乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『日本の経済格差』ー所得と資産から考えるー 橘木俊詔著

2008-01-30 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(写真は大阪の本戎。宝恵籠の出発式。十日戎の日に、恵比寿さんの観覧車をバックに、宝恵籠の出発式とは、こりゃ、しゃれとりますなぁ~。『日本の経済格差』ということで、本戎と恵比寿に決定。)

 

 

記録だけ  2008年度 4冊目   

 

  『日本の経済格差』

  ー所得と資産から考えるー 

                  

 

 岩波文庫 新赤版 590

 

 著者 橘木 俊詔(たちばなぎ としあき)

 

 『格差社会 何が起こるか』 の記録 ↓

 http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/29f7920f4a0fe4d6a8ba45215171b0c5

 『家計からみる 日本社会』 の記録 ↓

 http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/3cb4b79522c2320a198d33ec3d1f8ed4

  

 1998年11月20日第1刷

 212ページ 640円 +税

 

 今日は一日中読書三昧の一日だった。

 『日本の経済格差 ー所得と資産から考えるー 』は本日の二冊目。

 他にも、中国のガイドブックや地球の歩き方、歌舞伎名作事典を眺めてはニタつく。

 今年はほとんど読書の時間を楽しんでなかった。

 そろそろ読書の欲求不満が芽生え始めた。

 やりたいことをやる、どうにでもなれ。

 いつも自然体の、マイペースな私・・・。

 

 橘木俊詔氏の本は以前にも何冊か読んでいる。

『日本の経済格差 ー所得と資産から考えるー 』は1998年に第1刷という経済関連書物にしては古い本だが、今読んでも、切り口がすっきりとしてよい。

 気になる項目も多く、2008年に読んで かえって焦るといったジレンマに陥った。

 

  

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『ホームレス中学生』  田村 裕著

2008-01-30 | 読書全般(古典など以外の一般書)

(写真は奈良の鹿。お地蔵さんなどのお供え物を求めてやってきた鹿の顔は、あどけない。吉本芸人の麒麟の田村ということで、何となく、奈良の鹿・・・。関西の方なら、わかりますよね!ちなみに、奈良公園には、『鹿の糞』という菓子が売られていることを、付け加えておく。田村、御免!)

 

 

記録だけ  2008年度 3冊目   

 

  『ホームレス中学生』

                  

 

 (株)ワニブックス

 

 著者 田村 裕

  

 2007年9月20日第1版

 2007年11月1日第5版

 191ページ 1300円 +税

 

 ベストセラーとなっている、『ホームレス中学生』 を読む。

 小半時間で読みきれる内容。

 面白かった。

 現在200万部 売れたということは、概算して・・・。

 勝ち組、田村、バンザイ!とでも、言っておこう。

 

 

 

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『 乳泉村の子 』 シェ・チン監督『芙蓉鎮』『阿片戦争』他

2008-01-29 | 映画

 

(写真は中国の黄姚古鎮でであった親子。2006,12/23)

 

 

記録だけ 2008年 映画ー7

 

 満足度 ★★★★★ ★★★★★

 感動度 ★★★★★ ★★★★★

 お勧め度 ★★★★★ ★★★★★

 

 

 監督 謝晋 シェ・チン『芙蓉鎮』『阿片戦争』他

 キャスト

 ティン・イー

 栗原小巻

 プー・ツンシン

 ヨウ・ヨン 

 リー・ティン

 チァン・ホワリン

 チュウ・シュイ

 チャン・ホイ ★

 稲岡正順

 

 BS11で放送された映画『乳泉村の子』を見た。

『 乳泉村の子 』を見るのはこれで二度目。

 私の特に好きな映画『芙蓉鎮』監督の『乳泉村の子』は今回も涙した。

 歴史的背景をもとに、それぞれの人間模様を細や且つ大胆なタッチで描き上げる。

 まずは見てください。

 あなたもきっと、ハンカチ無しではいられないでしょう・・・。

  

 

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ヒース・レジャー 1月22日、急死

2008-01-28 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

(写真はイランのエスファハーンにある、チェフェル・ソトゥーン<チェへル・ソトゥーンとも言われる>宮殿<1647年、アッバース2世によって建てられた>。

 この宮殿のなかには写真のような絵がいっぱい描かれている。

 イランの昔の生活の様子がよくわかる。

 ここの宮殿の絵の顔は、ほとんど つぶされてなかった。

 

チェフェルソ・トゥーン<チェへル・ソトゥーン>宮殿の場合は観光客も多く、日本人の団体の方たちにもお会いした。

 一部の方たちがフラッシュをたいて、写真を撮り、係員や添乗員、通訳の人たちに、

「ノー・フラッシュ!!」

と、怒鳴られていたのが印象深い。

 

 イラン人通訳が、

「また、お会いしました!ご職業は何ですか?」

と微笑みかけてくる。

 好奇心旺盛な通訳の姿に、イラン人本来の明るさとあどけなさを感じた。       2007.9/23)

 

 

 

 遅ればせながら・・・一週間たった今日、 ヒース・レジャーがニューヨークで急死されたことを知る。

 

 ヒース・レジャーの出演映画は何本か見ている。

 ブログを始めてからも、

    『カサノバ』 

    『ブラザーズ・グリム』

    『ロック・ユー』

    『チョコレート』

などの四本を記録していた。

 

 乱鳥の 映画四本の記録 ↓

 http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/s/%A5%D2%A1%BC%A5%B9

 

 28歳という若さ。

 誠に残念!という他 あるまい。

 死因は薬物過剰摂取の可能性もあると言われている。

 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 

            合掌

 

 

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東福寺 (京都) 冬の禅寺を楽しむ

2008-01-27 | お出かけ

 

 今月十四日、東福寺に行く。

 一月の東福寺は、観光客はまばら。

 ところが、少ない観光客の中、思いのほか外国の方々の姿が多いことに、驚かされる。

 

 上の写真は、本堂と開山堂を結ぶ通天橋を偶然にも歩かれている僧侶の方々。

 静かで禅寺らしい日本の美を感じ、心に刻む。

 

  

     

 

 今回紹介している東福寺は、先日ブログでも紹介させていただいた 鶴亀の庭のある『雪舟寺』(芬陀院・ぶんだいん)のすぐそば。

 正確には、東福寺とは山全体のことを示すと、着物姿のご婦人が教えて下さった。

「今の季節は、なんにもおへん。紅葉のころ、きはったら、よろしおす・・・・・・。」

 京言葉が懐かしい。

 上の景色を紅葉の頃見てみたいとも感じるが、冬の気の色もまた良し。

 

 

 他にも近くの 枯山水で有名な『方丈庭園』などにも行く。

 こちらの庭は有名らしいが、昭和に鎌倉の手法を真似て作られたとのこと。

 今回この回では写真は載せてない。

 折をみて、記録したいと考えている。

  

 

      

 

 庭には氷がはり、背筋をしゃんと伸ばして、冬の東福寺を一人楽しむ。

 

      

 

 葉を落とした枝のなんと美しいこと。

 冬の光を受け、一口では言い表せない 色感に、心奪われる。

 

      

 

 東福寺は、延応元年(1239)に創建。

 京都五山のひとつに数えられる禅寺。

 延応元年(1239)に、当時の摂政だった 九条道家が、奈良の『東大寺』と『興福寺』を手本にし、大伽藍を造営。

 上の二つの寺から 一字づつとって、東福寺と名付けられたそうだ。

『へぇえぇ~、そうなんだ~。』

と、妙に感心すること、しきり無し。

 また、東大寺は子どもの関係で 特によく行く寺だっただけに、親しみを覚える。

 

      

 

 三門は夕刻に閉まる。

 また、隣駅の稲荷神社よりも古そうな、石鳥居が祭られている『五社??』があったことは興味深い。

 

 東福寺を訪れた後、東福寺御用達の『丹波屋』というすし屋で、京都本来の味を思い出させる 鯖寿司を食べる。

 

 すし屋の主人曰く、

「東福寺さんの三門は 夕刻閉まりまっさかい、夕方になっても参拝できるように~~言うて、お稲荷さん、作らはりましてん。東福寺さんの五社??の方が、早よおましてんや~。五社??、見て来はりましたんか~?」

「お稲荷さんの土地は、もとは、東福寺さんのものでしてん。今でも返してんか~~言うてますんやけど、話がすすみませんねぇ~~。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・と、なじみの京都弁。

