自分がどうしてこういう人間になったかというとね
よくよく考えれば みな お父さんのせいよ
結局私の原風景は お父さんだわ
お酒は飲まない 酔っ払いは嫌い というのも
お父さんのせいだけれど
実際アルコールにアレルギーもあったけれどね
酔っていい気分になったことがないというのは
わたしには計り知れないけれど
多分 ヘンな人生になったことだろうな
私の父は(育ててくれた方)子供の時に両親を亡くして
おばあちゃんに育てられ
そのおばあちゃんも死んじゃって みなしごだったのだが
わたしから見ると おじいさんにあたる人は
島根の出身で 海にあこがれ 船乗りになりたくて
若者の時横浜に出てきて 船乗りになった
それで 外国航路の汽船の機関長という仕事をして世界を巡って
子供のわが父はほったらかされてたのに
そういう父親の憧れと憧れを実現したことに誇りを持っていて
わたしにさんざん自慢話を聞かせたのだわ
だから
わたしは自分のやりたいことを実現するために
ふるさとを捨てて飛び出していくのかかっこいいという価値観を持って育った
今思えばおじいさんの名前は直二郎 だからね
昔は長男で家督を継ぐ立場じゃないものは
自力で世の中を漕ぎ出だす宿命でもあったのだよね
で小さいころから父が私を海に(って江の島あたりだ)連れて行って
泳ぎを教えた
わたしは泳ぐのを好きな子に育った話は前も書いた
親と行ったり学校で連れて行かれたところは
遠浅の砂浜で海の中を覗いて面白いというほどでもないけれど
自分一人で海に遊びに行くようになって
磯の生き物のいるような
そういう海の面白さを大いに楽しんだ
それも なんの機材も使わない
ただ 体だけで 水中メガネくらいで
シュノーケルも使わない
ただもぐったり 漂ったり 面白いのを見ていていつまでも飽きない
これで 私自身クラゲみたいになっちゃった
好きなことだけして ふわふわ暮らし
なにも頑張ることもなく
ただひたすら 自由な気分でいられることだけを追い求めて
人生は終わりそうだ
ホント 私って クラゲの化身ね
遺伝子をくれたほうの父は戦争の時 船に乗っていて
(?陸軍だったのだけど?)
オホーツクの海で沈められ
遺体もなかったので 海の藻屑と消えたんだわよ