乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

味覚の表現辞典   奥山益朗編 東京堂出版

2007-08-27 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(写真は春、3月。萩で食べた白魚の踊り食い。白魚の踊り食いの期間は、極めて短い。)

 

 

記録だけ  2007年度 75冊目

 

 食べ物の味をどう表現するか

 作家・美食探求家たちの名文に探る!

 褒め言葉に苦労する時、表現に困った時の手引書

      『味覚の表現辞典

                                          

 奥山益朗 編

 株 東京堂出版

 平成13年6月10日    

 340ページ 2400円+税

 

 小説を媒介して、食べ物を興味深く、説明。

 なじみの小説家の名前も連なり、開高健氏などの記述などは、再度、全集を読みたくなる。

 丸谷才一氏が引用されていないのは、少し不思議な気がした。

 

 写真に載せた白魚の踊り食いの記述も、開高健『最後の晩餐』と獅子文録『好食徒然草』を引用。

 白魚の説明に、前兆10センチとあるが、私が食べたのはせいぜい3~4センチ。

 開高健氏の噛みながら食べるのならば納得がいくが、獅子文録氏のように飲む食べ方だと、10センチは無理。

 獅子文録氏の『喉チンコを擽る(くすぐる)不気味さ』とはよく言ったもので、料亭でも、

「決して噛まないで、飲み込んでくださいね。」

といった説明あり。

 味はさほどたいしたものではない。

 悪戯に少し噛むと、にごった味わい。このあたりは 開高健氏と私の感じ方は、少し異なる。

 わたしとて ピチピチとはねながら喉を通過する快感は初めてで、感触を味わう春の味覚といった感じを覚えている。

 

///////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 ここまでお読み頂き、皆様、ありがとうございます。

 私、一ヶ月ほど留守をいたします。

 元気に帰りましたら、また記録の更新を再開したいと思います。

 その折は、どうか宜しくお願いいたします。

 これまで同様、お付き合いいただけましたら、うれしいです。

 

 尚、しばらくの間、トラック・バックの受付は控えさせていただきます。

 また、今回も記録に限り、申し訳ございませんがコメント欄も控えさせていただきました。

 ごめんなさい。

 

 10月からもご訪問、コメント、トラック・バックなどをいただけましたら、とてもうれしいです。

 皆様、お体ご自愛下さいませ

                         

                              合掌

 

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『隅田川続俤~法界坊』と 『ザ・隅田川』  三者三様

2007-08-27 | TVで 歌舞伎・能楽

(写真は京都の大原。三千院にある寂光院で写す。)

 

 

 TV(BSh)で 中村勘三郎率いる『平成中村座』のニューヨーク公演を観た。

 これは今年7月、ニューヨークで行われた『隅田川続俤・法界坊』という超早だし。

 破天荒な僧侶が死霊となる法界坊のコメディの徹し方が、大変面白かった。

 テンポが速く、笑いを重要視した舞台であったが、最後の部分は華やかな歌舞伎らしい舞台に変わり、全体として満足のいくものだった。

 

 英語台詞(せりふ)に初挑戦した、勘三郎丈。

 NYの地でもかなり受けていた。

 

 カーテンコールでは会場全体がスタンディングオベーション。

 活気のある公演だったようだ。

 

 私の好きな弥十郎丈も 橋丈之助丈も、素敵だった。

 笹野高史さんも素晴らしい。

 七之助丈もきれいだ。

 亀蔵丈は恐怖映画のような動きの部分があり、あの顔と仕草で迫られた女性は、

「ひくわ~!」

というより仕方がない。

 他にも扇雀丈や勘太郎丈といった役者さんたちで、舞台を賑わせていた。

 

 素敵な男前の橋之助丈に対して言い放った、メークで意図的に小汚くした法界坊の、

‘I speak English. Can you speak English?’ 

‘He is narcist.’

は、笑えた。

 

 舞台を観終わった後のニューヨークの観客の、

「次に歌舞伎を観る時には、コメディではなくシリアスなものが観たい。」

の言葉は印象的だ。

 

 

 今月は法界坊を観る機会が多かった。

 歌舞伎チャンネルで、中村吉右衛門丈の『隅田川続俤~法界坊』を数度ばかり観て、笑い転げていた。

 本当に、面白い・・・。

 吉右衛門の他にも、私の好きな役者 吉之丞や富十郎。歌昇や染五郎、歌六、芝雀などが出演。

 ほか、錦之助や玉太郎といった役者も出ていた。

 

 吉右衛門と勘三郎の法界坊は演出や演じ方が全く異なっていて、面白かった。

 

 これら歌舞伎の『法界坊』は、『ネオかぶき』で有名な花組芝居の『ザ・隅田川』を思い浮かべながら観ると、また違った味わいがある。それぞれが個性的で、見せ場がある。私はどの舞台も好きだ。三者三様で、かなり楽しめるものだった。

 

 歌舞伎の『法界坊』を観て、一つ困ったことがある。

「〆たぞ〆た・・・しめこうの うっさうさ。

 〆たぞ〆た・・・〆こうの 兎~~~~♪」

の言葉とリズムが、頭から離れない。

 

 ほんに困った歌舞伎知らずの、歌舞伎好きだこと。

 

 それにしても・・・

 私、どうしてこんなに、好きな役者さんが多いのでしょう。

 

 ちなみにこの『法界坊』は能楽の『隅田川』の松羽目物。

 能楽の『隅田川』という曲も、いずれ近いうちに是非きいてみたいものだ。

 

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岡崎神社  (子授け・雨乞の神・進学の神)

2007-08-24 | 美術・文様・展示物

 

  岡崎神社 

 

 京都の美術館の近く。

 岡崎付近に 子授けの神として名高い、岡崎神社がある。

 車が多い大通にひっそりと佇む神社。

 石の鳥居をくぐると、静かで落ち着いた、こじんまりと落ち着いたこの神社。

 訪れる人も少ないのか、たまたまなのか・・・

 私が足を踏み入れたときも、人は誰一人いなかった。

 

 岡崎神社は、垣武天皇の平安京に際し、王城鎮護のために、京の都の四隅に(東)に立てられた一つとされている。

 東に立てられたことから東天王社とも呼ばれる。

 

 神社の中には、作られた兎が多い。

 これは当時、岡崎村一帯に野兎が多くかったことから、兎が氏神様のお使いとしていると考えられているとのこと。

 また、兎は多産なことから、子授けにご利益があるとして、境内の手水舎や狛犬の台座に兎の彫刻が見られる。

 そういえば、島根県の出雲大社にも、兎が飾られてました・・・

 兎は厄除神としても信仰されているとのこと。

 本殿正面 兎の像の手水舎がみとめられる。

 手水舎は現在でも、雨乞の神・進学の神として崇敬を集めている。

 

 白砂でこんもりと、形よく 山が作られている。

 まるで武士の刀を切る砂のような形。

 これにはどういう意味、いわれがあるのだろうか・・・

 それほど広くもない 白砂の庭には、小さな石(小岩)などもおかれ、きれいに飾られている。

 

 奉納された写真の画は、何を物語っているのだろうか・・・

 素盞鳴命(すさのおのみこと)が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)をきりつけているなのだろうか・・・

 勇ましく蛇を切り刻む姿が認められるが、私には意味が分からない・・・

 どなたかご存知の方があればお教えいただきたいと心より願う。

 気になる絵だ・・・

 

 岡崎神社には心ときめく能楽堂がある。

 小さいが落ち着く。

 上の八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治しているような絵。

 そういうと、能楽『張良(ちょうりょう=素盞鳴命(すさのおのみこと)が大蛇を退治する)』というのもあったな。

 

 ちなみに 岡崎神社の祭神は 素盞鳴命(すさのおのみこと)、櫛稲田媛命(くしなだひめのみこと)と御子(三女五男)八神。

 