 もとは

「箱寿司の具は鱧ですか?」

「いや、鯛ですねん~。」

といった、たわいない会話から。

 とんとん・・・と鯛をたたく包丁の音と共に、話は弾む。

 京都本来の味の鯖寿司の話に移り、東福寺や稲荷神社の話にまで発展して、楽しいひと時を過ごさせていただく。

 あらかじめ頼んでおいた土産用の鯖すしと箱寿司を手に、後ろ髪をひかれるような思いで、店を出た。

 おそらく、このすし屋は、もう一度訪れるであろう。

 そう思わせる すし屋の店主と鯖寿司の味であった。

 

 

 

 東福寺・所在地

 〒605-0981 

 京都府京都市東山区本町15-778

 電話番号  075-561-0087

 

 

 文中出のすし屋(注・すし屋の関係者ではありません)

 創業明治四拾弐年 東福寺御用達

 お寿司・楓林鍋 丹波屋

 京都・東福寺

 鯖寿司が 私が昔よく食べた懐かしい京都の鯖寿司の味でしたので、載せておきます。 

 

 

 

 

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ナクシェロスタムの碑文 (イラン) 2007、9/19、9/20

2008-01-27 | イラン2007~2010(6回)

 もう去年の話だが、9月19日と20日の二日間、この地(遺跡)を訪れた。

 上は イランの ナクシェロスタムの岩山の壁面に見られる、碑文(ひぶん)の一部。

 何が書かれているのやら、私にはさっぱり分からない碑文を見て、夫は目を輝かせる。

 ナクシェロスタムは ペルセポリスから 6km程離れている。

 

   

 

 

 ここ ナクシェロスタムには、アケメネス朝ペルシア時代の4人の王の墓がある。

 上の写真がそれを示す。

 写真に右横に、もうひとつ墓があリ、合計4個。

 写真の3個の墓の前にある、小さく見える長方形の建物は、写真の一番下の カーバ(説明・後出)。

 それぞれの墓は巨大な十字型に深く彫り込まれていて、窪んだ壁にはゾロアスター教の神アフラマズダや王の姿が刻まれていると、夫が教えてくれた。

 

   

 

 

 王墓の下の岩壁には後のササン朝時代に造られた、多くの騎士の姿を描いたレリーフがはっきりと認められる。

 だが、二枚目の写真では小さく見える遺跡も、実は大変大きく、また高い位置にあるため、細かくは肉眼では見づらい。

 ナクシェロスタムの遺跡の前には、生憎 木影はない。

 9月のイランは非常に熱く、照りつける炎天下の中での作業は非常につらい。

 夫には申し訳ないと思いながらも、入り口の監視室前の影で、椅子に座る。

 私は持参した愛用のオペラグラスを手に、半日は 入り口から 遺跡を楽しんだ。

 夫は驚くばかりの意欲で、遺跡と格闘。

 気がつけば夕方・・・。

 

 

   

 

 上の写真は ゾロアスターのカーバ(神殿のようなもの)といわれているとのこと。

 夫は寝転んだりひざまずいて、長い時間 写真を撮っていた。

 このブログにUPした写真は、残念ながら、私が撮ったものばかり。

 以前載せたイランの関係の写真も全て同様。

 未熟な写真ばかりで申し訳ないと感じている。

 

 

 

 以下、以前に載せた 

 ナクシェロスタム(ナクシェ・ロスタムで書く) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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大阪松竹座壽 初春大歌舞伎 夜の部

2008-01-25 | 歌舞伎

 

(写真は法善寺横町のお食事処。格子戸に『初春大歌舞伎』のポスターが貼られていた。)

 

 

(記録だけ。今回は 夜の部三演目全てをまとめて記録しています。)

 

 

 

 家族と、大阪松竹座壽 初春大歌舞伎 夜の部に行く。

 演目は次の通り。

 

 一、御所桜堀川夜討 弁慶上使

 二、義経千本桜 吉野山

 三、恋飛脚大和往来 玩辞楼十二曲の内 封印

 

 

 演目の感想の前に、一言述べたい。

 今回出会わした、一部の 一階客に一言物申す。

 とにかく うるさい。

 もしかすれば、これもまた、イヤホンガイドの、不要な笑わせの因なるか・・・。

 一度はイヤホンガイドたる物を借りてみて その実態を知り、イヤホンガイドにクレームを付けてみたいとも思うたが、観劇(時間と観劇代金)が無駄になるので、実行するには至らない。

 よって今回の貧相な感性の客が、イヤホンガイドによるものか、あるいは、客自身の人間性や感受性によるものなのかは定かではない。

 

『弁慶上使』でのこと。

 子が切られ、悲しい 切ない対面の山場で、歌舞伎を見に行っているにもかかわらず、仕草が現代風でないとて、なぜ笑うことが出来るのだろうか・・・。

 

『吉野山』の佐藤忠信実は源九郎狐の言い回しや仕草で笑うとは、何ぞや!

 

『封印切』の小判の封を切ったことを梅川が知らされた際、

「しぇ~~ぇえぇ~~。」

といいつつ、横たわる場面で、大笑いをするとは、品がない。

 

 こういった目に余る 客の多さと回数に閉口。

 己を知れ、そして、恥よ。

 

 ここまで地に落ちた大人数の客と でくわせたのは初めてだっただけに、ショックは隠しきれない。

 これも時代の流れというものか・・・。

 何かにつけ、ことを探しては げらげらと大笑いの二、三十人の客。舞台の精神的進行を妨げるではない。

 もうこれ以上はいいますまい。

 辛口御免!!ネガティブ、御免!!

 

   

 

 

 さてと、気を取り直して・・・。

 今回の夜の部、大変わかりやすい演目ばかりを選ばれていた。

 中でも興味深いのは『封印切』。

 かなり台詞も変え、仕草や表情もはっきりと演じられていた。

 なぜだろう・・・と裏を嗅ぐことは止めにしよう・・・。

 

 

 

 一、御所桜堀川夜討(ごしょざくらほりかわようち) 

   弁慶上使(べんけいじょうし)           

 

 武蔵坊弁慶  橋之助            

 侍従太郎  彌十郎       

 腰元しのぶ/卿の君  新 悟             

 花の井  吉 弥             

 おわさ  扇 雀

 

『弁慶上使』も、何度見てもよい。

 今回も泣いた。

 弁慶がわが子を殺した後、夫婦袂合わせで我が子と知る・・・。

 ここで琴線に触れる。

 母親の、子をなくし、弁慶と再会といった複雑な心理の揺れを、上手く演じられるかどうかがこの演目の見どころ。

 今回の新春歌舞伎昼の部でも感じたが、扇雀丈の実力がめっきりと上がり始めている。

 

 橋之助丈の武蔵坊弁慶は男前。

 

 花の井の吉弥丈は出しゃばらず役を演じておられる。

 

 侍従太郎役の 彌十郎丈は見事な口調と声色で、演目全体を引き締めていたように感じる。

 上手い。

 

 

 二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)  

    吉野山(よしのやま)      

 

 

 佐藤忠信実は源九郎狐  三津五郎            

 早見藤太  橋之助             

 静御前  藤十郎

 

 藤十郎丈の静御前、品良し。今回も美しい。

 

 佐藤忠信実は源九郎狐役の三津五郎丈、仕草や舞、決めポーズに見とれてしまう。

 上のほう(三階)から、

「待ってました!」

の声が掛かると、水を得た魚のように、その見事さは加速をまして山場に達する。

 素晴らしい。

 

 橋之助丈の早見藤太は、ビックリするほどの男前。

 眉をつなぎ、ダメ主人だが、もともと男前過ぎる橋の助丈、お顔においては、男前さが隠し切れない。

 こんな早見藤太も、また楽し!

 花道の、

「待て。待て。待て、待て、待て。」

や、

「申し、申し、旦那様、行きつ行かれつ、行かれては・・・・・・。」

の部分は馴染み深く、内心 口ずさんでわくわくしてしまう。

 

 

 三、恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)  

    玩辞楼十二曲の内 封印切(ふういんきり)  

    新町井筒屋の場

 

            

 亀屋忠兵衛  翫 雀         

 丹波屋八右衛門  橋之助          

 井筒屋おえん  竹三郎          

 槌屋治右衛門  彌十郎            

 傾城梅川  扇 雀

 

 

 今回の『封印切』は、

 

 切れてしまった、切れてしまったが・・・どうしよう。ええい、切ってしまったんだ・・・。

 

