67camper's Blog

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女流ピアニストたち

2006-09-02 04:41:45 | jazz & vocal
Ladies Of Jazz/Mary Lou Williams & Barbara Carrroll
(Atlantic 1271)

 女流ピアニストではジャズシーンで最も活躍したのが、日本が誇る秋吉敏子氏ではないかと思います。彼女が、渡米した50年代中期、既に女流ピアニストとしてビッグ(まではいかないか?)ネームとなっておりこのようにアルバムが制作されていた事実を考えると、この2人がいかに注目の存在であったかが想像されます。

 A面を担当するバーバラ・キャロルはマサチューセッツの出身で、40年代にNYのジャズシーンに登場。当時のビバップスタイルを吸収し、バド・パウエルのコンセプトに根ざし女性的な感性を加味した自己のピアノスタイルを確立していきます。 彼女の代表作はRCAやVERVEにいくつかみられ、晩年はブルーノートにリーダーアルバムの録音がありますよね。この51年のセッションはベースにJoe Shulman, ドラムにHerb Wassermanを加えたトリオ演奏で、彼女としては2nd リーダーセッションにあたります。選曲も"My Funny Valentine", "Taking A Chance On Love", "You Took Advantage Of Me"や"Autumn In New York"等スタンダードを中心にバランスのとれたピアノを聴かせてくれるなかなかの好セッションですよ。確か元々は10インチで出たアルバムだと思うのですが・・・

 B面はメリー・ルー・ウィリアムスのトリオです。彼女は音楽的には、バーバラよりさらに古くそのデビューはおそらく30年代です。バド・パウエルやモンクとは友人関係にあったようですね。一時はヨーロッパに滞在していましたが50年代になり米ジャズシーンに復帰します。トリオはCarl Pruittのベース、シアリングとの共演で知られるBill Clarkをドラムに起用しています。演奏もオリジナルと"Surrey With The Fringe On Top", "From This Moment On", "'S Wonderful"等のスタンダードがバランスよく配され、トラディッショナルとバップの中間的スタイルのピアノを楽しめます。

 両者のカップリングですが、アトランティックのモノラルオリジナルと思います。greenのグラデーションのバックにFlower arrangementをあしらったカバーが粋ですよね。

追記:実を言うと自分はバーバラのマニアでもあります。ブログ仲間のbassclefさんから10インチのカバーが見たいとのコメントをいただきましたのでアップしますね。"Piano Panorama"と題される10インチです。録音は決して悪くないのですが、10インチの方はバックグラウンドノイズがおおいので聴くのはもっぱらこの12インチですね(笑)。



10インチのカバーもなかなか秀逸です。