ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

うれしい異変(?)が・・・

2019-08-30 06:15:35 | 世相
 私のゴミ拾いコースの中で最悪としていた公園で最近、うれしい異変(?)が起きています。どうやらゴミ拾いに新しい仲間が加わったらしいのです。

 この公園の入り口には東屋が二つあり、そのベンチ周りは吸い殻や灰皿代わりにされた空き缶が散らかり放題でした。それらを片付ける際、空き缶から吸い殻を取り出すだけでも結構時間を喰われたものですが、最近はよく片づけられていて私の出番がないときもあります。

 公園周りの植え込みについても、以前はペットボトルやプラスチック製菓子袋がそこかしこに潜り込んでいたのですが、最近は隅々まで目が行き届いていて一段とキレイになっています。

 今まで巡回し続けていたので、この公園のゴミ拾い仲間には3つのグループがいることを知っています。

 その一つは、公園前に住む1人の若いおばさん。もう一つは、週1回日曜日に活動している町内の老人会。あと一つは、週1回水曜日に市が委嘱している業者です。ただし、これらのレギュラー・メンバーだけではここまで徹底してやってはくれませんでした。

 この異変には2ヵ月ほど前から薄々気づいていたのですが、ここ5週間は金・日・月・土・土と曜日をズラして巡回してみました。その結果、新しい仲間が加わってくれたに違いないと結論づけた次第です。しかも私同様、かなりのポイ捨てゴミ・フェチらしいのです。

 この公園コースは週1回の巡回コースで、始めてからもうすぐ丸4年になろうとしています。若いおばさんが加わってくれるまで約2年、老人会が本腰を入れてくれるまで更に半年、そして今回の新人参加です。

 “石の上にも三年” と言いますが、4年も地道に活動を続けていたら見る人は見てくれているものです。“継続は力なり” 実感しています。


継続は以心伝心の力?』(2018.1.23投稿)もご参照ください。



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パソコンのストライキに無力?

2019-08-27 05:50:54 | 雑感
 先週金曜日の夕方のこと、スリープ状態にしていたパソコン(PC)が電源を入れても動かなくなりました。日付表示のない背景画面は出るのですが、どのキーを叩いてもパスワード入力画面に変わってくれないのです。

 PCの調子が狂うと、自力で修復するなどほぼ無力な私です。強制的に電源を切る方法も知らなかったので、そのまま放置しておくしかありませんでした。

 高がPCのストライキですが、この事件で久々に焦るは、不安になるは、イライラするはで案の定、生活リズムの大幅な乱れを味わうハメになりました。

 PCのトラブルに無力は何も今に始まったことではありません。現役のサラリーマン時代なら、トラブル対処法をほとんど知らなくてもほぼ無難に済んでいたからです。

 時代の風潮からかOA化が進み、仕事上やむを得ず社員一人ひとりがPCを持たされたのは40歳代半ばだったような。当時はIT担当という専門職がいたので、何かトラブったら即泣きついて修復してもらえばよかったのです。

 そんな私でも、緊急対処法として当時から、[Ctrl]+[Alt]+[Delete]を同時に押して強制的に終了するぐらいは知っていましたが、今回はこれも無効でした。翌朝早速、メーカーの相談窓口に電話して泣きつくことになりました。

 今回、相談して身についたのは電源を強制的に切断する方法だけ(?)でした。ただ電源ボタンを押し続ければよいだけなのですが、結局これだけでも再起動できたようです。他に、[MENU] ボタンだったか[SUPPORT] ボタンだったかを押して再起動する仕方も教わったのですが、せっかく教わった使い方も見事に忘れてしまいました。無料の保証期間が過ぎていたので、以上の手数料は¥2000強でした。

 以前にも、トラブルを遠隔操作で修復してもらったことがあり、その処理に計¥20000以上掛かったでしょうか。ウイルス駆除を装った迷惑ソフトのときは、削除方法をメモし損ねたので3回も有料となりました。ソフトを遠隔操作で削除してもらうだけで、ソフト1件につき¥3000強だったような。これって、高いのか安いのか私にはわかりません。