といった心情の揺れ動きを、翫雀丈がわかり易く、オーバーな表情で、上手く演じておられた。

 私は、役者や興行によって、解釈が違い、演じ方が違う封印を切る場を楽しみにしている。

『切れてしまった』或いは『切ってやった』の演じ方を、毎回楽しみにしている。

 

 翫雀丈が花道から現れた時の、

「梶原源太は男でごじゃるてかなぁ~~。」

の台詞は、何度聞いても、格好が良く、胸のすく思い。

 梶原源太は、梅ノ木を腰の後ろにさして戦いに挑んだという。

 忠兵衛もこれから丹波屋の出むいて梅川と会い、相手の気持ちを知りたい・・・梅川の梅と、梶原源太の梅ノ木をかけて、いざ出陣、といったところであろう。(乱鳥解釈)

 歌舞伎にはこういった遊び心が多く、楽しい。

 

 竹三郎丈のおえんさんも引き締まった感じでよかった。

 好きな秀太郎丈とはまた違ったおえんさんで、新鮮な感じがした。

 

 上方歌舞伎は関西弁(大阪弁)が使えこなせるかどうかが、勝負所のひとつともいえる。

 丹波屋八右衛門などは重要な役で、どちらかというと、関西で幼少時代をすごした役者の方が、演じやすいのかも知れない。

 その点で言うと、仁左衛門丈や我当丈の方がやりやすいのかも知れない。

 今回の橋之助丈は、勢い良く気持ちよく演じられていたことを付け加えておく。 

 

 今年の新春歌舞伎の『封印切』は上にも書いたように、随分言葉がかえてあった。

 もともとわかりやすい演目だが、一層平たく変えてあったのは、ご時世というものか・・・。

 歌舞伎も昔から行われていたように、時代に合わせ、試行錯誤を繰り返すこととなるのであろう。

 

 大阪松竹座壽 初春大歌舞伎の夜の部も、好きな演目と役者さんがいっぱいで、楽しい時間をすごすことが出来た。

 好きな演目と役者の多い私は、いつ歌舞伎を観ても、大概楽しむことができる、気楽な阿呆なのだ。

 

 

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大阪松竹 夜の部の開場風景

2008-01-24 | 舞台・音楽 雑感メモ

 

 

 一月二十○日、大阪松竹座壽 初春大歌舞伎の夜の部に行く。

 夫と法善寺に行った後、入場。

 子どもとは、直接席で待ち合わせた。

 

 写真は一月二十○日の開場風景。

 一月十日には置かれていた恒例の松竹座門松(松竹座というだけあって、ここの劇場の門松は有名)もなく、少し寂しげ。

 そういうと、ご近所の大きな門松も 月半ばには取り除かれていたっけ。

 

 十日には本戎で松竹座の前にも、役者の乗られた宝恵籠が到着。

 観客も華やいだ風情のお召し物が多かったが、二十日過ぎともなると、客の雰囲気もがらりと変わる。

 崇め奉られた歌舞伎ではなく、庶民の歌舞伎本来の味があって、これもまたよし。

 昼夜いく場合、艶やかな雰囲気と、庶民に親しまれた歌舞伎とを両方堪能するには、一月はもってこいかもしれない。

 

 外には華々しく花餅(といってもプラスチック)が飾られ、一月であることを告げる。

 千秋楽まで、後、二日。

 

                   1月24日に書く。

 

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大阪・法善寺横町で見た 節分祭ポスター

2008-01-24 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 

 歌舞伎を見る前は、儀式のように法善寺横町を散策する私。

 気を利かせた夫は、法善寺行こうか・・・と、言ってくれた。

 

 さてさて法善寺横町に行くと、今年も、節分のポスターがはられていた。

 上のポスターは今月十日には、まだ貼られていなかった。

 昨年十二月から貼られていた、京都の吉田神社の節分祭のポスターとは、大きく違う。

 

 大阪らしく、今年も文楽の吉田蓑助さんが豆まきをされるという。

 ちょっと気になり、ついついシャッターを押す。

 

 夫は手持ち無沙汰で、気のない風。

 水掛不動さんやら、なにがしらのの景色を眺めている。

 

 

 参考までに、去年のポスターも載せておこう。

 去年のものは文楽人形がはっきりと写り、華やかな感じだった。

 

 

 

 
 

    

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MUSA 武士 アン・ソンギ チョン・ウソン チュ・ジンモ チャン・ツィイー