 境内は拝観自由。無料。

 岡崎という地域と密着した岡崎神社。興味深い。

 

 美術館のついでに一度は訪れても損はない。

 車の激しい雑踏から逃れるには、もってこいの空間かもしれない。

 

 

 

写真は、『エルミタージュ美術館展』↓(2007年3月)

 http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/7f59457fe81f68a04cbb568c3a932aa7

に行く途中、岡崎神社に立ち寄り、写したもの。

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皆様へ♪ もういくつねると・・・

2007-08-24 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

 もういくつねると・・・

 

 乱鳥、もう少ししますと、旅に出ます。

 期間は一ヶ月。

 皆さんと離れ離れになるのはとても寂しいのですが、9月の末頃に、思い出を胸に抱いて帰ってまいります。

 その時は、また仲良くしてやってくださいね。

 皆様のご訪問を心より感謝し、とてもうれしく感じています。

 

 ブログを初めて 早いもので、もう一年半を迎えようとしています。

 毎日来てくださっている多くのの皆さんに感謝しています。

 ありがとうございます。

 またコメントやトラック・バックを下さる皆さんに心より御礼申し上げます。

 本当にうれしいです。

 皆さんのご訪問を心の支えに、記録を続けることができ、乱鳥、皆さんに生かされているような気がいたします。

 皆さんのおかげで、楽しい時間を過ごしています。

 皆様、ありがとうございます。

 

 旅立ちまでに、もうしばらくは記録を更新することもできるかと思います。

 懲りずに、末永くお付き合いくださいますよう、お願いいたします。

  

                              合掌

 

 

       (写真は京都の鴨川にいた、白鷺です。)

 

 

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かもかもかもかも かもなすび

2007-08-24 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

 鴨がいた

 たった一羽の 鴨がいた

 お前は鴨かと 心に問うた

 流れ流され かもなすび

 かもかもかもかも

 流木っかも 鴨似の煮

 かもかもかもかも かもなすび

 

 木鴨いた

 逆光一羽の 木鴨いた

 ここは賀茂かと 心に問うた

 かしこ大和の 川なすび

 かもかもかもかも

 歌も華も 鴨噛も

 かもかもかもかも かもなすび

 

 

               (すこーん すこーん こめだんご)

 

 

 

 (写真は流木二つ。どうでしょう、鴨に見えませんか?見えない?これは失礼いたしました。)

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夫婦喧嘩

2007-08-23 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

  夫婦喧嘩

 

 少し車を走らせてると、農家の倉庫か何かの屋根の上に、烏が二羽。

 なにやら、、大声を出している。

「ぐわぁあ~。ぐわ!」

「がぁ!ぐわぁっ、がっ!」

 挑発やお誘いではなく、よくみるとどうも夫婦らしい。

 

『狐の嫁入りならず、烏の夫婦喧嘩か・・・』

 私はくだらないことを考えながら、ゆっくりとブレーキ。

 烏はまだ、喧嘩を続けている。

 

 『はてさて、向かって右が旦那、左が女房ってところか・・・?』

 私の妄想は終わり無きかな・・・

 右下の雀は、

『我関せず。』

といった無表情な面持ちで、横を向いている。

 人間界では度々繰り広げられる子の構図は、烏界でも繰り広げられているらしい・・・

 

 そもそも烏は利口だ。

 上手いものだけを掻っ攫って言ったり人間のことばも覚える。

 赤子の頃から飼いならすと、人間にも懐くらしい。

 

 以前 京都の桂付近で見たのだが、農家のおじさんが畑で箱を開けた。

 すると二羽の烏が、ぱっと空に飛び立った。

 カラスたちは畑で遊美、ゆっくりとした時間を過ごしていた。

 十分ほどして おじさんがなにやら大きな声で唱えると、二羽の烏は箱に舞い戻ってきた。

 蛇使いならず、烏使いのおじさんだ。

 