 さて、今回のPCトラブルで被った生活リズムの乱れについてです。

 土曜日午前中は電話相談に結構時間を取られましたし、前の晩や当日朝にやっておくべきブログ記事のフォローも積み残し状態でした。そこに日課にしているゴミ拾いを入れると、最早もう一つの日課・ブログ用原稿作りに時間を割けなくなりました。

 たったPCが使えなくなっただけでもこんな情けない状態なのです。結局、それらのしわ寄せは日曜日以降まで及びました。

 PC機能のトラブル修復ぐらいなら、仕組みがわかった経験者の力で何とかなります。それがアルコールでイカレタ脳機能ならどうでしょう? そんな脳機能の修復にも、やはり痛~い経験の積み重ねがモノを言うのでしょうか?

 アルコール依存症からの回復とは、復元力がしなやかになった心のこと。ふとそんな言葉を思い出しました。確かこの言葉、専門クリニックの S 先生が言った言葉だったような?



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やった~、AAのミーティングで司会を20回!

2019-08-23 05:59:57 | 自助会
 昨年の8月に初めてAAのミーティングで司会をやってから、早くも1年になります。この間、都合20回も司会の機会を与えてもらいました。最近は、挙手して積極的に発言してくれる人も現われ、司会が板に付いてきたと言ってくれる仲間もいます。

 司会をして思い知らされたのは、テーマがいかに大切かということです。出席者の記憶を呼び起こし、自ら経験を語り出すように仕向けられるのは、偏にテーマ如何によります。

 もちろん、司会者が導入のために話す内容もそれなりに大事なのですが、導入話の方は出だしの1、2分でテーマの趣旨をうまく説明できれば上出来で、後は出たとこ勝負でどうにでもなるようです。

 最初の頃は、会の進行上、どのタイミングでどんなことを言うべきか、私も理詰めでシミュレーションしてみたものです。が、当てにならない私の記憶力では、これも無駄な努力とわかりました。

 実の話、出席者の多くは司会者の導入話などあまり聞いていません。断酒歴が長いと目される人たちは、テーマに沿った自分の体験を思い起こすのに懸命です。精々、断酒歴1年ぐらいまでの人しか話に聞き耳を立ててはくれません。ですから、最初の1、2分が真剣勝負となります。

 司会者として私が出したテーマは、主に次の6つでした。いずれもAAミーティング・ハンドブックの内容に因んだ言葉で、私なりに少し工夫したものも入っています。

 ● 断酒を始めて気づかされた困ったこと/良からぬ考え(6回)
 ● 自分に正直になる(3回)
 ● 行動に移す(3回)
 ● ありのまま 受け入れる(3回)
 ● 古い考えを捨てる/手放す(2回)
 ● 転機(2回)

 これらのテーマに私は、私自身の断酒体験から得られたメッセージを込めたつもりです。クロスアディクション由来の性的妄想・“憑きもの体験”、“言語化” による “見える化”、正常化した “感覚” に従う行動、記憶ネットワークの機能的偏りによる “認知のゆがみ” とその対策、精神的 “底つき体験” などを意図したのですが、もちろん言い忘れたことも多くありました。

 断酒で引き摺る精神的ストレスは、続いても精々3~5年程度のようです。この時期は半分まとも、半分病的な精神状態だと言って過言ではありません。

 私の場合、最も辛く感じていたのが10ヵ月までで、その後に急性離脱後症候群(PAWS:アルコールの後遺症)というものを正確に知ったため、今ではやはり3年ぐらいまで続いていたかと考えています。

 この断酒を始めて3年までの期間は本当に危ない時期です。司会をしていて常に意識するのはこの時期にいる仲間たちです。これからも、「経験と力と希望を分かち合って共通する問題を解決する」というAAの精神に則り、少しでも私の断酒体験が役立つよう司会の立場からも励んで参ります。



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台風情報では雨雲レーダー予測画像が超優れモノ

2019-08-20 06:11:02 | 雑感
 先週の台風10号、被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。
 先週一杯は、この関連ニュースで持ちきりでしたが今回は、その台風10号の進路予測ニュースで思い知らされたことを書いてみます。

