ブログ仙岩

各紙のコラムや報道番組、読書の感想、カメラ自然探索など。

雪村の「四季山水図屏風」の公開

2014-01-05 10:59:29 | 日記
郡山市西田の雪村庵で生涯を閉じた雪村周継禅僧の四季山水屏風新春限定で今日小寒5日~19日まで郡山市美術館で公開されている。

私の蔵書「日本美術全集」室町の水墨画雪村の画題には、シカゴ美術館「四季山水図」、京都国立博物館「夏冬山水図」、フリア美術館「秋冬山水図」などが載せてある。

画僧雪村(1504~1589)は周防大内氏領内の雪舟(1420~1506)と同じ室町を代表する画人である。
戦国動乱で中央は荒れ果て、西の周防の地に雪舟が、東の常陸佐竹氏の領内に生を受けた雪村が文化で活躍、中央から地方に移行した時期でもある。唐の杜甫の「春望」に、「国破れて山河あり、城春にして草木深し、時に感じては花にも涙を濺ぎ、別れを恨んでは鳥にも心を驚かず・・・・・」と、雪村は佐竹一族から出家して画僧となり、戦国動乱を生き抜くため、会津の芦名氏、小田原の北条氏との関係を利用して平穏を選び画事に専念した。

晩年は三春の田村に隠棲し、山水花鳥におよび画筆を走らせ、雪舟の丸みに対して筆力が厚く、松の葉や小鳥の羽先には鋭敏さがうかがえる天心爛漫に描くものは雪舟の画跡を見て師とし、雪村独特の自然の森羅万象に倣い自分の心で描く画風を醸し出している。