 畑を見ただけでも幸せな気分に浸ることができる京都の中心地に育った私の 烏の懐き方は、今も楽しい思い出の一つとして、心に刻み込まれている。

 そういうと、あの優しそうなおじさんは、今はどうしているのだろうか・・・

 額に深い皺の、農家のおじさん。いい顔をされていたなぁ・・・

 あれから二十年。私はあのおじさんのように、いい人生を歩めているのだろうか・・・

 

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分かっちゃいるけど 読めない漢字

2007-08-23 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(写真は法隆寺門前。向かって左の仁王さん。歌舞伎の荒事みたいで、カッコイイ。ね、見得をきっているみたいでしょ・・・仁王さんにも 心はときめく、気の多い私・・・)

 

記録だけ 2007年度 74冊目                 

 

 ダイソー文庫シリーズ 47 

  分かっちゃいるけど 読めない漢字

                                      

 

 株 大創出版

 2006年7月15日 第6版発行   

 191ページ 105円 

 

 ハンドサイズでお手軽値段。頭の体操にもってこいの、気楽な本。

 そそっかしく誤字の多い私には、楽しく遊べる一冊でした。

 はてさて、乱鳥、少しはおりこうさんになったかしらん?

 

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地球の歩き方 イラン ペルシアの旅 ’07~’08

2007-08-22 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(写真は大阪歴史博物館『ペルシャ文明展』

 ↓ 乱鳥の『ペルシャ文明展』感想です。

 http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/bf1160e4ae8c539a621216dd67cab9fd

でミーナー・カーリー(ブルーの壺のようなエナメル細工の工芸品 

↓ 乱鳥の読書記録に、家のミーナー・カーリーの写真があります

http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/101a31dca0701d9c756ec1926cd5b92c

  

を売る、美しいイラン人女性のお二人。イラン人女性は美しい方が多い・・・)

 

 

 

記録だけ 2007年度 73冊目                 

 

  地球の歩き方 イラン ペルシアの旅 ’07~’08

                                      

 

 「地球の歩き方」編集室

 2007年3月16日 改訂第5版   

 313ページ 1880円 

 

 ・・・・・・

 折角記録し終えたと思ったら・・・消えてしまった。

 別にたいした記録ではないが、私のショックは大きい。

 もう、今日は書かない!

 

 今回改めて思ったが、地球の歩き方シリーズは線引きしながら時間をかけて読み進めていくと、世界に夢が広がって面白い。

 好きな国のものは購入して読みたいと思った。

 

 時間をかけて線を引きながら読んでいると、家族がからかう。

「読んだ部分はくたくたで、すぐにわかるね。」(夫)

「お母さん、お勉強、ちてるのん?」(子)

といった具合だ・・・

 私は彼等の目じりの下がったからかいを耐えしのび、他の本も併読しながら、『地球の歩き方 イラン ペルシアの旅 ’07~’08』を頭に叩き込んだ(つもりになっている)。ほんに 私は、幸せな阿呆である。

 

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出口のない海  市川海老蔵  横山秀夫著 山田洋次監督

2007-08-20 | 映画

(写真は島根県)

 

 出口のない海

 

 感動度 ★★★★☆  

 満足度 ★★★☆☆  

 話の展開 ★★★★☆

 お勧め度 ★★★★☆  

 

 原作者 横山秀夫

 山田洋次監督  

 

 市川海老蔵  

 香川照之  

 伊勢谷友介

 上野樹里

 塩谷瞬

 三浦友一    

 小手川裕子  他

 

 2006年 日本

 

 

 一言で言うならば、日本の敗戦が濃厚になっていく最中、海軍は最後の秘密兵器である『回天』に乗る若者たちを通しての、反戦的内容。

 

 話の展開は非常に簡潔でわかりやすく、万人受けする感動の秀作の一つだと思う。  

 しっかりとしたあらすじに、力のある俳優や若手の俳優の良い面を見事にあらわし、適度に感動を感じさせる。  

 また 時代の流れの中での悲しい事実や切なさ、小さな喜びを細やかに表現し、観客の自尊心や満足感をも満たしてくれるといった意味でも、山田洋二監督作品らしくてよいのではないかと感じる。