 断酒6ヵ月目から定期的に通い始めたAAのミーティングですが、今まで欠席したのは台風が直撃したときと姉の葬儀のときだけだったような。15日に予定していたミーティングでは司会をすることになっていたので、この台風10号の進路予測には何時になくヤキモキしていました。警報が出るようだったら欠席も已む無しと決めていたからです。

 そんなゆとりのなさが私に予断を生んだようです。せっかくニュースで流されていた重要な情報を見落したり、見過ごしたりしていました。

 自分の迂闊さを思い知らされたのは次の二つのことからです。一つは、接近中の台風が勢力を弱めていた事実を見逃していたこと。もう一つは、雨雲レーダーによる雨雲の動きを詳細に予測した画像(雨雲レーダー予測画像)をボンヤリ見過ごしていたことです。

 先ず、勢力の弱まりについてです。当日15日の10時には中心気圧が975 hPaとTVに表示されていたような。確か、前日14日までは965 hPaだったと記憶しています。しかも、前日の16時には超大型から大型へと評価が変わっていたようですが、そんな勢力の衰えをまんまと見落としていました。

 因みに去年、暴風害と高潮で当地方に甚大な被害をもたらした台風21号の上陸前中心気圧は950 hPaでした。二つの台風の気圧差 15 hPaがどれほどの意味を持つのかわかりませんが、大雨がやたらに強調されていた今回の予報は奇妙で変に思いました。

 次に、雨雲レーダー予測画像についてです。前日の晩のNHKニュースでは、翌15日の雨雲レーダー予測画像を詳細に流していました。

 そのときのニュース報道によると、当地では15日午前中から早くも弱い雨雲が所々発生するものの、相当強い雨雲が本格的に襲来するのは午後6時ぐらいからであって、それも夜半過ぎまで続くというものだったような。この予測は当日15日朝になっても変わっていませんでしたが、なぜかこれを軽く考え見過ごしていました。

 当日15日も朝から台風情報が引っ切りなしに流れていました。中心が四国の西端と豊後水道辺りを北上し、広島市付近に再上陸しそうなこと。暴風圏が進行方向右側に大きく膨らんだ珍しい楕円形となっており、お昼頃には当地も暴風圏内に入りそうな情勢と報道していました。

 実は、台風の進路がほぼ確定した前日から「これは間違いない、当地も暴風圏に入って警報が出る」という予断を持っていました。上記の情勢は予断を確信に高め、当然のごとく、昼過ぎから始まるAAのミーティングには欠席することに決めました。

 結局、当地が強い風雨に見舞われ始めたのは午後4時過ぎからで、6時過ぎからは雨雲レーダー予測画像通りに暴風雨となりました。台風では法則通りの方向に風が吹きます。その分析から六甲の山々に風が当たって雨雲の発生が正確に予測しやすかったのでしょうか。その精度の高さには舌を巻きました。

 台風情報にかかわらず、物事を “ありのままに” 受け止めることは大事なことです。が、視点や焦点がぼやけていては何にもなりません。今回の経験から改めて、台風情報では中心気圧、進行方向と風向き、雨雲レーダー予測画像の3点が重要とわかりました。

 これからの台風情報ではこれら3点共に焦点を当て、中でも雨雲レーダー予測画像には “いの一番” に注目することに決めました。こうすることによって私なりの台風対策も、より具体性が増すことと思っています。


 ひょっとしなくとも今回は、ミーティングに行っても辛うじて大丈夫だったろうと思います。しかし、災害から身を守るにはこれぐらいの用心をして当たり前、そのように考えを改めました。



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回復は、家族の方こそ時間がかかる?

