコンクリート道を家路へ向かう途中、いつものように夫婦二人のテンポの良い会話が続きく。

 調子に乗った女房のざるからイカがすぽりと道路に落ちてしまう。

 あわてた二人は瞬間にイカを拾い上げるが、道路にはくっきりとイカの跡形(水分)が残る。

 その二つのイカの『陰の黒』は二人の仲のよさの象徴のようで、ほほえましい・・・

 

  突然に夜起き上がり今頃は静岡あたりと妻はいいける・・・・・(売る覚えですが)親の子に対する思いが詠まれていて好きでした・・・

 

 二人はかなりの無理をしてようやく息子の京大卒業にこぎつけるが、そこにたどり着くまでには並大抵の努力では語りきれないつらさややりきれなさや努力や愛の格闘があったが、終始一貫して実直な二人は、二人で歩み、どんな問題に対しても二人で乗りこえてきた。

 そしてこれからも二人で歩んで行くのでしょう・・・

 息子や将来築き上げる息子家族の幸せをも応援しながら、ゆっくりとゆっくりと質素に実直に暮らして、一年また一年と二人で年を重ねていくのでしょうか・・・

 

 

http://kazekobo.cool.ne.jp/cinema/ikutosituki.htm

  ↑ 数年前TVで観て感動した木下恵介監督の『喜びも悲しみも幾年月』

 

 

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白いカラス /アンソニー・ホプキンス 二コール・キッドマン

2006-08-15 | 映画

  THE HUMAN STAIN 

      白いカラス    

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=3448

   カラスでなくって、ごめんなさ~~い。岡山後楽園の鶴です。

             満足度  ★★★★★

             感動度  ★★★★☆

             キャスト  ★★★★★

 

             2003年 アメリカ作品 108分

              監督  ロバート・ベントン

             原作   ハリー・レニックス

             キャスト  アンソニー・ホプキンス 

                    ニコール・キッドマン  

                    ウェントワース・ミラー 

                    ゲイリー・シニーズ 

                    エド・ハリス      他  

 

 テーマは人種差別と愛。

 カラスがカラスであることを隠して生活、しかし白くともカラスはカラス。

 自分を隠して得た安定した生活は人種差別とも取れる一つの単語(spook=幽霊→二グロ)から一挙に思わぬ方向に崩壊していく。

 白いカラスは無意識の意識下で故意に口にしてはいけない言葉を選び出していた。

 自分の内なる葛藤と孤独はこの上なく深い。

 地震の矛盾による空しさや侘しさ、悲しみが、しんしんとこちらに伝わる。

 

 カラスであるがゆえに初めの恋の結婚は失敗。

 差別発言にも取れる単語を発したばかりに教授の地位を追われ、とてを知った妻はカラスの腕の中で死ぬ。

 このときのほんの数分の出来事は実際映画上では一分程の時間だが、不樽はだんだんと暗くなっていき、次にカメラアングルは後ろに引いてゆく。

 同質だったカメラはドアを額縁のように使い、遠近感を出して時間の経過を表現した後、妻の右手は力を無くして宙に落ちる。

『もう今となっては昔のことですが・・・』といった男の言葉が聞こえてきそうで、表現が上手い。

 

 男は孤独な境遇のお互いにひきつけあう女と出会う。

 そしてすぐに傷の穴を埋めあう。

 女には暴力的で威嚇的な元夫が付きまとっていた。

 各人が言い表せない過去を背負った三人。

 色々な事件や気持ちの入れ違いの後・・・

 

 男は女にカラスであったことを初めて打ち明けようとする。

「君に本当のこと・・・言っておきたいことがある・・・」

 女は男を見つめる。

 後の言葉は続かず二人は車に乗り込む。

 雪深い一本道。

 しばらくすると二人を待ち受けていた二人をねたむ元夫が別の車で不樽が通りかかるのを待ち受けていた。

 元夫がタバコに火を付けようとしたとき、二人の車のエンジン音が近づく。

 元夫はエンジンをかけなおし、二人の乗った車はハンドルを切りそこね、道からはずれ、転倒して二人とも即死。

 だが・・・

 二人の死は元夫の車が一因をしめてはいるものの、直接的な原因は・・・二人の車内の会話『白いカラス』の『真実の告白』による物だった・・・

 

 映画でははっきりとは示されてはいない直接的原因の解明は、やはり孤独で過去を背負った作家と元夫の会話でぼんやりとほのめかされている・・・

 元夫は真っ白の世界の中で池の上で穴を開け、魚を釣っている。

 そこへ作家がとぼとぼと歩いてきて二人はぼそぼそと話す。

「本当は君くらいの息子と、ここで坂なる地をしていたかったんだ。」

その元夫のしみじみと切ない言葉は作家の心の奥底に染み渡る。

『この男も自分と同じで孤独な一個の人間に過ぎない・・・』

作家は今来た白い中とぼとぼと帰っていく・・・

「本が書きあがれば、一冊送ってくれよ。」

元夫の言葉に悪びれや悪意はなかった。

 