 満足のいく市作品で、これをテレビでみることができ、物理的にもお得感を感じ、楽しい時間も過ごすことができた・・・

 

 ところで、先月お怪我をなさった海老蔵さん。もう回復されたのでしょうか・・・

 片岡仁左衛門丈のお疲れもとれた頃かしら・・・

 映画をみたせいか、今日は少し心配になった私なのであります・・・  

 

 

 今回はあらすじや感想は省かせていただきます。

 

 

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京都 陶器まつり  (五条坂)

2007-08-19 | お出かけ

(この日はわざとカメラを持っていきませんでしたので、携帯電話で写しました・・・)

 

 

  京都 陶器まつり

 

 

 先日 子どもと、『フィラデルフィア美術館展』、『ナスカ展』、『陶器まつり』に行った。

 

 私たちが行った8月8日。五条にある若宮八幡宮の神輿巡行は、午前中(10時)に行われたらしい。

 五条坂の石の道標を左手に進み、若宮八幡宮に入っていくと、写真のような神輿がおかれていた。

 神輿は屋根の上の四方には立派な陶器の皿。みこしの胴?や囲いの周りにも 少し小さな皿が 複数枚(かなり多く)飾られている。陶器祭らしさを感じさせてくれる、味わい深いものであった。

 神輿は午前中の大役を終え、若宮八幡宮の所定の位置に 鎮座していた。

 

 

 五条坂は清水焼発祥 及び清水焼伝統の地。

 五条坂の陶器まつり。元はといえば、近くの大谷本廟(西大谷)へ墓参りに行く人が多く(私のさかのぼる先祖も・・・)、陶器店の前を通る。

「これはチャンス到来。見逃すわけには いかないぞ・・・」

てな商売人根性で、一級品として出せないものを陶器市で売り出したのが始まり。いわゆる糸偏(例えば反物)のB反市のような感じ。陶器まつりの方は伝統ある五条阪で、いつしか夏の風物詩となったのでありましょう・・・。 

 

 

 私たちは 五条阪の陶器まつりをみた後、二条阪を歩く。祭の余韻も手伝ってか、

『日本の石畳も また良し・・・』

などと、おつな趣を感じながら、観光客になりきって

『はてさて、京都を楽しむぞ・・・』

と逸る心を押さえながら、炎天下、惜しげもなく照り返す石の上を、憎々しげに踏みしめていた。

 

 

 二条阪から 同じく石畳の祇園をぶらついた後、四条大橋の近くのロシア料理店『キエフ』でゆっくりと食事を楽しむ。

 ロシアビールが喉を潤す。

 子どもが、

「卒業前には、一ヶ月ほどロシアに行くわ・・・」

と、ノーテンキなことをのたまう。

 ロシアといえば、『オペラ』『バレエ』・・・

『あなたより、私が行きたいのよ!』

と、内心、複雑な心境に囚われた私・・・

『まぁ、私ったら・・・大人げの無いことだこと・・・』

 

 

 

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妖怪談義  柳田國男著 (定本 柳田國男集 第四巻)

2007-08-16 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登

(写真は出雲大社。)

 

 

記録だけ 2007年度 72冊目                 

 

  『定本 柳田國男集 第四巻』の中の、『妖怪談義』

                                          

 著者  柳田國男

 筑摩書房

 昭和43年9月21日    

 508ページ(うち 151ページ) 980円 

 

 夫の書斎で見つけた、柳田國男氏の『定本 柳田國男集 第四巻』の中の、『妖怪談義』を読む。

 宮田登氏の『妖怪の民俗学』『正月のハレの日の民俗学』と併読。

 宮田登氏の『妖怪の民俗学』とは基本の考え方は似ているが、実際には異なる。

 『妖怪』について、違った学者の考えを同時に読むのは面白かった。

 

