生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

美術修行2010年9月16日(木)

2010年09月21日 23時45分47秒 | 美術/絵画
2010年9月21日-1
美術修行2010年9月16日(木)

 「日本画」の前衛 1938-1949/京都国立近代美術館/850円(常設展含む)。
 山岡良文「放鳥」0.6☆。少し面白い。折角の要素の持つ動きを、全体的構図が減殺している。
 山岡良文「潮音の間襖」0.05☆。襖でなければ(=縦線がなければ)、→0.2☆。
 岩橋英遠「土」(1938年の方)。紙本着彩屏風で、第2回自由美術家協会展に出品だったとは……。ヘビもカエルもいない方が好み。
 
 常設展は前回見たものと同じ。
 堂本印象「冬朝」は、おそらく前回見たときとは異なって、上方からの二つの照明光が全面を明るく照らし、あっけらかんとしている。
 モンドリアン「コンポジションNo.1」は、小さな絵だから、もっと小さく分割し、かつ、赤の小さな区画が欲しい。

 ギャラリー唯心。digitalで、なかなかのもの。

 山口英里華 個展 2面4線/ギャラリーはねうさぎ4。
 京都精華大学3年生。綿紙(ワトソン紙)に墨と茶インクの「沈木材」が良かった。塩振りを含んだ滲んだ水墨的な面とベンによる線描をうまく組み合わせている。
 第1-3室のある、ギャラリーはねうさぎは、向かいの2階にあるらしい。次の機会に立ち寄りたい。

 小松育美展 Landscape 降り積む景色/ギャラリー16。
 小吹隆文氏による、「勝手にRECOMMEND ~小吹隆文の、関西・アート・見聞~」に記事がある。
http://www.recommend.ecnet.jp/20051216komatsu.html

  
 京都国立近代美術館で入手した、大阪大学21世紀懐徳堂だよりのvo〔ママ!。volの脱字に違いない〕2. 2010.9号に、大阪大学中之島講座として、

  2010年11月16日(金) 18時30分~20時。橋爪節也「ミュージアムが都市の輝きを増す-大阪圏と美術館再考-」/受講料1,500円

がある。

東洋絵画と西洋絵画

2010年09月12日 00時18分49秒 | 美術/絵画
2010年9月11日-1
東洋絵画と西洋絵画

 河北倫明氏が、日本画の特徴を5つほど挙げていた。どこに書いてあったか、失念。入力したものも、どこかに行方不明。

 日本の絵画の伝統的なこととして、精神性が挙げられるかもしれない。西洋絵画にも精神性はあるはずだから、どのような精神性かを言わなければならない。
 水の精神といったものは考えられないだろうか? これに対するのは、何だろうか。むしろ、湿潤wetと乾燥dryという対比のような気がする。すると、湿潤の精神。どうも良くない。ならば、水々しい精神。「新鮮で生気がある」(大辞泉)ということらしい。
 あるいは空気のようなもの。雰囲気的なもの。
 あるいは、……。

  「東洋のあり方と西洋のあり方を区分できるとすれば、ぼくたち東洋人は水の文化ではないだろうかということだった。つまり、物質的なマチエールの問題ではなく、精神的な意味でぼく自身が水動物であって油動物ではないということがわかったのである。」(堂本尚郎 1982.6 142-143頁)。


堂本尚郎.1982.6.水動物と油動物.『材料と表現 アクリル画…新しい画材』: 141-143. 美術出版社.


個体発生と系統発生/タクソン的推論

2010年09月10日 23時34分50秒 | 生命生物生活哲学
2010年9月10日-5
個体発生と系統発生/タクソン的推論

 個体発生する卵がどのような成体になるかは、卵のタクソン同定ができれば予想できる。この場合、すでにタクソン別に観測が行なわれていて、またなんらかの体系化や統計的収集がなされていて、(タクソン的共通性を抽出したことなどにもとづいて)予測し、かつその結果は(タクソンごとにその種類と程度は様々だが)確証されている。