2019-08-16 06:15:29 | 病状
 アルコール依存症(アル症)の人は、断酒しても家族と離れて一人暮らしをしている人が多く、家族と同居できている人は少数派のようです。その点、一旦別居して離婚したにもかかわらず、再び連れ合いと同居している私などは珍しい事例だと思います。

 AAのミーティングでも、同居していた家族の話はよく出ます。一向に酒を止めようとしない自分に家族が匙を投げてしまったとか、家族と衝突を繰り返して散々迷惑をかけたとか、飲酒時代を悔やむ話がほとんどです。が、当然ながら現在同居中の家族の話をする人は希です。

 先日のミーティングでは珍しく、同居中の連れ合いの話をした女性仲間がいました。
「(断酒して丸6年が過ぎた)自分は落ち着いて来ていると思っているのに、夫はいまだにカリカリしていて話す言葉にトゲがある」のだそうです。

 この話で、亡くなった仲間から以前聞いた話を思い出しました。断酒9年で再飲酒、再び8年間(?)断酒を続けていた女性でした。
「夫はちっとも私の気持ちをわかっていない。全部私のせいにして小言ばっかり。家のことは何もしてくれない。」
こんな夫への悪口を、ミーティングでは言いたい放題でした。

 この手の話は、ブログ記事でもよく見かけます。結婚生活の長い老夫婦によくある、無理解な夫への妻のボヤキそのもので、何もアル症に特別な話ではなさそうですが、・・・。

 実は彼女らの言葉に、アル症ならではの問題が二つ、透けて見えています。本人は、アル症から順調に回復が進んでいると自認しているのに、それをなかなか認めて貰えない欲求不満が一つ。もう一つは、家族に依然として残る酒害トラウマです。

 アル症からの回復は、身近に居る家族の方が時間がかかると聞きます。飲酒時代に同居していた家族なら、酒害で受けたトラウマは尋常ではないはずです。そのトラウマが、たとえ断酒を何年か続けていても依然として残っているようなのです。これは当然のことだと思います。

 かく言う私も同じような経験を何度もしています。相方の言葉にはトゲがあり、しかも冷ややかな口調で言って来ます。私の方はと言えば、小バカにされた気分になって、どうしても頭に血が上りがちです。

 「何だ、その言い方は?!」と、つい言い返すこともたまにありますが、頭に血が上った状態では記憶が不確かです。生々しい言葉の数々を正確には覚えていないので、そのうち「まっ、いいか!」となってしまいます。

 先日、市役所であった水の飲み比べの際、職員の面前でアンケート用紙に記述することになり、久々に手が震えて字の乱れを経験しました。私にも依然として、飲酒時代の急性離脱症状・振戦がまだ生々しいトラウマの一つとして残っています。

 アル症からの回復を正確・冷静に判断できるのは身近に居る家族です。双方がトラウマを抱えていることは、お互い適当な距離感を保ててむしろプラスになるのかもしれません。

 こういう複数の歯止めがあってこそ、飲まない生活が続けられるというもの。私はそう考えることにしています。



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一番おいしかった水は水道水?!

2019-08-13 06:06:09 | 世相
 試飲で酒の飲み比べは何回もしているのですが、水の飲み比べはしたことがないのでは? そんな水の飲み比べを初めて経験しました。

 先週の水曜日に市役所前広場であった、市の水道局主催の試飲イベントでのことです。テーブルの上に炊飯器ほどの大きさの保冷給水器が3つ置かれ、A、B、Cと名付けられたそれぞれの水を飲み比べてアンケートに答えるというものです。飲む順番はA、B、Cの順でした。

 私の感想はと言うと、Aは少しキリッとした口当たり、BとCはやや円やかな口当たりで、Aが一番おいしいと感じました。その場に居合わせた他の人たちも同じような感想だったようです。

 種明かしはアンケート用紙に書かれていました。Aは淀川水系の水を主成分とする水道水、BとCはいずれも市販のペットボトル水で、それぞれ南アルプス系と六甲山系の軟水でした。

 ところで水の硬度とは、カルシウムとマグネシウムの含有量を数値化したもので、硬度0~100mg/Lを軟水、101~300mg/ Lを中硬水、301mg/ L以上を硬水と区分するそうです。
 [水の硬度=(カルシウム量mg/ L×2.5)+(マグネシウム量mg/ L×4)]

 一般的に軟水は口当たりが軽く、硬水はマグネシウムが多いほどしっかりした飲みごたえになるそうです。もちろん、洗濯用としても使われる水道水は軟水です。

 今回のアンケート集計結果はまだわかりません。過去3年間のアンケートでは、2回は水道水がトップ人気、残りの1回も水道水が4%の僅差で2番人気という結果でした。

 飲み順が影響したとも考え、逆の順番でCから飲み比べをしてみたのですが、結論は変わりませんでした。おいしいものは、やはりおいしいのです。

 世間では、ペットボトル水が全盛です。我が家でも、相方と次男がアレルギー体質ということもあり、二人ともペットボトル水を常用しています。

 私的には、水道水にカルキ臭さなど感じないのですが、何かが違うのかもしれません。安上がりの水道水でも平気な体質に生まれたこと、これには唯々感謝するのみです。



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“病感” がある?