2008-01-22 | 映画

 

(写真はイランのダラーブにある、砂漠の山(写真に写る小山は砂ではない)があるところ。映画『MUSA 武士』で、中国の砂漠が映っていたため、この写真を選ぶ。映画に映っていた地(中国・山東省など)は、いずれ、訪れてみたい所のひとつである。)

 

 

 記録だけ 映画 2008-6

  MUSA 武士

 

 満足度 ★★★★★ ★★★★☆

 感動度 ★★★★★ ★★★☆☆

 この映画の好きさ ★★★★★ ★★★★★

 

 

  韓国 2001年 

 

 監督 金成秀 (キム・ソンス)

 

 キャスト

 安聖基 アン・ソンギ

 章子怡 チャン・ツィイー 

 鄭雨盛(鄭宇成) チョン・ウソン

 朱鎮模 チュ・ジンモ

 ユー・ロングァン 

 

 14世紀の韓国の史実を基に、中国大陸激動の時代に生きた高麗武士たちの熱い生き様を描く。

 中国のダイナミックな砂漠の中で、各国や 強いては個人のドラマが展開。

 

 単に戦いだけにとどまることなく、その合間に展開される人間愛の大胆な行動や、ふとした表情も見逃せない。

 

 高麗と相手国(モンゴル)の、最終の戦い前の表情は見もの。

 互いの立場は違っても、つかの間の安堵感の味わい・・・本来は戦士である前に人間であるといったことを感じさせる見事な演技力だ。

 

 心をとらえるほどに男前の俳優二人に加えて、中国女優のチャン・ツィイー。

 それを見事に引き締めるのは、『酔画仙』http://blog.goo.ne.jp/usuaomidori/e/f9015aadd8873f319b6834ebf73f4335出演の アン・ソンギ 。 

 

 芙蓉姫が一人の男に駆け寄った瞬間の、最後の、男二人の表情にも注目したい。

 

 

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『人はどこまで残酷になれるか』  桐生操  著 (『本当は恐ろしいグリム童話』作者)

2008-01-22 | 読書全般(古典など以外の一般書)

 

(写真は去年奈良の春日大社で行われた おん祭りの後能。曲は『鉄輪(かなわ)』 )

 

 

記録だけ  2008年度 2冊目   

 

  『人はどこまで残酷になれるか』

                  

 

 中央新書 ラクレ 162

 

 著者 桐生 操

  

 2005年1月10日第1版

 237ページ 760円 +税

 

 以前に楽しんだ、『本当は恐ろしいグリム童話』の作者が書いたとのこと。

 但し 桐生 操という名は、もとは、女性二人のペンネーム。

 2003年に一方がなくなられ、もう一人が、名を受け継いだとのこと。

 

 さてさてこの本、かなり残酷。

 知られている内容も書かれていたが、かなりえぐい。

 読みはじめ、家族に、かなり詳しい旨を告げると、一言、

「種本、多くあるから・・・。」

 案の定、参考文献は行を変えることなく、5ページにも及んでいた。

 やはりプロはすごいな。

 

 さてさて内容は・・・。

 あまりにも残酷でしたので、ここでは内緒にいたしまする。

 

           どんとはらい。

 

 

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雪。こんな冬を見つけた・・・

2008-01-21 | お出かけ

 

 上の写真は何だと思われますか?

 そうです。

 鳥の足跡・・・。

 かわいいでしょう。

 

    

 

 朝起きると、雪が少し積もっていた。

 私は家族を送り出した後、早速散歩。

 小半時間も歩くと、畑。

 雪の畑は私には珍しくて、まるで旅行にでも来た味わい。

 

   

 

 これは草の上の雪。

 

   

 

 こちら 農家の梅の木に雪。

 

   

 

 脱穀後の藁の上にも雪。

 

   

 

 畑。野菜を寒さから守る、藁の上にも雪。

 

   

 

 線路の雪。

 

   

 

 こちらは見慣れぬ光景。

 木に大根をつるし、寒い外気で干しているのか。

 雪が大根のうま味を引き出してくれるだろう・・・。

 

   

 

 山茶花が肩を寄せ合っている。

 雪の寒さを耐え忍んでいるようにも感じる。

 

   

 

 蝋梅。これにも雪が積もる。

 今朝、見つけた 冬。

 

