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東海project 2 ~with Noritetsu☆Tabi Kippu. その11【2018/6/9~10】

2022-09-13 06:07:21 | 鉄道撮影記
近江鉄道の「ガチャコンまつり2018」の続きです。前回は電気機関車を紹介しましたが今回は電車などそれ以外の車両を見ていきます。
こちらは近江鉄道の主力電車800系です。中でもこれは同社の鉄道むすめ「豊郷あかね」の絵が貼り出された807Fです。通常の黄色塗装の上に豊郷あかねの絵や☆マークを散りばめて貼っているので、そんなにどぎつくない印象。


大きく貼り出された豊郷あかね嬢。ビール列車の立ち絵なので、駅員なのか給仕なのか分からんです。やっぱり伊能津画がいいですな~。
実際にビール列車が走る時はこの807Fが専属で運用に就くみたいですよ。だからこの画なんですね。


800系は車両の大型化と冷房化を目的に中古の西武401系を導入したものです。自社向けに改造した上で1999(平成11)年に登場しています。特に前面は先に登場した220形を継承した独自の三面折妻になっています。


魔改造と車籍流用が特技の近江鉄道が体現した傑作、220形です!これは唯一の現役車226号です(2022年に引退済)。
近江鉄道の運行経費削減のために導入した軽快気動車が結果的には効果が薄かったことと車両が早々に寿命を迎えてきたので、それの更新用に1991(平成3)年~1996(平成8)年にかけて近江鉄道が自ら拵えた伝説の16m級単行電車です。
新車のような見た目ですが本質的には車体更新車両です。台枠は1940年代製の小田急1600形まで遡ることができると言われ、車体は西武701系の側面部材を台枠に合わせて切り継ぎ、前面は貫通型で額縁型の物(いわゆる近江顔)を自社で新規に製作。特に側面切り継ぎはまるで鉄道模型の改造だと言わしめるものでした。また走行機器は在来車や西武の中古をかき集めて流用しました。つまりこの見た目なのに吊り掛け駆動方式の電車です。でも台車は空気バネ装備のFS40。
一方で、製造にあたっては冷房化が命題の一つだったので、近江鉄道初の冷蔵装置を搭載しました。架線から得た1500V電気で直接稼働する珍しいやつだったそうな。たぶん冷房用の電源を置く場所が無かったんだと思いますが。またブレーキは、当時近江鉄道で主流だった自動空気ブレーキに替わって電気指令式ブレーキ(HRD-1)を採用。これは当時の大手私鉄に並ぶ新型装備でした。
戦前設計の古い機器と現代の新鋭機器を巧みに組み合わせた、まさにキメラ、魔改造と呼ぶに値する電車なのです。

気が付いたら営業運転からは撤退していたので、乗ることは叶わずともその姿だけでもひと目見ておきたい電車でした。どうやら展示物の扱いは受けていなかったですが、それでも見やすい位置に止まっていたので良かったです。
電車の後ろには砕石散布用ホッパー車を2台繋いでいます。旅客営業は終了しましたが、工事列車の牽引機など事業用としてはまだ使われていたのです。


乗客が乗る分には当時相応の接客設備だし単行電車で小回りも効いたので、近江鉄道の近代化に少なからず貢献しました。人は見かけによらないのだ。

カルト的人気を持つ220形ですが、意外なことにNゲージ化にはあまり恵まれていません。恐らく、一般の車両よりも車幅が狭いので特に動力ユニットの設計に苦慮するんだと思います。例えば100形の全幅は2,846mmありますが220形だと2,740mmと100mm狭いのです。既存の動力ユニットだと幅が干渉してしまうのかもしれません。16m級の車両は大方似たような狭幅な気もしますが。なお220形実車の全幅が狭いのは、流用した台枠の影響をモロに受けているんだと思われます。
唯一Nゲージで製品化しているのはあまぎモデリングイデアの金属キットですが、なんだか幅が広いように見えて、前面の印象が実車と異なって見えました。多分幅が・・・。しらんけど。


