Marian McPartland at the Hickory House
(Capitol T574)
英国出身のマリアン・マクパートランドは、秋吉氏、ユタ・ヒップなどとともに本場アメリカへ海外から進出し、最も成功した女流ピアノプレイヤーであります。渡米したのが1946年とありますから、秋吉氏よりは少し前になりますね。女性らしいチャーミングでインチメイトなプレイからビート感のあるダイナミックなプレイまでオールマイティにこなす実力を兼ね備えたピアニストと言えると思います。数々の教育事業やライナーノートの執筆など評論でも有名ですよね。
50年代、ヒッコリーハウスでソロ、トリオフォーマットで活躍し、キャピトルに録音されたのが本アルバムです。ベースにはビル・クロウ、ドラムにジョー・モレロを擁してのすばらしいトリオ演奏が聴かれます。マリアンのダイナミックなピアノもさることながら、ビル・クロウの力強い乾いたピチカート、多彩なモレロのドラミングとどれをとっても素晴らしく、録音のよさもありモノカートリッジで力強いサウンドを提供してくれます。サイドAの"I Hear Music", "Tickle Toe"などのスウィンギーなプレイは涙ものですよ。他にも、"How Long Has This Been Going On", Lush Life", サイドBの"Mad About The Boy"や"Skylark"等のバラードプレイも選曲もよく申し分なしですね。
キャピトル、ターコイスラベルのオリジナル、モノ盤です。中域の厚い録音で、DL102で再生してみて、こんなに録音よかったのかと改めて思わせてくれた愛すべきアルバムです。