 

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スキャンダル 朝鮮男女相悦之詞

2008-01-20 | 映画

 

(写真は京都の東福寺の庭の一部。池には氷がはっている。京の底冷えを懐かしく感じた。 1/14)

 

 

記録だけ 映画 2008-5

 

   スキャンダル (朝鮮男女相悦之詞)

 

 

 2003年  韓国 120分

 

 映画、ドラマを含めて、初めて ぺ・ヨンジュンの出演の『スキャンダル』を見た。

『スキャンダル』という題より 『朝鮮男女相悦之詞』の方が、内容、筋書きから考えて、しっくりと馴染む。

 

 エロ映画か?いや、韓国版カサノヴァでしょう・・・と思えば、精神的純愛だった・・・。

 チャンチャン・・・というのが、正直なところ。

 そして 最後には感動・・・といった筋書き。

 万人にわかり易く、適度な満足感。

 画面は重厚な感じではなく、女性用のコミック(但し 私はあまり少女漫画を知らない)と 重ね合わせて眺めていた。

 

 横で見ていた夫と娘が、腹を抱えて一部、大笑い。

「あの娘を 犯しておくれ。もし出来たなら、ご褒美として 私の・・・・・・。(要約)」

などの驚くばかりの漫画的な言葉が飛び交う。

 

 この映画、数々の賞を受賞らしい。

 ほほう・・・。

 

 もともとは韓国映画は好きだが、ここ数年の 韓流といわれる人気ある作品は 私はあまり馴染みがない。

 色々な意味で、貴重な体験をさせていただいた映画だった。

 

 韓流映画やぺ・ヨンジュンさんのファンの方は多くいらっしゃるようですので、ここで何も知らない私があれこれ記録するのは、おこがましい。

 今回★マークの評価や感想を述べるのは控えさせていただきます。

『スキャンダル』やぺ・ヨンジュンさんのファンの方で、本文中に不快な表現と感じられる部分がございましたら、お詫び申し上げます。

 

 

 

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芬陀院(ふんだいん・ 雪舟寺) 京都・東福寺山内

2008-01-19 | お出かけ

 

  芬陀院(ふんだいん・ 雪舟寺) 

 

  禅院式枯山水  室町時代中期  

 

 

   

 

 

 一月十四日、夫は締め切り(仕事)に追われ、書斎にこもっている。

 私は一人、京都の東福寺山内にある塔頭のひとつである 雪舟寺に行くことにした。

 正式な名は芬陀院(ふんだいん)という。

 

 

   

 

 

 禅院式枯山水が見事に美しい。

 苔は青々と茂り、川白く流れる。

 これぞ禅寺の日本的美意識、と 感心すること しきりなし。

 

 写真は鶴亀の庭。

 右は亀島。

 うつってないが、左が鶴島(折鶴を表現)。

 

 

   

 

 

 こちらの庭は、動く亀石と呼ばれている。

 幼少の頃涙で書いた鼠のような出来ばいの良い亀を画くことを所望された 云々の話が、いただいたパンフレットに記されている。

 こちらの庭は、それほど大きくはない。

 丸窓(写真一枚目)の近くの、自然と調和した庭。

 一月の冷たい外気を感じながら、この心地よい庭を見ていた。  

 

   

 

 もみじの季節でもないのに、東福寺では 結構観光客とであった。しかし、雪舟寺は、私一人也。

 枯山水を見渡せるように用意されている座布団が規則性を持って、リズミカルに感じる。

 光を、自然をふんだんに取り入れた日本の建築物の美しさに、ただひたすら感心するばかり。

 がらんどうに開け放った障子だが、冬真っ只中の寒さを感じさせない満足感。

 

 

   

 

 

 障子ひとつを見てとっても、庭から採取した草花を押し花にして和紙にはさみ、とって近くの敗れやすい部分に、アクセントをつける。

 この細工は、障子のあちらこちらで、違った草花が施されていた。

 

  

   

 

 

 使い込まれた木魚の、色美しきこと。

 溜息が出る。

 

 

   

 

 

 ここからも 枯山水を眺めることができる。

 静かな空気の流れに、満足。

 

 

   

 

 

 一番奥の部屋は茶室。

 この寺は居心地が良い。

 一人の静かな時間を満喫することができる。

 

 

   

 

 