 一方、系統発生〔これもおおくの場合、かなりの程度に構築体なのだが〕は、先が予想できない。一つは、まさに変化するところが観測されていないからである。親子関係は憶測されるしかないからである。
 たとえば、或る太陽系のいくつかの惑星において、人類(鳥類でも、ウイルスでもよい)が出現したとすれば、そのような事態は必然的であったと憶測するかもしれない。そのようなタクソン水準での法則は、いかにして推論できるのか。どのようなデータが必要か。

 タクソンの位階性 rankness(タクソン的〔分類学的〕階層taxonomic hierarchyと言われるものとして具体的に表現される。種ー属ー科ー)が、発生学的知見から根拠あるものとして捉えられた場合、その根拠性の推論構造はどのようなものか。


指図的芸術

2010年09月10日 23時23分29秒 | 美術/絵画
2010年9月10日-4
指図的芸術

指図的芸術 instructive art
指図芸術 instruction art

 1. 解読者に指図内容を伝える物体(たとえば楽譜、指図詩[行為詩とは、行為そのものを詩と見立てる場合を称することにする])
 2. 解読し、その指図を実行する(演奏者)
 3. 現出する芸術
    音楽、演劇、舞踏

 即興による演為 performanceは、自らが自らに指図しているみなすことにする。
    産出する
 作曲者→→→→楽譜→→→→演奏(「再現」)

 演奏者は解読して、物理現象として具体化する。


平衡共同体下でのニッチ

2010年09月10日 23時22分01秒 | 生態学
2010年9月10日-3
平衡共同体下でのニッチ

 1. 基本的出発点

  a. 平衡共同体においては、同一のニッチを占める二種は無い。

 問題点
  1. ニッチを解釈して、具体的な指示物と観測概念に変換すること。
  2. 生活するのは種ではなく、生物体である。
   種の生活とは、或る種に属する生物体の生活を観測して、それらに共通して観測される生活様式を抽出したもの。
   「二種」を、「二種に属する生物体」に変換すること。
  3. 平衡共同体をどう定義し、具体的にどう判断するのか。
   ここにも程度の問題がある。平衡とは何かの性質についての、時間的変化についての形容または述語である。
   →自然の均衡 the balance of natureという概念は、たとえば個体数動態の論争においては(当然ながら(しかし論理必然的ではなく))動的な捉え方になったために、表立っては廃れたように思うが(違うかもしれない)、(自然界の)異常気象という現象について、システムのメカニズム的に本質的なことは、均衡や平衡の問題である。→正または負のフィードバックが生じるメカニズム。


 2. 予測する事項

  1. 生物地理学的問題(おそらく生態学的問題でもあり、進化学的問題でもあるが、さしあたって)

 (地球上の[とりあえず諸惑星のなかでも、この地球に限定する])或る(抽象的な意味ではなく、地理的な=具体的な)場所に、(或る種タクソンに属する)(或る時点で(通常観測時点で)生きている)或る生物体が、いるかどうか。

  個体数動態(と個体群動態)
  the ecology of a population
   「或る個体群」という言い方をした場合、なんらかの収集体collection(⊂構築体)ないしはまとまり an organized entity(一つ以上の結合的性質によって編制された存在者)として捉えている。
  たとえば、或る自治体の境界内の人口を母集団として、それを推定する場合。それはしかし人為的に設定した地理的範囲として定まっている(むろん、どちらの自治体に所属するかで係争中のものとかある。飛び地は、ただ空間的に連続していないだけてある。その場合は、上空で接続していると考えればよい。)

 →個体群は、まとまりのある存在者かどうかの議論。時間スケールで見ると、結局、或る種に属する生物体としてしか、空間的には無い。或る個体群の空間的広がりを定めることはできない。実際の調査では、或る空間を定めて(標本抽出 sampling)或るタクソンに属する生物体のたとえば数(つまり個体数)や重量を測定している。ほとんどの場合、まとまりとしての母集団は明記されていない。それでも、仕事は進むのである。


