NPOな人

NPOの現状や日々の雑感などを徒然なるままにお伝えします。

もしドラと江戸の商人(その2)

2010年12月30日 | 江戸
もしドラの主人公・川島みなみが読んだドラッカーのマメジメントには、「自社をいかに定義するか」ということに関して、

あらゆる組織において、共通のものの見方、理解、方向づけ、努力を実現するためには、「われわれの事業は何か、何であるべきか」を定義することが不可欠である」

「顧客は誰か」との問いこそ、個々の企業の使命を定義するうえで、もっとも重要な問いである」と述べられていました。

みなみは、東京都立程久保高校の野球部の顧客を「球場にくるお客さん」「野球部の活動に携わっている先生や学校そのもの」「野球部員」などとイメージし、顧客が野球部に求めているものは「感動」であると考え、

野球部を「顧客に感動を与えるための組織」であると定義をしました。
そのうえで、この定義に最も適う使命として「甲子園に行く」ことを設定したのです。

では、江戸の商人は自分たちの使命をどのように考えていたのでしょうか。

大丸を例にとると、大丸の店是には「義を先にして利を後にする者は栄える」(正義を優先し、利益を後回しにする者は栄える)」とあります。

大丸の業祖・下村彦右衛門正啓は、19歳で京都伏見に大文字屋を開き、その後大阪心斎橋、そして名古屋へと進出していきましたが、名古屋に出たのを機に大丸と屋号を変えています。

49歳のときに京都に大丸総本店を出店しましたが、そのときに店是として定めたのが「先義後利」です。

顧客に礼と義を尽くすことを使命とした大丸は、天保8年に起こった大塩平八郎の乱では豪商が次々に焼き討ちにあいましたが、平八郎が「大丸は義商なり、犯すなかれ」と命じて難を逃れたという噂が流れたそうです。

この店是は、松坂屋と統合し、J.フロントリテリングとなった現在もグループ理念として伝えられています。

(明日に続く)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする