永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(六條御息所)

2008年05月31日 | Weblog
六条御息所(ろくじょうのみやす(ん)どころ)

 桐壺帝時代の前東宮の妃で、六条京極付近に住まいを構えていることからこの名がある。光源氏の最も早い恋人の一人。

 大臣の娘に生まれ、16歳で東宮妃となるが、20歳で東宮と死別した。東宮との間に一女があり、その娘は後に斎宮となり、その後、冷泉帝に入内する(秋好中宮)。

 東宮の死後、年下の光源氏と恋愛関係におちいる(この間のなれそめが源氏物語では欠落している)。だが源氏は、美しく、気品があり、教養も知性も人に優れているために矜持の高い彼女をやがて持てあますようになり、逢瀬も間遠になってしまう。しかし源氏に惹かれ、またその矜持のゆえに素直な態度を男に見せることのできない彼女は、自分を傷つけまいと、本心を押し殺してしまう。

 この自己抑圧が、以降物語のなかで御息所を生霊、死霊として活躍させることになる。押し殺した妬心が、抑制のうしなわれるたびに、身からあくがれでて、源氏の愛する女君たちに、あだを成すようになるのである。

◆写真 薪能 六條御息所  岡崎市観光協会より


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。