ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

医者に問われて初めて異常に気づく

2022-07-27 06:53:48 | 食道がん

 再燃した食道がんへの放射線治療は早くも日程の1 / 3超が過ぎました。今回は放射線治療による副作用に絡んだエピソードについて触れてみようと思います。

 放射線治療中は、放射線科医の診察が週1回あります。放射線治療4回目の日に、その最初の診察を受けました。

 担当医のH 先生、いかにも臨床医らしい言い方で随伴症状の有無を尋ねてきました。
食べ物が食道を通っていく感覚、ありますか?」

 よくある副作用の食道炎について聞かれていると察した私は、
「その感覚ならありますよ」と答えたのですが、

「どうやら、食道炎の徴候があるようですねぇ。
 ドロドロの液剤を出しときますから、毎食前に飲んでください。
 海藻由来の多糖類で、不味くて飲めないと渋る人もいるんですが、
 まぁ、頑張って飲んでみてください。」


 と言うことで、アルロイドG(アルギン酸ナトリウム)というドロドロの内用液を処方されました。トロミが濃くついてるだけの液剤で、その物理的作用だけで誤嚥や炎症を抑える薬のようです。

 ところで、この “食べ物が食道を通っていく感覚” (?)って
よくよく考えてみたら、つい最近始まったものではなく、再燃前の遙か以前から既にあったような。このことが気になったので、家に帰ってから相方に尋ねてみました。

「熱いものだったら、喉元を過ぎても食道を下りていく感覚あるけど、
 普通の食べ物ではそんな感覚、普通ないねぇ。」というご回答。

 遙か以前からあった感覚と思っていた私の方が、遙か以前から普通じゃなかったようなのです。

 そんなことで思い出したのが、鷺(さぎ)を騙して生け捕りにする『鷺とり』という落語。

 最初のうちは、遠くから大声で「さぎ~、さぎ~」と呼びかけ、
次第に声を小さくして近づいては、鷺にまだ遠くにいるものと油断させる。この繰り返しでまんまと鷺を生け捕るという話です。

 ほんの僅かな変化の連続なら異変に気づきにくいという話は、時間をかけて秘かに大きくなる “がん” と筋が一緒なのです。

 アルロイドGのお陰なのか、今のところ食道炎の悪化はありません。他に、放射線宿酔という二日酔いによく似た副作用もあるそうですが、どんな症状なのか今一ピンと来ないので恐らくナシでしょう。

 以上、医者の問いかけ方一つで気づかされた副作用という、放射線治療中の近況報告でした。

 

 

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始めよければ全てよし?

2022-07-20 07:00:28 | 雑感

 朝の出勤時って誰もが忙しなく、気が立っているものです。71歳になってもなお会社勤めをしている我が相方も例外ではありません。

「行ってらっしゃい、気をつけて!」この送り出しの挨拶言葉、相方の出勤時にいつも心懸けている私の常套句ですが、
「行ってきます」と、普通なら素っ気ない返事が返ってくるのが定番です。

 ところが、その日は珍しく「ハイハイ!」と、軽いノリの意外な返事。
「(今日は何かよいことありそう?!)」気持ちのよい朝の出だしに、そんな予感がしました。

 さて、最近の私は放射線治療を受けるため、県立病院に毎日通院中です。

 その日も無難に放射線治療を終えて、次の会計では高額療養費の自己負担限度額を超えたとかで90円で済みました。入院に比べ外来通院だと自己負担額の上限も低くなるそうです。

 事前に放射線治療なら4千円弱かかるはずと聞いていただけに、大層安く済んだのでビックリしました。お陰で、その日以降は月が変わるまで、会計は只で済みます。

 よいことは続くもの。そんな幸運なことがあってルンルン気分での帰り道、病院玄関前のロータリーに沿った歩道でのことです。

 病院玄関へと向かって歩いていたご婦人がふと立ち止まって、
「素敵なお帽子! カッコいいわぁ~、とってもお似合いよ~!」
何と、私に声を掛けてきたのです。

 歩き始めたら自動的に歩測を始める私です。いつものように無心になっていた頭の中が、この一言で千々に乱れ、それまでの歩数がどこかへふっ飛んでしまいました。

「・・・・・えっ? これ、普通の夏用中折れ帽ですけど・・・。
 照れますね~?!  いゃ、どうもありがとうございます。」と、
照れ笑いしつつも腹の中では
「(歩測中なのに、何て罪作りな人なんだ!)」と、半分恨めしく思ったりもしました。

