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2016年6月16日(木)12時12分
オンタリオ州マウントホープ カナダ軍用機歴史博物館
カナダ軍用機歴史博物館の続きです。格納庫内の収蔵機は回り終えたので、次は外に展示されている収蔵機を見ようと思います。
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これはさっきドナドナされていたDC-3(C-47)。第二次世界大戦時に製造されてカナダ空軍で使われたのち民間放出されて民間航空会社を何社か渡り歩いた後1981年に当館に寄贈されました。飛行時間は82,000時間以上で、現存するDC-3の中では最も長い飛行時間記録を持っているんだそうな。
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アブロ・アンソンMk.V(1935年初飛行)です。輸送から偵察から練習から色々な用途に使われた多目的な双発機です。あだ名はアニー。イギリスで開発された機体ですがカナダでも生産されました。その数約11,000機で、実はチーム1万機軍団の一員です。そのうちカナダ製は約3,000機。
Mk.Vは航法訓練用の練習機です。カナダ製ですね。Mk.Vの胴体は、戦時中の鋼材不足を補うために合板で出来た木製飛行機です。戦時中に生産された他のアンソンも木造で、これらはビダール・アンソンを呼ばれてました。それでも1,000機以上生産されました。
潰しの効く機体だったので第二次世界大戦後もカナダ空軍で運用されて1954年に退役しました。
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この個体は1944年製で、写真撮影用に使われいたんだそうな。1940年代後半に退役して民間に払い下げられ、1956年鉱山会社が買い取って1980年代まで鉱物調査に使いました。
現在の展示では、第二次世界大戦中の航法訓練機仕様に仕上げられています。
黄色が薄い気がしますけどこんなものなのかしら。
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デ・ハビランド・カナダDHC-5Aバッファロー(1964年初飛行)。軍用の軽輸送機で、短距離離陸性能に優れた前線で使いやすい輸送機です。前作DHC-4カリブーの発展型で、エンジンをレシプロからターボプロップに強化したものと捉えれば概ね大丈夫と思います。
1963年、アメリカ陸軍の要求から開発された機体です。アメリカ陸軍は元々DHC-4をAC-1として運用していて、それの性能向上型(積載量5.4t)としてまず4機の試作機が製作されました。しかし、DHC-4時代には有用だったSTOL輸送機も、より大型な機体が同等のSTOL性能を有してきたのと輸送ヘリコプターの大型化で中途半端に見えるようになりました。
あとは、DHC-4とDHC-5は陸軍の所有する機体ですが、1966年に固定翼機は全部空軍の管轄という線引が設けられたことでこの2機種も空軍機に移管されます。それにより余計に扱いにくい機体になってしまったのではないでしょうか。アメリカ軍内のこうして方針転換の影響でDHC-5の本採用は消えてしまいました。
ところが捨てる神あれば拾う神ありで、1964年カナダ空軍がDHC-5を15機発注しました。デ・ハビランド・カナダ社の救済目的が多少はあったんじゃないかと思います。カナダ空軍ではCC-115と命名しました。あだ名はバフ。
はじめは空挺部隊や物資投下の訓練、多目的輸送などに使われて、後に黄色い塗装がよく目立つ救難救助任務を主体とする部隊へ配属されて現在に至ります。STOL性能を活かして田舎の飛行場でも運用できるので救難救助には適しているみたいです。しかし運用開始から50年以上経過しいい加減老朽化してきたみたいで、2022年1月にコモックスにいる最後の機体が最終飛行を終えて退役しました。後継機はCC-295キングフィッシャーです。295でピンときた人はすごいですが、ベース機はEADS CASA C-295です。
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CC-115のもうひとつの役割が国連の平和維持活動です。白無垢に国連のマーキングをした機体が中東に派遣されて、カイロ、ベイルート、ダマスカスの間を飛行していました。1974年にはシリアを飛行中に撃墜されて乗員全員が戦死する痛ましい事件もありました。
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この個体は1978年製で、スーダン空軍に納品された機体です。DHC-5はカナダ空軍が採用後に中小国を中心に受注を伸ばし、最終的に126機を製造しました。アメリカ軍の需要には合いませんでしたが、他の国の潜在需要を掘り起こして成功を収めたのです。
2003年に民間会社を通じて収蔵し、CC-115の国連仕様に復元しました。機体番号#115461は、シリアで撃墜された機体と同じで、その時の乗員はもちろん当時の平和維持活動に従事した全てのカナダ軍人に捧げられたものです。
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DHC-4とDHC-5はその開発経緯からよく似ていますが、見分けるポイントは意外と簡単。尾翼がT字翼になっている方がDHC-5です。DHC-4は普通の尾翼。
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これは機内に入ることが出来ました。電車よりも狭いかな。
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操縦室にはバッファローくんががが。
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操縦席はこんな感じ。
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ロッキードC-130以降に開発された輸送機ですので、胴体後部が開いてカーゴランプになる、輸送機の正解の設計です。
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PBYカタリナの胴体ですね。詳細不明。レストア待ちなのかも。
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カナディアCF-5Aフリーダムファイター(1968年初飛行)。御存知はやいうまいやすいでおなじみノースロップF-5です。黒鉄重工推し戦闘機のひとつ。カナダ空軍での正式名はCF-116ですが、これは誰も使っていない説・・・。
西側中小国にばら撒くための戦闘機ですが、カナダ空軍でもF-86の後継機として単座型89機複座型46機を採用しました。その時にカナディアがライセンス生産をして、エンジンはオレンダがGEのJ85をライセンス生産しました。
ノースロップ製のオリジナルと比較して設計変更を加えられた箇所がありにけり。例えば前脚は高さを2段階に調整できて、高い位置では迎え角を取ることで離陸滑走距離を短くする効果があります。他にも空中給油プローブや空気取入口の追加などがあります。
このカナディア製のCF-5は自国向けだけでなくオランダへの輸出もされ、合計240機が製造されました。
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戦闘機ですからもちろん戦闘機として自国内以外にも欧州へも展開していたんだそうな。あとは、軽快な機動力を生かした戦闘訓練での敵役にも使っていたそうな。
この個体の塗装もアグレッサー機のそれです。だいぶ色あせちゃってるみたいですが、CF-18と同じ色の塗料を使っているような気もします。
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エリアルールのお手本みたいな機体形状を見よ。
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この個体は1970年製で、コールドレイク基地第434飛行隊に配属されました。1989年に退役して、トレントン基地のカナダ空軍記念館に展示されました。その後1996年に当館に収蔵されました。
ちなみに、退役したCF-5の一部はボツワナ共和国やベネズエラに売却されてそこの戦闘機として第二の人生を送っています。両国ともまだ使っているよという噂もありますが果たして・・・。
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正面から。
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車高調できる前脚ですが、このときの展示では高さの低い方の位置だったと思います。
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というところで今日はここまで。
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