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小樽市総合博物館の続きです。まだ見る車両があるんですよ。
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レンガ積みの扇形機関庫。これも相応に古い建物だったはず。
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博物館のアイドル、アイアンホース号。動態保存されている蒸気機関車で、館内の線路を往復してます。今日はもう一日の運行を終えて入庫しています。
アイアンホースについては次回にて詳しく。
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キ600形キ601ロータリー式除雪車
前方に付いた巨大な回転翼で雪を吹き飛ばすタイプの除雪車です。キ601はアメリカのアルコ社で1923年に作ったものを輸入したアメ車なのです。
全部で十数台造られましたが、アルコから輸入したのは最初の2台だけで、残りは構造を丸パクリして国内製造にしました。アルコもよくブチキレなかったな。
雪を吹き飛ばすような巨大な動力は蒸気機関により生み出されます。なのでこの車両には蒸気機関のボイラーがまるっと乗っかっています。この写真は後ろ側ですが、ボイラーの火室やら燃料投入口なんかが分かると思います。屋根が見られれば煙突があるのも分かるそうな。さらに本来は水と燃料を入れておく炭水車も連結されます。
ただし動力は全て回転翼を動かすのに振っているので自走は出来ませぬ。後ろから機関車に押されながら走ります。
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キ800形キ800マックレー式除雪車
線路の左右に溜まった雪を崩すための除雪車。写真の向きから見た場合(これは後ろ側から見た向き)、V字形に雪かきする羽が展開して、雪を線路に掻き込みます。線路上に寄せられた雪は後ろを走るキ600みたいなロータリー式除雪車によって遠くへ飛ばされ除雪完了となるのです。
これも無動力なので前に連結した機関車に引っ張ってもらいます。このマックレーとロータリーを組み合わせた除雪方法をキマロキ編成と呼んどりました。車両の連結順になっていて、キは機関車、マはマックレー、ロはロータリーですね。名寄に行けばこの形態で保存展示されている車両を見ることが出来ます。一度行ってみたい。
ロータリー式と次に出てくるジョルダン式はアメリカ製のをコピーして国内製造したんですが、マックレー式はカナダの技術を参考にしつつも独自開発したやつです。というか北米にはマックレー式って無いらしいですね。
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キ700形キ718,キ752ジョルダン式除雪車
操車場や駅の留置線など線路が何本も敷いてあるようなところを除雪するための車両です。幅広の羽を持つので何本もの線路を一度に除雪できるのだ。
ちなみにこの窓の付いている方が前側です。羽の付いてるほうが後ろ側。右と左で先頭の顔つきが違いますが、左のキ752は仕様変更が加えられた改良型の750番台なんだそうな。
なおこれもまずアメリカ製を輸入してそれをコピーして国内生産したもの。
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こっちがキ718。細っい!
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ト形30号/7150号
30号は北海道炭礦鉄道時代の、7150号は国有化後の名前です。さらに大勝号の和名もあります。お好きな方でどうぞ。
これまで輸入に頼っていた日本の蒸気機関車において、2番目に国内製造された蒸気機関車です。第1号は神戸で造られた860らしい。
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狭いところに置かれているんで全景を撮るのは無理。
国内製造した蒸気機関車ですが、これも輸入機のコピーです。さっき見たしづか号こと7100形を参考にしています。
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煙突とか細かいところは違いますが、基本的には7100形の同様です。
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キャブ内もそっくりです。
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キハ03形キハ03-1
1956年製のレールバスこと小型気動車です。キハ01形の派生型で、耐寒耐雪構造を施した北海道専用車。ちなみに製造は当時まだ駆け出しの東急車輛。
全長10mちょっとの車体で、エンジンはバス用のディーゼルエンジンを転用、他にも各所にバス用部品を流用しています。80年代に富士重工が開発したレールバスLE-Carよりもだいぶ早く開発されていたのです。
ローカル線輸送の収益改善の切り札として投入されましたが、小型すぎて汎用性に欠けることが露呈。通勤ラッシュ時には収容力が足りなくなるし、複数台連結時の総括制御運転は出来ないし、トイレもない、座席も狭い...等々。
おまけに耐用年数も低かったので、寿命が来た段階でソッコーで廃車になってしまい、10年ちょっとの短命に終わりました。
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キ550形キ1567ラッセル式除雪車
除雪車の中でも一般的な種類です。正面に雪かきする排雪板を付けて線路上の雪をどかすのだ。
キ550は複線用のラッセル車で、隣の線路に雪が溜まらないように排雪板が片側の向きにだけ取り付けられているのです。
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キ100形キ270
こっちはよく見る単線用のラッセル車です。排雪板が楔形になっているのです。
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DD14形323号機
ほぼ除雪専用のディーゼル機関車。アメロコみたいな外観がステキ。
ロータリー式のヘッドを装着できて、蒸気機関車時代にキマロキ編成を用いて除雪していたのがこれ1機で済むようになったのです。
雪が降らない季節は用無しになってしまうんですが、そうならないように雪かきのヘッドは外して入換機程度には使えるようになっています。
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通称ザリガニの愛称で知られるロータリーヘッド。雪の巻き込みと遠方投射を同時に行えるのだ。
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機関車とロータリーヘッドの連結部。
灰色の棒状のものが羽に動力を伝えるプロペラシャフトです。たぶん。
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後ろ側。たまにこっち側の写真をバーンと載せていることがありますが、蒸気機関車の炭水車を正面だと思って撮っているようなもので。
まあボンネットがドカンとあるこっちの方が迫力あるんで分からんでもないですが。
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DD15形37号機
DD13を除雪用機関車に再設計したやつです。ラッセル式の雪かきを取り付けられるようになっています。従来の専用の除雪車を使うよりも方向転換や機回しが不要になるので効率的に運用できるのがウリでした。
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機関車本体はDD13とほとんど同じです。
今日はここまで。