 ところが、人間誰でも褒められて悪い気はしないもの。めったに言われたことのない褒め言葉は劇薬でした。
 それからというものその日は、褒められたときの言葉を何度も反芻しては、ついニヤニヤと口元が緩みっぱなし。褒め言葉一言で、かくも舞い上がってしまった私でした。

 医療費の自己負担が安く済んだこと、珍しく外見を褒められたこと、よいことが重なる日って実際あるものですネ。

 “始めよければ全てよし
思えば、この言葉を象徴していたような日でした。朝の出だしが気持ちいいものであれば、その日一日よいことがきっとあります。

 

 

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放射線治療で二律背反のジレンマに

2022-07-13 07:01:33 | 食道がん

 土・日・祝日以外の連日、外来通院による食道がんの放射線治療が愈々始まり、私はいきなり切実な問題に向き合わされています。

 放射線治療で結構よく起きる急性障害(副作用)が、照射された部位(照射部位)の皮膚のただれ。これを防ぐには、照射部位付近の皮膚を清潔に保つこと以外にこれと言った手段がないそうです。

 ところが、この照射部位の皮膚を “清潔に保つ” が殊の外難しそうなのです。それはなぜか? 照射部位への目印・“位置づけ” が消えないよう極力注意しなければならないからです。

 毎回の照射部位の正確を期するために施すこの “位置づけ”、最初の照射前に胸や脇腹にテープを貼り付けたり、マジックインキで目印を付けたりすることを言います。
 生憎消えた場合は再度目印を付けるのですが、その作業には30分ほどの時間がかかります。

 ですから、消さないよう細心の注意が必要なのですが、その一方で、皮膚を “清潔に保つ” ためには入浴して身体を洗うことが欠かせません。

 本来なら、タオルでゴシゴシ垢擦りが望ましいのですが、無邪気な垢擦りなどもっての外、泡立てた石けんの泡でそっと撫でるくらいが関の山だそうで、照射付近の身体をタオルで拭くにも抑え拭き程度に留めることが必要だそうです。

 私は、化繊の垢擦りタオルでゴシゴシ擦るのが大好きです。
このクソ暑いときに、単にシャワーを浴びるだけで過ごさねばならないなんて、何と味気ない!

 かように今、二律背反のジレンマに立たされている哀れな私です。

 

 

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食道がん、再燃!

2022-07-06 09:08:08 | 食道がん

 私の “食道がん” もやはり、したたかでしぶとい “がん” でした。
 抗がん剤が効いて、一度は死んだふりをして消えていたものの、どっこい根っこはしっかり生き残っていたのです。

  内視鏡検査のときは、いかにも “がん” らしい隆起が立派に姿を現わしていたそうです。たった半年の短い期間でも、“がん” というのは再燃・再発したら立派に成長するもののようです。

 再燃・再発はあり得ることと、頭では十分わかっていたのですが、きれいさっぱり消えたのなら “がん” は治ったのではないかと、単純に思い上がっていたようです。実に、浅はかでした。

 私も検査画像を見せてもらいました。画像で再燃部位を見ていたら、兵糧攻めによる餓死へのカウントダウンが再び声高に聞こえ始めたような気がして、すっかりパニクってしまいました。

 死自体は意識がなくなるだけのこと、別に怖くはありません。それなら、再燃・再発の何に怯えて?

 食道が “がん” で塞がれて、食べた物が飲み込めなくなること、つまり兵糧攻めで飢えに苦しむのが何よりも怖いのです。

 同じ食道がんで亡くなった相方の父親は、まさしくそんな兵糧攻め状態でがん末期を過ごし亡くなりました。

 さて、今後の治療ですが、開始を猶予されていた放射線療法を改めて始めることになりました。そこで早速、掛り付けの歯医者にこの件を伝えると、

「放射線療法を受けたら一生涯抜歯ができなくなります。
 現在治療中の歯根破折の歯も、この際抜いてしまいましょう。
 なに、他に抜歯が必要な歯が後で出て来ても、
 別の手段が他にもありますから、大丈夫!」と励まされもしました。

 放射線療法には、抜歯が契機となって発症する放射線性顎骨壊死という、ちょっと怖い晩期障害があるそうです。

 新しい治療法を受けるとなると、かように聞き慣れない副作用も多々あり得ます。新しい知識とは言っても、こんなオカシナ新知識だけが増えていくのでしょうか。ヤレヤレ。

 

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