 柳田國男氏の『妖怪談義』はもう少し取っ組みにくいか・・・と思っていたが、結構溶け込める。

 最後には漫画家 水木しげる氏で有名な『ベトべトサン』や『イッタンモメン』などの『妖怪名彙』も載せられていた。

 

 

 若い頃、趣味で 定本 柳田國男集をほとんど読んでる夫。今回は少し見直したかも・・・それにしても こんなに立派な本が980円だなんて・・・昔は本が安かったんだ・・・・・・

 

 

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正月のハレの日の民俗学  宮田登著

2007-08-16 | 民俗学、柳田國男、赤松啓介、宮田登

(写真は萩の窯元。少し脇に入ってみると、窯元の違った部分が見え隠れして、楽しい。)

 

 

記録だけ 2007年度 71冊目                 

 

  正月のハレの日の民俗学

  

                                          

 著者  宮田登

 大和書房

 1997年4月30日    

 238ページ 2400円+税  

 

 夫の土産の数冊の本の中にあった、『正月のハレの日の民俗学』を読む。

 柳田國男の『定本 柳田國男集 第四巻』の中の、『妖怪談義』と併読していたため、両方が手間取る。

 両冊とも面白く、興味深い部分があった。

 

 宮田登氏の本を読むと、日本の見えてなかった部分が明らかになってくるような気がする。

 宮田登氏の本は、これからも続けて 読んでいきたいと思っている。

 

 

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フィラデルフィア美術館展 京都市美術館

2007-08-15 | 美術・文様・展示物

(写真は『フィラデルフィア美術館展』で購入した、パブロ・ピカソの『ヴァイオリンを持つ男』(1911―12年)のポストカード)

 

 

  フィラデルフィア美術館展 京都市美術館

 

 

 先日、家族と一緒に、『フィラデルフィア美術館展』、『ナスカ展』、『陶器祭』をみた。

 

 

『フィラデルフィア美術館展』をみてまわると、近代西洋絵画が 順を追って見られる感じがする。

 油彩72点(うちヨーロッパ絵画57点、アメリカ絵画15点、)。加えてロダンなどの彫刻が5点。あわせて77点と、数はそこそこだが、内容が深い。

 

 

 誰しもが知っている作品も多い。

 展示の画をみながら、心はときめき、うきうきしてくる。

 こんな作品をアメリカから持ち出していいのだろうか・・・といったいらぬ心配を抱きながら、アメリカ政府やフィラデルフィア美術館の気前のよさに、ただただ感謝するばかりなり・・・

 

 

 皆さんに 声を大にして、申し上げたい。

 この展覧会は機会があれば、是非みていただきたい。

 大人1500円(前売り券1300円)の価値は充分にあると感じる。

 できればお子さんも学生さんも、大人もご年配の諸先輩方も、みていただきたい。心が豊かになるといった錯覚に囚われるほど、幸せに感じる・・・

 

 

 以下に、一部の画家たちを記録したいと思う。

 太字で記した画家名・・・・・・

 別にたいした意味はない。今回の『フィラデルフィア美術館展』に限って、好きだった作品があった画家を記録したに過ぎない・・・

 太字にしなかったが、好きな画家も多い。

 

 コロー

 クールベ

 ブーダン

 マネ

 ドガ

 ピサロ

 モネ

 ゴーガン

 ルノワール

 ゴッホ

 セザンヌ(以上印象派の傑作)

 ピカソ

 マティス

 レジェ

 シャガール

 ミロ

 デュシャン

 ルオー

 クレー

 

 ルネ・マグリット

 ポール・デルボー

 

 アメリカン・モダンアート(複数)

 

 

 ロダン(彫刻数点)               他

 

 

 あちらをみても こちらをみても、宝のような絵画で埋めつくされた展示会場。観客や警備員に気を取られないように 絵画に集中すれば、ここは日本といったことを忘れさせてくれる。

 

 これだけの作品群。

 警備は厳重体制で、体格の良い 男性監視員も多い。

 まぁ、当然といえよう・・・

 

