今週の金曜日に「第10回市民社会創造ラボ」で「絵巻物で読み解く江戸の市民社会~エコでボランタリーな江戸の町~」をテーマにお話しをさせていただきます。
ということで、日本橋の三越前駅のコンコース壁に設置された熈代勝覧という絵巻物の複製を見てきました。
これは何十回も見ていますが、全く飽きないですね。
今回は、エコでボランタリーな江戸の町がテーマなのですが、この絵巻物は色々な視点から見ることができます。
例えば、宗教です。
絵巻物の中には様々な宗教者が描かれています。
願人(がんにん)坊主=踊りながらあほだら経を読み寿ぎの芸をする最下層の聖
六十六部=全国六十六ケ所を巡礼し法華経を収める宗教者
金毘羅参り=金毘羅大権現のシンボルである天狗の面を背負って金毘羅信仰のPRをしながら、お参りに行けない人からお布施をもらう加持祈祷の門付など。
その中でも、ひときわ興味深いのは子どもの抜け参りです。
子どもの抜け参りとは、親に黙って家を抜け出し無銭旅行をしながらお伊勢参りをする子どものことで、ムシロを背負い、柄杓でお金の喜捨を得ながら旅を続けるのです!
そんなことを子どもが出来たのか不思議に思う方が多いと思いますが、今でも四国にはお遍路さんをお接待する風習が残っていますから、もっと濃密な人間関係があった江戸時代だからこそ出来たことなのです。
だって、犬ですら飼い主の代わりにお伊勢参りをしていたようですからね!!
首に竹を割ったものを括り付けて小銭を入れておくと、宿場ではそこからお金をもらったふりをして食事を与えたとのこと。
歌川広重の伊勢参宮宮川の渡しには犬の代参が描かれていますし、伊勢神宮の内宮前のおかげ座にも代参する犬の人形がありますからね。
江戸時代って、何とも興味深いですね!!!