永子の窓

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源氏物語を読んできて(源氏物語絵巻・紙作り・1)

2008年08月28日 | Weblog
源氏物語絵巻・紙作り(1)

「国宝・源氏物語絵巻」は、いつ、だれが、何のために作ったのか。その記録は残っていない。宮内庁が保存している『長秋記(ちょうしゅうき)』に平安時代、『源氏物語』を題材に絵巻が作られていた事実を示す記録があるという。

『長秋記』は、平安時代の後期、宮廷の権力者たちに仕えた、源師時(みなもとのもろとき)の日記である。

 それによると、1119年11月27日、師時は中宮に呼ばれて参内した。この中宮は
鳥羽天皇の后、待賢門院璋子(たいけんもんいんしょうし)である。
このとき中宮は18歳であったが、後に崇徳天皇となる子を出産し、宮廷内の権力基盤を揺るぎないものとしていた。

 その中宮から、この日、師時に一つの下命があった。
「中宮の御方はこうおっしゃった。中将の君をもって、源氏絵間紙を調達すべし……」
(『長秋記』)

 「源氏絵間紙」というのが、具体的にどんな紙だったのかは、はっきりしない。しかし宮廷の最高権力者たちが『源氏物語』の絵巻を作ろうとしていたことは間違いない。
彼はすぐに取りかかったと思われる。まず、しなければならなかったこと、それは、質の良い「紙」を十分に揃えることであった。

◆参考 NHK出版
◆写真 『長秋記』 源師時が、1111年~36年にかけて書いた日記

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