 ルノワールの『大きな浴女』(1905)の前には 人々が群がっていた。

 門外不出の『大きな浴女』が展示されるとあっては、当然のことだろう・・・

 

 油絵を嘗め回し、満足し堪能といった気分に浸ることのできる素晴らしい展覧会であったことを付け加えておく。

 

 

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世界遺産 ナスカ展 地上絵の創造者たち 京都文化博物館

2007-08-13 | 美術・文様・展示物

(写真はナスカ展パンフレットの一部分)

 

 世界遺産 ナスカ展 地上絵の創造者たち

 

 

 8月8日。

 子どもと共に、『フィラデルフィア美術館展』、『ナスカ展』、『陶器祭』の順で回る。

 五条阪の陶器祭をみた後 二条阪から祇園に行き、加藤登紀子の父経営で有名な キエフでお食事。懐かしい・・・

 四条大橋で川に映る川床の灯火を味わいながら、インカミュージックらしき路上ライブを 半時間余り楽しむ。

 充実した一日であった。

 

 

 ナスカ文明は紀元前後から7世紀に、現在のペルー共和国の南海岸地方で広く栄えたと、パンフレットに記されている。(写真)

 ナスカ文明は上に 二本の角があり、橋渡しされたような持ち手(写真中央右の『ハチドリを描いた壺』上部のような握り部) のある、壺などが多く展示されている。

 この形は古代中国の壺の蓋などに見られる、鳥とも思われる 猫の耳の形状と共通点があるのは不思議である。

 文様は生活に密着した図柄が多い。

 鳥や猫、蛇、蛇の舌、魚、蛙・・・といった身近な生き物や人間をテーマにしたものが多い中、呪術的な意味合いをにおわせる文様も多いのが特徴

 何れにせよ 五穀豊穣や子孫繁栄、守り神などの吉祥という意味合いも かねていると思われる。この文様の多くは、中国などのそれに共通している。

 但しシルクロードなどに見られる『蔓草文様(つるくさもんよう)』は、今回の展示物の中には、一つも認めることはできなかった。

 

 

 皿や壺の中には、まじめな意味で 興味深いものもあった。

 男性のリアルな形の性器を、突き出した壺。

 女性の性器の周辺に刺青をした壺。

 また、赤子を産み落とす画をリアルに描いた皿は、興味深い。

 上の赤子の皿は、中央部が少し色合いが薄くなっていることから、実際に使用されていたものということがわかる。しかし、この皿二実際に食品をおくとなると、ある意味、相当の勇気が要るように感じるには、私だけか・・・

 これらの皿や壺は子孫繁栄の意味合いが深い。

 

 

 中には  コンドルや、ネコ科の大型神獣に捕食される人類を生々しく描いた作品もあった。

 どちらも首を失っていることから、斬首という一種の儀礼的行為を、自然界の理の一部として象徴的に表現かと思われる。

 

 

 このナスカ文明では、当時 集落どうしの争いの際に、勝ったものが相手方の首をとったそうである。

 これを勇猛さだけでなく再生・豊穣のシンボルとして丁重に扱う『首級(トロフィー)』の習慣があったという事実に驚きを感じた。

 確かに、マントの下や翼の間にこの『首級』が認められた。

 埋葬された首から樹が生え、びっしりと豆を実らせているデザインを考えると、『再生願望』といった意味あいではないかと思う。

 これは日本の輪廻とも共通。また中近東の『鳥葬』にも通じるか・・・

 

 

 今回私が『ナスカ展』で注目していた物の一つに、ミイラと頭蓋骨がある。

 写真にある右上のミイラは『ナスカ後期の子供のミイラ』である。

 他にも大人のミイラなども展示された板が、いずれも美しい保存状態。

 衣服を着たままで、髪の毛もきれいに残っている。

 眼球が残された常態で残っており、角度を変えても ダビンチの『モナリザ』のように視線を感じる。少し怖い・・・

 完璧なほどの保存状態は、おそらく この地の乾燥した気候条件の賜物と思えるのである。

 

 

