On Fire/Barney Kessel
(Emerald ELP1201)
(Emerald ELP1201)
もう何年か前になりますが、ケッセルのライブを聴いた事があります。小さな体躯にフルアコを抱えてブルースフレーズを連発するケッセルの勇姿、とても印象に残っています。クリスチャン直系のジャズギターの真髄のような演奏で、ファンも多いですよね。何と言ってもコンテンポラリーの諸作がケッセルを語る上では重要でしょうが、エメラルドのこのライブアルバムが国内盤で発売されたときには驚きましたね。それもたしかