今回はまた骨董品キットを作ろうと思います。エルエスのキ109です。
キ109というのは、四式重爆撃機飛龍の機首に75mm高射砲を装備した試作戦闘機(!)で、アメリカのB-29爆撃機の迎撃用として開発されたものです。ビックリドッキリメカ枠だと思います。
キットは、今はなきエルエス製のものです。カナダに住んでいた頃、模型屋で見つけたのを買いました。よく今までの間残っていたものですね。
エルエスの製品はマイクロエースが引き継いでいて、今でもたまに再販されることがあります。
お値段19.22CADなり。PKGはどうやら輸出用らしく、英文が散見されます。
なお、1/72と表記されとりますが開発当時は1/75として開発されたものです。後に1/72が主流となって1/75は表記だけちゃっかり1/72に差し替えられたのです。
機体説明書きが英語なんですよね。マブチモーターも付属しているみたいな書き方ですが、これは入っていませんでした。
中身です。金型は1966(昭和41)年に作られたと見られます。現代の目で見ると大味さはありますが、凹彫刻によるリベットが全体に彫刻されているなど、目を見張る部分もあります。表面もきれいなものです。
おまけ部品として、胴体とエンジンカウルが透明の成形品もありました。エンジンや胴体内も再現されたキットなので、透かしてみてほしいということです。迷った末にこれは使わないでとっておくことにしました。
このキットがいつのロットなのかは定かではありませんが、何十年も前に作られたのは確かです。付属のデカールはもうお亡くなり状態でした。
そこで代替のデカールを探すことに。キ109のデカールだけの製品なんてあるんかいな・・・と思っていたところ、ありました。MYKデザインの「三菱 キ67 四式重爆撃機 飛龍 「派生型」」というのにキ109のデカールを収録しています。
デカールを手に入れたところで製作開始です。
組立図も英語です。
機内は青竹色で塗ります。胴体はキ109専用品を使っています。
人形が人数分付いています。爆撃機は機内がよく見えますから、人形がいる場合は面倒がらずに塗ってあげると最後完成した時に完成度が上がりますぜ。
人形は半分溶けたみたいな形状です。木型の原型に合わせて金型を彫っていた時代です。
4人塗りました。左から二郎(仮名)、洋一(仮名)、秀光(仮名)、貞男(仮名)です。
機首には操縦士(秀光)、75mm砲砲手(貞男)、航法士(二郎)が座ります。機首左舷は75mm砲が収まるよう床が一部くり抜かれた専用の部品を使って再現しています。
尾部には機銃座の洋一を置きます。しかし機銃座には椅子がないので、洋一は空気椅子の刑に処されてしまうのだった・・・。
主翼の裏に彫られた1966とエルエスマーク。1966というのは、1966年製の金型のことだと思いますが、1966個目の金型という可能性も微粒子レベルでありますゆえ。
マイクロエース版の製作記なんかを見るとバリ処理が大変というのを拝見しますが、これはエルエス時代のロットでまだ金型が傷んでいないのでしょう、そういうものは見当たりませんでした。
当時のプラモデルは遊び心というものもあり、補助翼とフラップが可動するようになっています。フラップはちゃんと引き出して動かすことができます。これを殺すのはもったいないので、可動するように組み立てました。
主翼の中央部にある大きい円は、日の丸のことだと思います。初期ロットはデカールが無かった?
エンジンは空冷18気筒のハ42を再現しています。たぶん、マブチモーターを仕込んでプロペラを回すことができたんだと思います。
んじゃあ、塗装します。
塗装と組み立てを終えました。キ109というとまだら模様が有名ですが、面倒くささが勝って普通の濃緑色塗装にしました。
デカールは最新のものにして正解でした。デカールの良し悪しで機体の引き締まり方が変わりますからね。
試作機かつ本土決戦用に温存されてついに実戦投入されなかった機体なので、汚しは控えめにしました。
フラップと補助翼は下げ状態ですが、気分によって動かすことができるのだ。
主翼と胴体に張り巡らされたリベット彫刻にも注目。1/72縮尺にしては点の大きさがややオーバースケール気味なのですが、凸彫刻が多かった当時の金型としては先進的だったのではないでしょうか?
昔より伝わる名作キットを作ることができて満足できました。プラモデルは作ってなんぼですねえ。
完成品はギャラリーにて。それでは。
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