2019-08-09 05:57:14 | 病状
 二ヵ月ぶりに元町のアルコール専門クリニックに行ってきました。前回は、S 先生が自らボケ宣言をしたのでビックリさせられました。当然私の関心は、専ら S 先生のその後にありました。

 いつものようにしばらく待たされた後で診察室に呼ばれました。S 先生、前回の診察時とは打って変わって顔の表情が生き生きしていました。

 問診では、ゴミ拾いをまだ続けているかとか、ビタミンB1配合剤は他所で出してもらっているかとか、経過確認すべきポイントをしっかり聞いてきました。

 問診ついでにこんなことも教えてくれました。
「夏バテ対策には、ビタミンB1配合剤とビタミンCが一番。私も、この二つは欠かさないようにしているんです。」以前のS 先生そのものでした。

 診察室を出ると、私担当の相談員 N さんが丁度通りかかりました。早速、N さんを呼び止めて情報交換となりました。
「S 先生、今日はシッカリしていましたよ。前回はビックリさせられたけど、病識があるから大丈夫、まだ認知症まではいっていないと思っていましたが、・・・。」
「病識があるか、ないかは微妙だけど、“病感” はあるみたいですよ。」
「“ビョウカン”? 何ですかソレ?」
「自分は病気かもしれないという感覚のことよ。病識の一歩手前と言ったらいいかな。」

 S 先生本人には、スタッフ皆で物忘れがヒドイと伝えてある。だから、病気かもしれないという感覚は本人にもあるらしい。ただし、本人に病識があるのかないのか、本当のところはわからない。N さんの言った “病感” とはこんなところでしょうか。

 統合失調症や認知症の診断には、病識のないことが決め手になるそうです。病識の有無は、精神科領域ではそれだけ大事な所見なのです。

「(“病感” はあるとして、それが何にそれでどうなるの?)」咄嗟に、こう聞き返せないのが私の迂闊さ、切り返しの鈍さはいつものことです。結局、そのときの話はうやむやのまま終わりました。

 ところで、認知症の進行には好不調の波があると聞きます。今回が好調だったからと言って次回もそうとは限りません。

 とても他人事とは思えない S 先生のボケ問題、まだまだ目が離せないようです。で、私の定期通院もまだまだこのまま続けようと思っているところです。



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記憶が ♪“飛んで飛んで~”

2019-08-06 06:29:15 | 雑感
 先週の金曜日のことです。まだお昼前なのに、気温は既に32℃を上回っていました。

 コープの店頭で、日陰にあるベンチに腰掛けていたとき、週1回このお店を担当している警備員の兄(あん)ちゃんがやって来ました。

「アレッ、今日は月曜日? 先週もここで会ったよね、それも確か月曜日だった?」
「何言ってんですか、今日は金曜日ですよ! それと、月曜日は臨時のときだけで、前回会ったのも先々週のことです!」
「えぇーっ、先々週? 本当~?!」

 まだ納得していない私の顔を見て、スマフォを取り出すとスケジュール表を確かめて見せてくれました。
「ほら、先週は東灘のお店に行っていて、ここには来ていません。」
「そうか、じゃぁ先週私は何をやっていたんだろう?」
「老化で、記憶が ♪“飛んで飛んで~” じゃないですか? シッカリして下さいよ!」