 ここ 芬陀院(ふんだいん)は雪舟寺というだけあって、水墨画或いは色付けで画かれた古い襖が数多く見ることができる。

 以前襖絵の書物を読んだことがあるが、この部屋の襖絵も、何枚も絵がつながっている。

 一室に応じて、角の部分まで上手く絵をつなぎ合わせているところが洒落ているといえよう。

 絵画に感心がある私だが、恥ずかしいことに、どれが雪舟のものか否か、わからずにいた。

 今は無き父ならば、難なく見分けることができるであろうに・・・。

 残念。

 

 

   

 

 雪舟といえば雪舟鼠(上出・涙で画いた鼠)の話を思い出す。

 名前こそ知れ、雪舟の画風がはっきりとはわからない。

 私の認識外であることが残念だ。

 

   

 

 

 こちらの襖絵は、上二枚の襖絵の左の部屋。

 水墨画ではなく、色を施したもの。

 右四枚、左四枚の、合計向かい合わせで八枚の襖絵。

                    

 

   

 

 

 天井を見上げると、墨がついていた。

 一瞬、さすがは雪舟寺と思ったものの、天井の板はかなり新しい。

 現在私がが見た雪舟寺は、昭和十二年に荒廃状態の寺を、重森三玲という人物が復元修理したとのこと。

 早合点もいいところ、いい笑い種だ。

 

 整理された庭や、数多くはめられた襖絵の美しさに、日本のよさを再確認した。

 一人で見てまわった適度な大きさの雪舟寺は、大変居心地良く、出来ることなら数時間この寺で時を過ごしてみたかった。

 私としては、かなり好みの寺であったことを 最後に付け加えておく。

 

 

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『妖怪学入門』  阿部 主計(あべ かずえ)著

2008-01-18 | 読書全般(古典など以外の一般書)

 

(写真は2007.11/3、信貴山で行われた火渡りの前の神事。山伏問答が好きで、二年続けて見た。

 『妖怪学入門』 の中の興味深い一説に、問答や勧進帳の話が記されていたため、この写真を選ぶ。)

 

 

記録だけ  2008年度 1冊目   

 

  『妖怪学入門』

                  

 

 雄山閣BOOKS 19

 

 著者 阿部 主計(あべ かずえ)

  

 昭和62年6月20日第1版

 昭和62年7月5日第4版

 200ページ 2200円 +税

 

 先日から読んでいた『妖怪学入門』 を読了。

 我ながら丁寧に読み込んだ物だと思う。

 前回読んだ 『日本史 怖くて不思議な出来事』 に続いて、能楽や歌舞伎、神楽などにもある内容が色々と記されていた。

 どうも民俗学と芝居とは、切っても切れぬ仲らしい。

 

 P.7の「ぬし」に興味深い一説があるので、一部のみ 記録しておこう。

 

 ・・・・・・人間は、いかに心霊の存在を理論的?に信じても、感覚的にはっきりと実見し、認識しなければ安心できない。そこで、神に仕え、神に通ずる役目の者が、いわば神様の代理人として、その形を見せ、悪霊をやっつける演技をなす。簡単にいえば、神楽の始まりであり、演技の源である。それは日本武尊(やまとたけるのみこと)の熊襲(熊襲)退治のような活動的場面にもなったが、一面、問答(仏教輸入以降の呼称だが)という、理論闘争の形となって、根強く残った。そのゆえんを説明していては限りがないし、本稿の目的とはほとんどかかわりがないので省略するが、この神と地霊の対立の形が、わが国の舞台芸術の基本のひとつとなって、‘勧進帳’の弁慶と富樫、それに二人組の漫才のやりとりまでその面影をとどめている。そのなれ合いの形が芝居ではなく、真剣な競技になってしまったものが相撲であって・・・・・・・・。横綱は、しめなわ、すなわち神域のしるしで、手数(てずり)入り(横綱の土俵入り)は神が、土地の霊が荒れださぬように地を踏みしめる、いわゆる地鎮祭の形である。・・・・・・・・・。

 

 歌舞伎などのなじみの演目が次々に書き出され、草紙の絵や浮世絵なども多く載せられ、非常に面白かった。

 内容も深く、結構読み応えのある一冊。

 貸していただくのではなく、手元においてもう一度読みたい本。

 

コメント (7)
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