Voce ainda nao ouviu nada!
/Sergio Mendes & Bossa Rio
(Philips P 632.701 L)
(Philips P 632.701 L)
久々にボッサでも聴いてみようと言う事で、今日はセルジオ・メンデスです。セルメンでは何と言ってもブラジル66のポップ路線が有名ですが、こう言ったハードなジャズ・サンバをその昔は得意としていました。アトランティックからでている“ビートオブブラジル”のブラジルオリジナル盤です。アレンジはやや路線が異なるとも思える巨匠ジョビンなのです。彼の曲が大きく取り上げられている所にもそれは現れています。
ボサリオセクステットと言えば、ジャズファンにはリオの景色が中央に配されているキャノンボールとの競演盤(62年録音)が有名ですよね。このアルバムではキャノンボールがフィーチャーされボサリオセクステットの影がやや薄い印象ですが、 この64年のアルバムでは”これぞブラジリアンジャズ!”とも言うべきハードな演奏が聴けますよ。何と言っても、2本のボントロ、ラウル・ジ・ソウザとエジ・マシエルの演奏がききものですね。資料が少なくソロはどちらが吹いている全くわかりませんが、丁度クルセイダーズのウェイン・ヘンダーソン風のボントロでなかなかアーシーで聴き応えがありますよ。アルゼンチン出身のテナー奏者、エクトル・コスティータの乾いたサウンドもGOODです。前述のように、デサフィナード、イパネマ、コルコバードと哀愁のテーマで知られるジョビンの名曲がやられていますが 演奏はビックリするほどハードでブラジリアンクルセイダーズの趣きです。
プィリップスのモノラル、オリジナルで中域が厚く良い録音です。ジャケはブラジリアン特有の薄い紙切れカバーですけどね・・・