再燃した食道がんへの放射線治療は早くも日程の1 / 3超が過ぎました。今回は放射線治療による副作用に絡んだエピソードについて触れてみようと思います。
放射線治療中は、放射線科医の診察が週1回あります。放射線治療4回目の日に、その最初の診察を受けました。
担当医のH 先生、いかにも臨床医らしい言い方で随伴症状の有無を尋ねてきました。
「食べ物が食道を通っていく感覚、ありますか?」
よくある副作用の食道炎について聞かれていると察した私は、
「その感覚ならありますよ」と答えたのですが、
「どうやら、食道炎の徴候があるようですねぇ。
ドロドロの液剤を出しときますから、毎食前に飲んでください。
海藻由来の多糖類で、不味くて飲めないと渋る人もいるんですが、
まぁ、頑張って飲んでみてください。」
と言うことで、アルロイドG(アルギン酸ナトリウム)というドロドロの内用液を処方されました。トロミが濃くついてるだけの液剤で、その物理的作用だけで誤嚥や炎症を抑える薬のようです。
ところで、この “食べ物が食道を通っていく感覚” (?)って
よくよく考えてみたら、つい最近始まったものではなく、再燃前の遙か以前から既にあったような。このことが気になったので、家に帰ってから相方に尋ねてみました。
「熱いものだったら、喉元を過ぎても食道を下りていく感覚あるけど、
普通の食べ物ではそんな感覚、普通ないねぇ。」というご回答。
遙か以前からあった感覚と思っていた私の方が、遙か以前から普通じゃなかったようなのです。
そんなことで思い出したのが、鷺(さぎ)を騙して生け捕りにする『鷺とり』という落語。
最初のうちは、遠くから大声で「さぎ~、さぎ~」と呼びかけ、
次第に声を小さくして近づいては、鷺にまだ遠くにいるものと油断させる。この繰り返しでまんまと鷺を生け捕るという話です。
ほんの僅かな変化の連続なら異変に気づきにくいという話は、時間をかけて秘かに大きくなる “がん” と筋が一緒なのです。
アルロイドGのお陰なのか、今のところ食道炎の悪化はありません。他に、放射線宿酔という二日酔いによく似た副作用もあるそうですが、どんな症状なのか今一ピンと来ないので恐らくナシでしょう。
以上、医者の問いかけ方一つで気づかされた副作用という、放射線治療中の近況報告でした。
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