 この映画は後半から画面は『白』にこだわっている。

 自分の『黒』を女に伝える一本道は雪深く、あくまでも白い。

 その白さと道のつながりは男の将来の暗示でもあり、表現はヒッチコックの『白い恐怖』を思い浮かばせる。

 そしてラストの氷の上出の元夫と作家の対話シーン。

 ここでも画面は『寒色の白』で表現されている。

 広い池の上だが作家はいった道をまたとぼとぼと帰っていく。

 自分では変えることのできない運命に支配さレ、人は孤独という器の中で生きている・・・

 やはり一本道、それはまるで人生を切なさを暗示している肌寒さの感じられる表現だった。

 

 

 

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ことば遊びの楽しみ 阿刀田高

2006-08-14 | 読書全般(古典など以外の一般書)
   ことば遊びの楽しみ


          著者    阿刀田高

          岩波新書(新赤本)

          (株)岩波書店

          2006年5月19日台1刷発行

          700円+税


 昨日は二冊本を読みました。

 こちらの『ことば遊びの楽しみ』は図書館の購入リストで見つけて、貸し出し中だったものを予約しておいた本です。

 楽しく読ませていただきました。

 今まで知っていたことの復習本的要素を含んだ一冊。

 川端康成から安部公房谷川俊太郎のことば遊びやマザーグースマザーグースかぶきや落語やあそびうたといった物まで取り上げられ、少し焦点を絞られた方がもっと面白かったのではないかと感じました。

 何しろ好きな阿刀田高氏ゆえ今日は辛口、ごめんなさい。

 何となく今までの阿刀田高氏の文章と違ったように感じたのは私だけでしょうか・・・



 川端康成の次は安部公房といった表現が納得をしつつ、笑ってしまいました。

 ちなみに私、 川端康成安部公房 阿刀田高も好きで、ほとんどの作品(多分出版されている99パーセント)を読んだのではないでしょうか。


 安部公房に関してはブックマークにありますので、よろしければどうぞ・・・


 
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うつ病女性の日記

2006-08-14 | 読書全般(古典など以外の一般書)
   うつ病女性の日記
     心の病からの脱出



            著者 ウアズラ・ゴールトマン・ポッシュ

            訳者 鹿島晴雄  古田香織

            (株)同朋社出版

            1988年3月30日  第1版台1刷発行

            1500円+税



 127ページの『うつ病の行動派しばしば問う回しの非難ととられ、そのため配偶者の行動は多くは葛藤的なものとなるという』の部分は、知人夫婦を思い浮かべてなるほどなぁと納得しました。

 斜め読みで愉しんで読ませていただきました。
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息子ジェフリー・ダーマーとの日々

2006-08-12 | 読書全般(古典など以外の一般書)
記録のみ   ★★★★☆

     息子ジェフリー・ダーマーとの日々



              著者 ライオル・ダーマー

              訳者 小林宏明

              1995年8月20日 初版印刷

              1995年8月31日 初版発行

             (株)早川書房

              1600円(本体1553円)


 異常連続殺人犯であるジェフリー・ダーマーを息子に持つ父親ライオネルが心痛の思いで綴られた手記。

 かなり残酷な殺しに現場での緊迫した環境と彼の置かれた一般人には理解しがたい心理状態に興味を持ち、興味深く一気に読みました。

 父親の言うように病理的ななにがしらのものが彼を支配したのかもしれませんが、彼がなくなった今となっては、解明する手段をたたれ、残念です。

 私は一読者に過ぎませんが、この場を借りまして、被害者15人のご冥福をお祈りいたします・・・




 話はそれますが小林宏明さんの訳も日本語が美しく、読み安い文章でした。

 明治大学文学部英文科卒業をされたそうです・・・
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HAZAN ★★★★★

2006-08-12 | 映画

  HAZAN  (写真は東大寺の壁面)

 

 あらすじ無し、感想のみでごめんなさ~~い。

         満足度★★★★★

         感動度★★★★☆

         話の展開★★★★☆

         芸術性★★★★☆

         全体の好み★★★★★

 

 

         2003年 日本 108分

          監督   五十嵐匠

         原案    荒川正明

         脚本    荻田芳久  五十嵐匠

         美術    池谷仙克

 

         キャスト  榎木孝明

                南果歩

                中村嘉葎雄

                康すおん

                柳ユーレイ

                益岡徹   他

 

 まず一番に思い浮かべるのは『炎の変化』。

 初めに窯に火を入れた時には炎にもてあそばれた挙句の果てが無表情な炎の朱色。

 この主意とは他人行儀で、板谷波山を陶芸家とは認めていなかった。

 二度目に火を入れると、運悪く地震、炎は前よりも赤みを増していたが、その燃え方は縦筋が強く、まるで阿修羅のような火。

 作品には少々意地のの悪い赤であった。

 三度目にしてようやく炎は作品を包み込み、いたわり、炎の中に板谷独自の形状や色彩といった芸術性を見せてくれる。

 炎の中に覗かせる作品は美しい。

 波山の『葆光釉』(ホコウユウ)』という釉薬を究めた成果でした。

 