220形に繋がれている砕石散布ホッパ車のホキ11号とホキ13号です。12号もいるってこと?
国鉄のホキ800形っぽいしその譲渡車両だろうかねえ。


車庫の様子。
100形の左隣にいる長物車はチ11号(奥にチ12号)です。500系電車の車体を取っ払って台枠だけ残して長物車(レール輸送車)に改造したっていう近年稀に見るアレっぷり。昔の電車の台枠は貨車に改造しても耐えられる強度を持っていたので、かつては割と見られた改造らしいです。なお、種車の都合で台車は空気バネ装備のFS40形です。空気ばね台車の貨車って昔のコキ車でしか聞いたことないんだけど。


220形222号。奥の車番は分からない。これは見た感じ部品取りですかねえ。



820系の赤電塗装です。赤電は西武鉄道のが一般的ですが、近江鉄道などの西武系列の地方私鉄でも見られました。820系も西武車の中古なので似合いますわな。


改造待ちか部品取りで置いてあるんだと思う西武301系(モハ301-4)。


富士重工製モーターカーTMC200A形。製造番号No.60、1966(昭和41)年7月製造。今はもう使われていなさそう。


反対側はクレーン台か何かがありますよ。



転車台ですな。



ワ34号。隣にワ35号もいます。
有蓋貨車なわけですが、国鉄型のワムと比べると小ぶりな車体です。車籍は大正時代まで遡れるみたいで、車体はある時に鋼体化改造されています。
車体に黃帯が巻かれているということは、事業用として使われていたと思います。

500系501号。これも近江鉄道の名作で、車体を自社工場で12両分製作しました。登場は1969(昭和44)年で、当時の大手私鉄に比肩する外観をしています。なお、走行機器類は在来車や廃車発生品や中古の寄せ集め。知ってる。
800系により置き換えられて、この501号だけが保育園の遊具として残されました。前面には顔が描かれてキャラクターチックに。


ト50号です。見た目は長物車なのでチとするのが最適でしょうけど、よく見るとバタを撤去した痕があります。なので元々は無蓋車だったんでしょう。車輪をよく見ると松葉スポーク車輪を履いています。

これで彦根駅構内の車両は見終えました。電気機関車以外の保存車両の処遇はよく分かりませんが、501号は2019(令和元)年に解体済みです。他の貨車等も解体されていると思いますが・・・。
今更残念がっても仕方ないのですがやっぱり解体するには惜しい車両ばかりでしたな。


次は物販です。豊郷あかね専用スペースがありにけり。鉄道むすめはキャラクターを起こしてもらった後にどれだけ露出させて利用させるかが肝心だと常々思っていますが、近江鉄道はその点豊郷あかねをよくこき使っていると思います。聖地巡礼アニメみたいなグッズ展開しています。


物販には行列ができていましたが、並び始めでお品書きの紙を渡されてそれに記入してから係に渡して購入するというもの。行列を早く捌くことができる方法で、オタク向け物販を分かっている人の仕業です。鉄道イベントで遭遇するとは思わなかった。


近江鉄道ミュージアムの建物の中も見てきました。イベント中なので全部は見れなかった記憶ですが。鉄道むすめのスタンプラリーのグッズがありました。現地に行かないと買えないやつですね。ここの中の人が集めてきたんでしょうかね。


豊郷あかねグッズ一覧。ご覧の通り多いんですよね。立ち絵が2枚だけ(表情差分なし)でこれだけ作るとはようやる。


何かしらの車輪。機関車の動輪だと思います。


会場の奥には例のアレが!あれは800系の前面部品です。ずっと工場の建物に立てかけられているんですが、この時もありました。特に鉄道模型をやる人たちからは1/1エコノミーキットの改造パーツなどと呼ばれています。
たぶん、破損復旧用の予備部品だと思いますが、なんで外に置いてあるんでしょ。エコノミーキットで余った前面パーツは工場のストラクチャーに置いてあってもええんやでというメッセージなのだと勝手に受け取っておきます。


これでガチャコンまつりからは撤収します。
この機会を見て電気機関車を見に来たわけですが、これが最初で最後の対面になってしまいました。一度見れただけでも上々でしょう。

というところで今日はここまで。

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