 近頃、記憶力が戻って来たと過信していただけに又々、私の記憶力のあやふやさにガッカリさせられました。やはり “思い込み” は危険です。

 それにしてもこの兄ちゃん、最近は表情が晴れ晴れしています。去年の秋頃は、付き合っていた女子大生とうまくいってなくて暗い顔をしていました。

 話を聞いてみると、彼女にメッシー君やミツグ君をやらされていただけのようなので、
「そこまでの縁でしかない。キッパリ諦めたらどうだ」と言ってあげました。

 私の助言が利いたのでしょうか、その後しばらくして彼はこんなふうに言っていました。
「彼女とは別れました。最近、毎日が “平和” で退屈してます。」
兄ちゃんの記憶は、このときばかりは “飛んで飛んで~” だったようです。

 先行きに変な期待や不安がなくなると、“平和を知る”(『アルコホーリク・アノニマス』第6章)。“Peace”には安心という意味もあること、彼の言葉で腑に落ちました。



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日日是好日

2019-08-02 06:00:20 | 雑感
 樹木希林の最後の映画『日日是好日』を見てきました。黒木華、多部未華子らとの共演で、昨年10月の初公開から既に9ヵ月経っています。市と市の教育委員会の主催なので、私のようなものにはほぼ評価の固まった映画を楽しめるいい機会となっています。
 
「8歳の時、イタリア映画『道』を家族で一緒に見た。
 ちっともおもしろくなかった。」
冒頭場面のこのナレーションから、人生の奥行きの深さを茶道という芸の “道” に絡めてみようとする制作意図が見て取れました。

 物語は、典子(黒木華)、美智子(多部未華子)二人の新弟子と師匠の武田先生(樹木希林)との3人だけの稽古場風景を軸に、典子の日常生活や四季折々の自然描写を織り交ぜて進みます。ここぞという場面には、含蓄のある言葉がサラッと仕込まれていて、まるで人生の道標のようでした。

 ここでは、それらの言葉から二つだけ取り上げてみます。 
「お茶は形から入っていくものなのよ。頭で考えていてはダメ、身体で覚えるのよ。」
 典子と美智子が二人で初めてお稽古に行った日のこと。新弟子二人が初めて知る所作の意味にこだわりを見せていたとき、武田先生の言った言葉です。

「先ず行動に移してやってみて、それを “自動行動” になるまでやれ」私にはそう聞こえました。“自動行動” とは、完全に無意識下でやる習慣化した動作のことで、私が勝手にそう名付けたものです。

 いちいち頭で意味など考えずに自動的にやる動作のことですから、雑念が入り込む余地などありません。完全に習慣化していれば無心にもなれます。

 これは、道でゴミ拾いをやっているときに私がよく経験する心境です。「茶道をゴミ拾いと同列にするとは、何て例えが悪いこと・・・」とお叱りを受けるでしょうが。

 二番目は、映画の最終場面でつぶやいた典子の言葉です。
「世の中(人生)には、すぐにわかるものもあれば、ゆっくりとしかわからないものもある。」

 幼い頃に見た映画『道』を再び見た後で気づかされたのでしょう。12年以上もの長い間お茶のお稽古を続け、その間、従姉妹の美智子に就職も結婚も先行され、婚約相手には裏切られ、父の突然の死も経験した、そんな末に辿り着いた彼女のつぶやきでした。

 お稽古で培った無心の心境、その積み重ねが感覚を研ぎ澄まし、ありのままを受け入れる居心地のよさを悟ったのだと思います。
 
 ところで、お稽古場の扁額や掛け軸にあった言葉。
“日日是好日” は、「その日一日をただありのままに生きる」という意。
“一期一会” は、「今日出会ったこの機会は二度と巡って来ないたった一度きりのもの」という意。
どちらも今この時は有り難いことなのだと説く言葉です。

 ありがたいと思う心は、居心地がよくなければあり得ません。今この時の居心地のよさは感覚です。無心になって感覚的に今この時を楽しめばよい、という意味にも取れます。まさに、“ありのまま 受け入れる” です。

 まぁ、ゴチャゴチャと勝手に屁理屈を並べてみましたが、私の記憶力がどんなものかこの記事で確かめて貰いたくて書いてみました。

 それはそうと、やはり女性の着物姿はいいものですね。茶会に集った着物姿の女性たち、清潔感に溢れ凜としていました。これには私も “無心” になって目を楽しませてもらいました。



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