67camper's Blog

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マジック・フルート

2006-09-04 00:36:58 | jazz & vocal
The Magic Flute Of Herbie Mann
(Verve MGV-8247)


 ジャズ界でのフルートの位置づけはどうだろう。決して人気がある楽器ではないがマルチリードプレーヤーはたくさん存在し、今日の主役ハービー・マンもそうですが合わせて他の木管楽器(テナーサックス、クラリネットなど)も演奏し、そういったマルチぶりをどのプレーヤーもセールスポイントとしていますよね。しかしながらハービー・マンはその中でもフルートをメイン楽器とした最初のプレーヤーと言えると思います。彼の言葉を借りると、他のどんなフルートプレーヤーからも影響を受けておらず帝王マイルスが彼にとってのアイドルだったと言うのが彼のパイオニアぶりを如実に表していると思います。晩年、bossaへの傾倒、ソウルフルなジャズロックへの傾倒で人気盤をリリースしますが、それ以前の純然たるジャズフルートが聴けるのはベツレヘム時代、ヴァーブ時代であろうと思います。

 本日のアルバムはヴァーブに録音された一枚で、彼のフルートを堪能できる好盤と思います。3つのセッションからなりますが、一つめはFrank DeVolのストリングスとJimmy Rowles(p), Buddy Clark(b), Howard Robert(g), Mel Lewis(ds)のリズムセクションで"Moonlight Serenade", "Stardust", "Body and Soul"等をアルトフルートでやっています。最もジャジーなセッションが上記リズムセクションからロバーツを除いたトリオがバッキングするものでここでの"St. Louis Blues"のタイトなリズムに乗ったフルートプレイは聞き物です。最後のセッションはLaurindo Almeidaのアレンジでギター、ベース、2ドラムスのバックで聴かせるもので"Frenesi"では後のボッサへの伏線を感じさせます。このメンバーでA-1にクレジットされる"Evolution Of Man(n)"でのプレイは美しい音色と激しい吹奏で彼のプレイの真骨頂でしょう!

 VerveのMGM、T字レーベルのモノラル盤です。