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記念艦HMCSハイダの続きです。
また甲板上に出て艦首へ向けて進みます。
ちなみに観光地としてはガラガラな方で、見学に来た時は自分の他に数組のカナダ人がいるくらいなものでした。国の史跡に登録されているのでそう易易と取り潰されたりはしないでしょうけど、アメリカの空母や戦艦の記念艦と比べるとやっぱり寂しいところです。
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艦首まできました。甲板の滑り止め模様はやけに大きくて、これならウォーターラインにしてもあまりオーバースケールとはならなさそうです。
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艦首から後ろを振り返れば、主砲が背負式で2基配置されていて、その後ろに艦橋があります。いい眺めですな。
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前方2つの主砲はMk XVI(16) 4インチ連装高角砲(QF 4-inch naval gun Mk XVI)です。
この主砲は近代化改修時に載せられたもので、建造当初は4.7インチ砲を装備していました。しかしこれは仰角が-10度~40度までで航空機には対応できませんでした。そこでこの4インチ連装高角砲に交換されたわけです。
主砲の前方には鋼鉄製の防盾がありますが後ろはキャンバスだけです。主砲の発射は電動式でしたが、弾の装填は人力でした。
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蓋がされてますが、ここが装填口ですね。
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横から。結構メカメカしいのよ。艦載の主砲の内側をまじまじと見たのはこれが初めてかもしれません。
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ガンマウントとか。
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再び船内へ。これは第2主砲の砲塔でしょうな。
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これは主砲の揚弾機ですな。下層にある弾薬庫から上層の主砲へ弾薬を垂直移動させる機械です。・・・といっても詳しい説明が見当たらなかったので、原理や機構はよく分からないんですけども。
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エンジンテレグラフに似ていますが、揚弾機のテレグラフですね。これで弾薬庫に指示を出すと思われ。
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上級下士官の生活空間です。3段寝台ですがハンモックよりはマシです。
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同じく上級下士官の居間です。
最上級の下士官は操舵士や一等航海士たちだそうな。下士官、士官、将官の待遇差というか格差はアメリカ艦をいくつか見てきた中で感じてきましたが、下士官の中でも上の方と下の方では格差があるんですね。これは初めて知る知見でした。これはイギリス式の格差なのかしらね。
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彼らのための簡易的な台所です。これで冷たい食事も暖かくして食べることが出来ます。
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機関室、ボイラー室の運転保守を担当する上級兵の住まいです。彼らも普通の下士官と区別されていたみたいです。何か手に職つけている人は違うんだねえ。
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この暗ぼったい部屋は作戦室です。2つの机があって、片方は自艦とその他全ての艦船と潜水艦の動きを記載するためのもので、もう片方は自艦のいる海域の航空機を追跡するためのものです。どっちがどっちなのか分かりませんでしたけど。
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艦長室です。自艦が洋上にいる時はここで生活します。艦橋や作戦室にも近いので便利です。反対側には舷窓もあります。ただし駆逐艦の艦長なのであんまり凝った作りではないんですね。それでも自艦が港にいるとき用の部屋が艦長には用意されています。
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はしごを登ってまた外へ出ます。
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外へ出たらそこは艦橋でした。・・・屋根がないんですか?まじで?さすがにキャンバスは張れると思いますけど、駆逐艦だと屋根ないんですね。
艦橋の役割は指揮、制御、連絡でございます。艦の行動は全部艦長か当直航海士、航法士官を通じて管理、許可、命令されていました。
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いろいろな機械がありにけり。あのドーム状の真鍮の機械はなんだっけかな・・・。前にも見たことあったと思うけど。
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これも分かりません・・・。
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火器管制的な何かだと思います。
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上を見ればマストの先端にレーダーです。これはAN/SPS-6C対空レーダーです。このレーダーは1948年にアメリカ海軍で開発された物で、アメリカの友好国にも輸出されました。近代化改修後のHMCSハイダにも搭載されました。
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これは文字が彫られていたので辛うじてわかりましたが、魚雷の発射指示器のようです。魚雷発射管1番から4番までのスイッチがあります。大砲は艦内の火器管制室からの指示で砲撃しますが、魚雷は目視なのかしらん。
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角度が分かる的なやつ?
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これは信号旗を収納しておく箱ですね。
以上、分かっていそうで分からないことだらけだった艦橋でした。
というところで今日はここまで。
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