美術修行2007年12月など

2010年09月10日 21時40分04秒 | 美術/絵画
2010年9月10日-2
美術修行2007年12月など

 2007年11月30日。ペドロ & カプリシャス/帯広市民ホール。

 2007年12月2日。故郷スイスのぬくもり アンカー展/Bunkamura ザ・ミユージアム。
 作品目録は会場の展示順となっていて、良い。
 「少女と2匹の猫」0.8☆。清楚な、と、猫好き、のバランス。
 「スープを飲む少女」0.7☆。無心の、ひとときのふるまい。12:27//。

 2007年12月2日。Bunkamura Gallery。
 渋谷・東急本店8階美術画廊の油絵展2つ。5万円/号。6万円/号。12:45//。
 歳末美術特選市/東急東横店南館88階アートサロン。14:06//。

 2007年12月?(5-11)日。半谷学 森の中 花 おかし 展/弘文堂画廊。

 2007年12月?(4-9)日。第15回柏華会展/帯広百年記念館展示室。森昌子「過ぎゆく刻」良い。

 2008年1/12-3/23。絵画の冒険/奈良県立美術館/400円。


美術修行2007年11月23日

2010年09月10日 00時57分26秒 | 美術/絵画
2010年9月10日-1
美術修行2007年11月23日

 2007年11月23日(金)。河口龍夫 ー見えないものと見えるものー/兵庫県立近代美術館/800円(名古屋市美術館の券による割引)。
 暗闇での体験アートは面白かった。先に、作家の見本を見るということも。名古屋市よりも展示空間が広いこともあり、見応えがあった。作家の冒険精神に乾杯!祝杯!
 17時から解説に参加した。
 〔B5版5枚の紙片の自分の文字がほとんど判読できない〕。種子。柿の種。スイカの種。麻の実。「死と生が交じりあった??」。17:31:19 「二日に一階、学芸員が水を足している」。鉛白=さび。
 「落雷のフロッタージュ」高い天井の????なか??未発表??。
 「水を溢れさせて、水の行?????」。水を張った、なかなか手間、。うーむ、大賀はハスからの思いつきらしい。
 〔判読できず廃棄〕

 美術情報センターは、開架式ですっきりとしており、本が揃っていて、大変良い。閲覧席20席。平成17年度年報によれば、収蔵図書合計は21,665冊(購入4,324冊、寄贈17,341)で、平成13年度の近美(旧の兵庫県立近代美術館?)より移行が15,288冊、購入が3,252冊。平成17年度の入室者数は、月に3,217~5,115人。開室日当たり平均では、月によって126~196人。
 アメリカ美術史の棚に、バーゼル美術館「フルクサス」「ミニマリズム」あり。

 海の見える、レストラン ラピエール ミュゼにて、赤ワイン/600円。16:54:33。

 ちらしを沢山持って帰った。数cmの厚みになった。

 ボクシングペインティングで有名な人が審査員の一人のちらしに、「Joint Art Battle とは、優劣の判断しがたいアートの分野に「競技」という概念を取り入れた、ライブペインティングという新しい形式のコンペティション」
だとある。会場は駅前の地下街。
 ちらしに、直島で、アートとコメの収穫祭。新米試食会、演奏。現代美術から農作物までの作品や商品が、展覧され売買される、文化市場だと。

 某市長賞 賞金10万円。某市長賞 賞金5万円。某市は賞金の記載が無い。SMで、某買い上げ大賞 50万円。
 ワンダーシード2008の募集作品の大きさはF10号以内。「本当に上手い絵描きは小さい絵も描ける。そしてその作品が鑑賞の生活空間で愛玩されてこそはじめて意味がある」と審査員の一人の石原慎太郎都知事は書いている。
 横浜のCafe Live Series 2007のちらしに、「アンケート・アートとは、世の中の事象について……アンケートの回答を音楽に変換し作品を発表しています」とある。


ニッチ概念を原義から考える/場所placeと凹所niche

2010年09月08日 22時53分44秒 | 生態学
2010年9月8日-5
ニッチ概念を原義から考える/場所placeと凹所niche

 生態的地位とも訳されるニッチ (ecological) nicheは、もとの日常語としては、壁の凹みであって、そこに像や花瓶といった物を置くための場所を指している(太田 1994: 37)。これは辞書を引けばわかるし、生態学の教科書を見ても語源的な説明があればそうなっているだろう。