 大人のミイラの左側頭部には、500円玉くらいの穴が開いていた。

 ミイラを見た段階ではその意味はわからなかったが、次に数個の穴の開けられた頭蓋骨の展示で、意味ははっきりとわかった。

 

 

 当時この地方では、病気と称しては、頭の骨に穴を開け、手術をしていたとのこと。

 今も残る頭蓋骨に穴の開けられたその割合が 8割というからすごい数である。

 ぎざぎざに勝ち割ったような後の残る頭蓋骨や、石事理で切られたようなきれいな穴。10円玉程度の大きさから、10センチほどの大きな穴までさまざまであった。

 これらを見ていると、ナスカ文明では、『頭』というべきか『首級』というべきかに、以上なほどの執着心や思い入れがあったことが伺える。

 

 

 更に説明を読み勧めていくと、ナスカ文明では、『頭』を変形して伸ばすのが流行っていたとのこと

 頭は3方向から縛って変形させ、イランの羽を持つ人間の頭で 体は鳥獣の埴輪?のような頭の形に変形。あまりにもイランの埴輪に似ていたために驚いた。

 今は禁止されている 中国のかっての纏足嗜好にも似た感じがすると、他の観覧者たちもつぶやいていたのを、耳にした。

 

 

 焼き物の特徴色としての『茶』に対して、織物は『赤』と『紺』が印象的。

 織物は『赤』は『貝殻虫』と 『紺』は『インディゴ(藍)』

 いずれも鮮やかな色調で美しい。

 蛇の舌などの文様が多いが、どういった意味合いなのかは私は知らない。

 

 

 この地方で一般的に有名なのは、なんといってもナスカの砂漠に広がる地上絵(ジオグリフ)ではないかと思う。

 映像があったり、幼子の塗り絵葉書などが用意されていたり、実際の幅の遊歩道がほんの一部再現されていたりと、小さな子どもたちが楽しむことができる。

 『地上絵(ジオグリフ)』に関しては 宇宙人の滑走路説から、巨大な暦説、星図説、宗教儀式の舞台説などがあるが、これに関しては謎のまま、今回の会場を後にしたことを 付け加えておく。

 

 

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映画  タイフーン   チャン・ドンゴン  イ・ジョンジェ  イ・ミヨン

2007-08-13 | 映画

(写真は中国雲南省の麗江古城で見かけた人たち)

 

 タイフーン

 

満足度 ★★★★☆

感動度 ★★★☆☆

話の展開 ★★★★☆

 

2005 韓国

監督 クァク・キョンテク

キャスト チャン・ドンゴン

      イ・ジョンジェ

      イ・ミヨン

 

 

 米軍の兵器を極秘で運んでいたアメリカ船舶が襲われ、船員皆殺し。重要兵器を奪われる。

 

 韓国海軍のエリート将校はその調査を一任される。

 兵器を奪った海賊のリーダー、シン(チャン・ドンゴン)を追跡。

 調査を進めていくうちに、シンは脱北者であり、生き別れた姉ミンジュを探していることを知る・・・。

 そして半紙の展開。後はお楽しみ・・・。

 

 適度に社会派。適度に感動。そして、適度に緊張感。

 チャン・ドンゴンが素敵で格好が良い。

 チャン・ドンゴン、イ・ジョンジェ、イ・ミヨンがは苦心の演技で、心に深く くい入る。

 

  北朝鮮と韓国の歴史的背景と、今尚 残る南北分割の悲劇の余韻を考えるとやるせない。

  朝鮮半島の分裂にまつわるテーマは、重々しく心に覆いかぶさる。

 ゆえに最後の不要とも思える、明るい家族シーンで、映画をまとめる必要性があったのだろうか・・・

 

 それにしても・・・チャン・ドンゴンの船に乗る海賊シーンは、どこかジョニー・デップと重なって見え、二人ともいい男だなぁ・・・なぁんて、しみじみ感じ時ながら観ていた、ツワモノの私なのでありました・・・

 

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