 この映画は少し中国映画や韓国映画の影響を受けている。

 こういったところが私のこの映画を好きな由縁かもしれない。

 ただし、中国映画等でこういったテーマを扱っている場合は『赤』の使い方や『汗』、遠近法の描き方が少々違う感じがする。

 心理描写の揺れ動きに関しては、日本の風土や四季に準じて、微妙な表現をとっており、日本の映画も素晴らしい。

 

 この映画も『全体の好み★★★★★』といったように、かなり好きな映画の一つ。

 まず映画そのものを作品としてとらえ、丁寧に描こうとしている。

 初めの出だしの構図に関してはわざと少しはずされていた。

 映画が進むにつれ構図はぴたりとはまり、見ていて心地が良い。

 構図にあわせて色彩も重厚に変わっていく。

 家族の食事シーンから後の何コマかは『小出楢重』の数枚の油絵を思い浮かばせてくれる。

 それはとても懐かしい私たちの知らない、しかしふるさとのような日本の風景を思い起こさせる。

 古きよき時代のいい感じの『家族』を描気とらえた瞬間であった。

 ただしこの『家族』は時には『男社会』や『貧困』や『傲慢』をも描き出す。

 それを支えるのが『家族愛』であり『夫婦愛』『親子愛』であった。

 第三者から見てかなり苦生活に見えるが本人たちはそれをばねに支えあう。

 顔で笑って苦を乗り越えて・・・といった感じに映る。

 夫の作品は芸術なのだといった妻には抽象的で理解しがたい内容を、愛情でひたすらに信じて支える。

 体は強く、子をよく生み、子供たちにだけはひもじい思いをさせないといった良妻賢母の典型のような女。

 懐かしい今は少ない日本を垣間見たような気がした・・・

 

 後半に差し掛かると構図はまた変化する。

 手前の花や壺を左右に離してに持ってきてぼかす。

 そして中央から上の人物に焦点を絞るが、左右のぼかした物体が数コマも続くと少し間延びがする。

 それを微妙に左の壺を強調したりして変化させているが、連続は面白みにかける。惜しい・・・

 

 重厚な場面が映っているかと思うと、明るい場面にタンポポやつつじをぼかした故意ピンクといった具合に場面をカメラのシャッターのようにころころと変えるが、季節感を現したい場面とまたコントラストのきつさが多いような気がする。ロケ地の自然の美しさを意識して捨てがたかった為に、少し説明的になったのかもしれない。

 せみの声などの聴覚的刺激は心地が良い。

 季節的な表現として風鈴売りの売りに来る場面と帰り行く場面の表現は見事に美しい。

 中国映画のように斜め構図を使って表現されていましたが、日本のこのシーンの方が少し対象物が小さく表わされていた。

 邦画と中国映画の好きな私はこの映画を比較しながら楽しんで見ていた。

 

 榎木孝明さんの暗い部屋でスケッチなどする重厚さを大切にした場面は、フランスの故ジェラール・フィリップを思い起こさせてくれた。特に左横顔が『モンパルナスの灯』のジェラール・フィリップと重なって映る。

 彼のスケッチや絵付け、彫刻刀使いや子供のための菊作りは本当に手際よく、素晴らしい・・・さすが絵心のある榎木孝明さんだと感心してしまいました。

 

 南果歩さんはまっすぐで迫真の演技の心打たれる。

 柳ユーレイさんの淡々としたコマの進め方は気持ちが良い。

 

 康すおんさんの役柄は難しさが伝わってくる。

 一番初めに土をひいた花瓶の口は彼の手から離されたのですが、ほとんどわからないほどの少しいびつな口になったのが惜しい・・・

 後の作品に関しては作品の出来上がりが写されていり、美しい形だった。

 康すおんさんの土を引くシーンは理屈で考えるのではなく、目、口、手、体全体で感じ、指先で表しているようで、見入ってしまいました。

 

 妻が家族と子供のために恥をしのんで夫の失敗作の花瓶の傷の上から釉薬をぬり、住職に渡したその駄作を住職は本人に返す。

 テーブルの上におかれたその愛情そのものの壺の陰はとても美しいものでした。

 その壺に見守られて夫は右作業机で大きな壺の彫り物をする。

 そして姿の映らない妻と子供たちの幸せそうな歌声が聞こえてくる・・・

 とても満足のいく映画でした。

 

 

 http://www.idemitsu.co.jp/museum/new_tenjimain9.html

 出光美術館『HAZAN展』

http://www.cetera.co.jp/gerard/

ジェラール・フィリップオフィシャルサイト(ブック・マーク)

http://www.geocities.jp/yurikoariki/philipe

ジェラール・フィリップ(ブック・マーク)

http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/b3df4167392d50f5a900a4a9b14c96c0

 備前焼き記録

http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/14f92c72ef820fcd166e686ca30e4b18

 萩焼記録

 

 

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