  「「ニッチ」の原義は「壁がん〔壁龕〕」であったが、直ぐそれから転じて一般に「凹所」、「安置場所」、「場所」、「適所」、「地位」、「位置」の意味になり、日常語でもそれらの意味で昔からよく使われてきた……(例えばOED, 1989)。」(太田 1994: 38)。


 現在では、凹みに関わるなんらかの(様々な)意味または性質を抽出あるいは借用して、生態学的な概念としているのである。元の物体をモデルとして使用し、他の対象に適用するということは、元の物体のなんらかの作用や性質について、他の対象において同型的に推論すると役立つかもしれないという期待がある。では実際に役立っているのか? また、どのように役立っているのか? たとえば、生物共同体をシステムとして捉えた場合に、その種構成とか、さらに詳しく種-個体数構成を予測できるのか?、である。

 
 
 壁の凹みという空所は、壁を窪ませて、そこに何かを置くという機能を実現可能とさせるような形態を提供している。実在するのは、そのような形態の壁という構築物である。壁は触れることができる。空所の空気は見えないが存在するが、固体を置けば、それが存在するように空気はそこから排除される。空気を空所からから排除するのに必要な人の力は(実際に置いたりする多くの人にとって)たいしたものではないので、いつでも自由に物を設置できる。


□ 競争排除則またはGrinnellの原理、とニッチ


[H]
Hurlbert, S.H. 1978. Evolutionayr Theory 177-184.

 
[O]
太田邦昌.1994.'Place'から'Niche'へ:ダーウィンと彼によって示唆を受けた7人の研究者達、1839-1916.生物学史研究 (58): 37-54.


美術修行2007年11月22日

2010年09月08日 22時49分18秒 | 美術/絵画
2010年9月8日-4
美術修行2007年11月22日

 2007年11月22日(木)。河口龍夫 ー見えないものと見えるものー/名古屋市美術館/1,000円。
 種子の鉛化、あるいは鉛の種子化。
 鑑賞者がなにかに参加できるというのは、面白いだろう。多くの人が、2階で粒を載せると一階へとピアノの横へと降り積もる作品?に参加していた。
 暗闇のなかの机の上で、(渡された?(もう記憶に無い))A4が4枚分くらいの大きな紙に4B鉛筆でなにかを15:35:00~描いたのが、これ↓。

  (やっぱ、止め。見せる労時をかけるほどのものではない。
   下半分しか使っていない。律儀あるいは臆病だと縮こまるってことか。)

 温室も、ガラスのウラ(正面からは表)、にアルミのフショクの白による模様。
 ~16:06出。
 
 
 [全然関係ないけど、一句。
   エネルギーの暴風雨   ]

美術修行2007年11月9日

2010年09月08日 22時42分07秒 | 美術/絵画
2010年9月8日-3
美術修行2007年11月9日

 2007年11月9日。フルーツケーキセット/Tearoom Georgette(ブリジストン美術館1階)/900円。

 2007年11月9日。セザンヌ4つの魅力/ブリジストン美術館/800円。
 セザンヌ「佐藤壺、梨とテーブルクロス」0.7-0.8☆。
 セザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」0.4☆。部屋のまんなかの椅子に座って見るとなかなかよい。
 ルノワール「すわる水浴の女」あえてつければ、0.07☆。
 ピサロ「ブージヴァルのセーヌ河」5mはなれて、0.2☆。2mで0.00☆。
 モネ「黄昏、ヴェネツィア」0.4☆。なかなかよい。色使いが少し下品。
 シニャック「コンカルノー港」0.2☆。舟など描かず、まったくの抽象にすると0.5☆になったかも。
 岡田三郎助「臥裸婦」0.2☆。やわらかな姿態よし。背景色なし。
 藤田嗣治「猫のいる静物」0.3☆。入ってすぎ左、いいなと思ったら藤田だった。リンゴや西洋梨はまるで日本画。油絵としてはありえないと思うほど。この???学ぶべし。
 ルソー「牧場」はここにあったのか。牛2頭のひびわれ模様がいいね。(計算していなかったと思うが)世界はこうしてひびわれていく。
 クレー「島」0.4☆。ぉ、クレーじゃ、クレー。また違った造形技法だ。色彩 ボツ構?の色彩と地の色彩のポリフォニー。線描がまたふしぎ。マチエールは石膏か?
 ピカソ「腕を組んですわるサルタンバンク」。この絵に向かう椅子に座る。5mくらいはなれ。未完成なのか、左の?にはクロッキーのあとが消されていない。それも含めての絵?

 抽象への道、という(順では最後に見ることになる)第1室では、「絵自体 わかんねぇ」と声が聞こえた13:52:02。
 フォートリエ「旋回する線」0.34☆。意欲が感じられる。
 ザオ・ウーキー「21.Sep.50」0.2☆。線描的部分があって、クレーかと思った。
 石橋正二郎と坂本繁二郎に感謝。

 
 佐藤和彦 陶展/京王百貨店6階 京王ギャラリー。
 線で区切られた面を立体に。

システム成立〔定立、創立〕1

2010年09月08日 12時58分55秒 | 生命生物生活哲学
2010年9月8日-2
システム成立〔定立、創立〕1

 
システム成立〔定立、創立〕 establishment of a (new) system

 既存のシステムから、新しいシステムが成立したとすれば、新システムは前システムが持つ諸下位システムの一つ以上を受け継いでいるであろう。しかしこのような発想には、大きな仮定が潜んでいる。突然に、あるいは根拠無く成立したという場合である(少なくとも見かけ上では、神による創造説や、ひょっとして一挙成立的なシステム変換的考え)。これは、たんに認識上のことかもしれない。そこで、認識的なことも考慮しつつ、まずは極端思考的に、原理的なことを考えることにする。
 [狙いの一つはむろん、歴史的説明なるものの「大部分」を不要にすること。→縁起論。成りゆき論。]

 まずは、文の意味を解釈する。

  新しいシステム〔系〕が成立した。
  A new system was come into existence.

 受け身だと不都合、つまり周りからの諸力(だけ)によって成立したということを含意するように思えるので、受け身表現にしたくないならば、
  A new system became into existence.
  (自ずから成るとは、どういうことか。<然らしむ>。→然〔み〕ら成る、など。)
  (重要なのは、われわれの認識的または制御的、あるいは認識的かつ制御的な、諸『要因』である。)

  An organism which belongs to new species [= which is or was identified by a human(s) as a new species] is emerged [= produced or "re"-produced. (""は、それらで挟まれた語の強調を示す。)

 新しい種システムが確立した、または、確立された。
  A new species system was established.

 自然界において、様々な種類の生きている、ないし、生きていない物体が存在すると仮定すれば、或るシステムは、それが出現する、または、成立するまでの環境下(の諸条件=人の認識的カテゴリーでの表現)のもとで出現または成立する(とりわけそれにとっての環境諸条件のもとで。ただし、認識するのは人であり、人生物体の知覚や認識と他の生物体の知覚や認識は異なるところに、大きな問題がある。といっても、様々な手段で推定するほかない)。
 いかなる主体についても環境を仮定し(公準)、それを明示することにすれば、
  新システムは、その環境下で成立した。
  A new system has been established in its environment.
となる。こう表現した場合の問題点は、すでに述べた、人による認識的問題以外には、
  1. 世界は動態的かつ相互作用的であることが、明示されていないこと
である。

 世界は動態的かつ相互作用的であるそうであるかどうかという言い方にも、根本的な問題がある。ここで動態的dynamicというのは、力学的(dynamic or mechanical?)といった相互作用的なことを意味しておらず、時間的な展開ということである。しかし、ここにもまさに根本的な問題があるとみなすことができる。
 すなわち、時間という認識枠組み(ここでは、時間は実在物ではないものとする)が認識枠組みとして成立するのは、あるいはそのようにみなし得るのは、そもそも相対的に独立した物体間で相互作用が存在する(あるいは実在する)からではないか、という疑問である。
 結局われわれが見て取るのは、物体の存在それら物体の運動(空間配置の変異[ここで、変化いう語は時間的意味合いを持つので、使ってはいけない])である。

 (また脇道、しかし根本的問題へと逸れた……)

 ここで、いわば慣性の法則みたいなものを仮定することにする。すなわち、その命題は説明を要しないもの、つまり公準である。
 (しかしおそらく、生命の本質または生命の活動を熟慮または洞察すれば、生命形態は(個別物として)変転するものであり、そのような結果をもたらすものとしての生命(活動をもたらす(諸)エネルギー)は、必要が無くても、というか、必要性とは関わりなく(ただし生命形態としては何らかの程度に必然的に(→自由度の定義)、新システムを出現させるもの(=力)であるから、この公準は捨て去ることになるだろう。)

  必要が無い限り、新システムは出現しない。
  New systems do not emerge as long as unneccessary. 〔英作には自信が無い〕
  No necessity, no new systems.

 これまた、いくつかの注釈が必要であることは言うまでもない。まず、必要とはどういう意味か。たとえばその必要とは、だれにとってか、である。または、どのような種類と程度のもので、その必要性の結果、どのような種類(たとえば生物種)と程度(たとえば指標として個体数や生体量)のものが出現するのか、である。

 すると、飛躍するが、生物体とはいかなるシステムであるのか、その本質的性質が問題である。むろん、ここでも、その種類を分類してからでないと、共通性が抽出できない。われわれが見るのは、個々の生物体であるが、なんらかの共通性または一般性を見て取るには、まずはそれらを分類することである。つまり、或るカテゴリーに同定することとは、(一つには)或る一つ以上の性質を問題として、その他の性質は(さしあたって)問題としないことである。

 [またの機会に……。To be continued ...... .]


Lo/vtrup: 進化についての4つの理論

2010年09月08日 02時09分57秒 | 生命生物生活哲学
2010年9月8日-1
Lo/vtrup: 進化についての4つの理論


 Lo/vtrup (1982a)の主張によれば、進化を説明するには、四つの理論が必要である。すなわち、

  1. 進化の実在性を扱う理論
  2. 進化の歴史を扱う理論 [ラマルクの第二進化理論]
  3. 進化の機構〔メカニズム〕を扱う理論1:後成的理論
  4. 進化の機構〔メカニズム〕を扱う理論2:生態的理論

である。
 進化プロセスは、生きている生物体から成るタクサの創造と生存を伴うから、進化機構〔メカニズム〕は根本的に異なる二つの事象を含む。つまり、

  1. 後成的現象:様々な種類の革新を通じた、生物体の相次ぐ創造
  2. 生態的現象:そのような生物体の生存〔生残〕

である。したがって、メカニズムを扱う理論とは、後成的理論 epigenetic theory と生態的理論 ecological thoeryである。

 
[L]
Lo/vtrup, S. 1978. On von Baerian and Haekelian recapitulation. Systematic Zoology 27: 348-352.

Lo/vtrup, S. 1979. The evolutionary species - fact or fiction? Systematic Zoology 28: 386-392.

Lo/vtrup, S. 1982a. The four theories of evolution I. The theories on the reality and on the history of evolution. Rivista di Biologia 75: 53-60. [R831018l]

Lo/vtrup, S. 1982b. The four theories of evolution II. The epigenetic theory. Rivista di Biologia 75: 231-255. [R831018l]

Lo/vtrup, S. 1982c. The four theories of evolution III. The ecological theory. Rivista di Biologia 75: 385-398. [R831018l]


武田邦彦氏講演「私たちが未来の子どもたちに残せる環境とは」

2010年09月07日 02時49分04秒 | 生命生物生活哲学
2010年9月7日-1
武田邦彦氏講演「私たちが未来の子どもたちに残せる環境とは」

 2010年9月3日(金) 15:30-17:10?。武田邦彦氏講演「私たちが未来の子どもたちに残せる環境とは」/ホテル日航ノースランド帯広 2Fホール/入場無料、要整理券。

 武田邦彦氏が書いた「愛用品の五原則」という文が、高等学校国語科用「新編現代文」(第一学習社)の32-38頁に掲載されたものの光複写物が渡された。
 講演での話題の主なものは次の通り。
  リサイクル
   分別
   ゴミ袋
    環境アドヴァイザーをしている名古屋市は来年4月から分別を止める
    〔CDやボールペンなどの容器包装以外のプラスチック製品を不燃ごみから可燃ごみに分別を変更する。食品トレーやレジ袋、カップめんの器などの容器包装は今まで通り、資源としてリサイクルする
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20100904/CK2010090402000101.html〕

  地球温暖化はウソ
   マスコミはウソが多い
   日本だけが削減
   二酸化炭素
    風呂場との比喩(湯舟と空気)
   IPCCクライメート事件
   北極海の氷と海面上昇
   南極
   ホッキョクグマ
   ツバルの領土面積は40年前から5%増えている
  ダイオキシンは無害
   1996年、所沢など
   反って、それで中絶した人60人はいる
  熱中症死
   クーラーをつけよ

 走書きの判読がほとんができない(→後に判読できる文字だけを書くこと)。

http://kagaribi-gifu.cocolog-nifty.com/2005/2008/10/post-f844.html
に、おそらく2008年10月に行なわれた「四日市「エコまつり」 枝廣 淳子さんと武田教授のディスカッション」の記録が載っている。
 枝廣氏は、
http://kagaribi-gifu.cocolog-nifty.com/2005/2008/10/post-f844.html
では、「たとえば「レジ袋を使わないことで、直接どれぐらいCO2が減るわけ?」というのが直接影響ですね。「リサイクルすることで、どれくらい資源の消費が減るわけ?」というのが……〔間接影響、らしい〕」と述べると、武田氏は増えると言い、枝廣氏は「減ると思っていますが、確かに、増える場面もあるでしょう」と言う。
 精確な見積もり計算はできないのたろうか?

美術修行2010年9月3日(金)

2010年09月06日 15時11分03秒 | 美術/絵画
2010年9月6日-5
美術修行2010年9月3日(金)

 第26回繭の会展/帯広市民ギャラリーB1、B2。
 様々な素材を試しておしゃれな作品を作る宮澤克忠氏が指導する会の28+1人による出品である。紙粘土だろうか、を使って盛り上げた、多くの人の作品が並ぶ一角があったりする。
 宮澤克忠氏の作品は、いくつかの大きさの透明アクリル板を2~3枚重ねたもの。わたしは、このような明るい色使いが好きである。ところで、この透明板の配置は、どう分析あるいは層設定するか? 百貨店では、作品の保護のために、(側方だけでなく)前面を透明アクリル板で囲った展示をしている場合がある。この透明アクリル板の効果はどうなるのか。
 穴井亜紀子作品は、平原社展と同じものだと思うが、片面ダンボールなどをうまく張っていて、美しい。色を黒とか赤を基調にしているからだろう。
 
 時間が迫る。今日、場所を迷いつつも整理券を入手した、武田邦彦「私たちが未来の子供たちに残せる環境とは」の講演会場へと急ぐ。


書評とはなんだろう?/分類

2010年09月06日 13時37分09秒 | 生命生物生活哲学
2010年9月6日-4
書評とはなんだろう?/分類

 書評も様々で、軽く読めるものから難解なものまである。

  頁数が: 1頁←→無限頁
   (数行未満のものも、1頁に含める)

  字面的に:読みやすい←→読みにくい

  論理展開が: 非妥当←→妥当

  理解が: 容易←→困難

  など、など、

 「[書評]その科学が成功を決める(リチャード・ワイズマン)」
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2010/03/post-9afb.html
は、興味深い。
 ところで、その訳本から引用している文の、「人種偏見をもつ人々が集まると、個人でいるとき以上に人種問題について極端な決定を下すようになる」での「以上に」は、原文はmore(かover)で「よりも」ではないかと思う。

 「集団は暴走する」。わたしのような(たとえば座標軸設定探索のために)極端思考好きは、個人でも暴走するだろうから、自戒しなければ。


[W]
*ワイズマン,リチャード.(木村博江訳 2010.1)その科学が成功を決める.300pp〔Amazonの240頁は間違いのようだ〕.文藝春秋.[y1,700] [Oc159]