休眠預金活用法に関して、いまNPO関係者の中で様々な議論が行われています。
休眠預金とは、預金者等が名乗りを上げないまま、10年間放置された預金等のことで毎年1,200億円程度発生しています。その後、500億円程度が払戻しされていますが、残りの約700億円について民間公益活動(子どもおよび若者支援、生活等の困難者の支援、地域活性化等の支援の3分野)の促進に活用しようというものです。
NPO関係者の中には、これをNPOのための資金と思われている方もいるようですが、民間公益活動は非営利セクターだけでなく、社会的起業家や社会的企業という営利セクターでも盛んに行われており、法律ではこうした企業も対象となっています。
この資金は「助成」と「貸付」「出資」に使われることになりますが、700億円は既存の約5万団体のNPO法人に100万円づつ「助成」しても200億円も余ってしまう膨大な金額なので「助成」だけということはあり得ません。
残る「貸付」と「出資」は、NPOにとってそれほどのニーズがあるとは思われませんが、社会的起業家や社会的企業にとっては起業段階や事業拡大における資金源の確保は大きな課題であり、ここには大きなニーズがあると考えます。
また、対象となる団体にはロジックモデルや社会的インパクト評価の作成が求められます。多くのNPOはこれを苦手としていますが、社会的起業家や社会的企業にとってはお手の物なので、ふたを開けてみたら、資金の大半はそうした企業への「貸付」や「出資」に使われるているという可能性が高いと思うのですが、どうなんでしょうか。