黒鉄重工

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バンクーバーの保存鉄道の旅 その4【2016/5/21】

2020-06-11 23:44:53 | 旅行・イベント記
フレーザーバレー保存鉄道の車庫を見学中ですが、ここで1225号の列車の2便目が駅に戻ってくる時間になったので、見学を一時中断して到着を出迎えることに。


クローバーデール駅(Cloverdale)に到着する1225号。クローバーデール駅はBCER時代に実際に存在した駅です。ただし駅舎は復元で、建っている場所も現役時代とは異なっています。


インターアーバンいいですねぇ。
意外と側窓の天地が大きいのですね。というか側面はほぼ窓しか無いじゃんっていう。

1225号は1913年製造、1958年2月末廃車。廃車後はカリフォルニア州のオレンジエンパイア鉄道博物館で保存。ここ、2ヶ月前に行った博物館です。インターアーバンの保存に自信ニキなので、その関係で取得したんでしょうかね。
で、2005年にバンクーバーへ里帰りして動態保存されています。


手前に咲いている花✿。


前回見た1207号。1225号とは細かいところが異なります。



こっちは架台に乗っかっている1304号。これも1225号とも1207号とも違う車体です。個体差多い・・・。
1304号は1911年自社工場製。1945年9月に走行中に火災に遭って車体を焼失。しかし1946年1月に車体を再製作して復活したそうな。(自称)北米で最後に製作された木造インターアーバンという称号を持っています。
1955年に廃車後、オレゴン州の保存鉄道に払い下げられまして、2012年に里帰りしてきたそうな。目下復元作業中です。


架台は人が入り込める高さがあって、台枠の補修ができるようになっています。つよい。


工具がたくさん。
壁に貼ってある看板は保存鉄道のスポンサーとか寄付者とかの名前が書かれています。安全綱領みたいなのは見当たりませんでした。


1304号も車内に入れます。
デッキには車内の電気暖房のスイッチがありにけり。


車内はがらんどうでした。


がらんどう。


電車3台分格納できる車庫。天井もたっぷりありますよ。


ここにも作業台。ちなみにこんなところでマキタ(Makita Canada)の名前を見ることになるとは思わなかったです。


架台もありますが、車体を補修するための足場も組まれているという。


車体外観の復元はほぼ終わっている感じ。あとは細かい表記類を書き込めば・・・というところだと思います。


1207号を正面から。なお、弊サークル同人誌の表紙です。



アップの写真。


外には1304号が履いていただろう台車が分解された状態で転がっていました。これも整備中のようです。


電動台車の車輪。


相方の台車。電動機が外された状態です。親近感ある~。


台車の上面を見ることもそうないですよ。


トラックモバイル(Trackmobile)という軌陸車ですが、ちょっと変わった車種。


道路用車輪と軌道用車輪が垂直に配置されているので道路と軌道では進行方向が90度変わるのだ。


後ろにはアントみたいな小型モーターカーと腕木式信号機がトレーラーに乗っかっていました。


インターアーバン電車と電気機関車に使われていた電動機。電車と機関車で同じ型式を使っていたのですね。歯車比で性能に差をつけていたのかも。しかしこんな地面に直置きして大丈夫でしょうか?


これもスピーダーです。後ろには手作りの客車も。


これにお客を乗せて走らせることもあります。線路の先は、1225号が走る線路へと繋がっています。本線へ接続するまでの引込線内くらいまでは走るんじゃないでしょうか?知らんけど。


1225号の3便目が出発したのを確認したら、ここから撤収します。
大変気に入ったので僅かばかりですが募金箱へお金を寄付していきました。


フレーザーバレー保存鉄道は想像以上の中身の濃さを持つ保存会でした。蒸気機関車の保存鉄道は数あれどインターアーバンという北米が発祥の鉄道形態を今に伝える保存鉄道は相対的に少ないです。蒸気機関車の方が衆目を集めやすく、転じて運営資金が調達しやすいという構図は、北米でも同様のようです。
インターアーバンに乗車出来るのはもちろん、復元作業の現場を間近で見られるのも特徴でしょう。車庫の中まで入れてくれるというのは一般的ではないです。

フレーザーバレー保存鉄道はバンクーバーのダウンタウンから日帰りで訪れることの出来る保存鉄道です。トランスリンクの路線バスでも無理なく行くことができます。もちろん駐車場完備なので自家用車やレンタカーでもOK。大都市近郊にこれだけの保存鉄道があるのは貴重なので、ぜひ行ってみてください。

というところで今日はここまで。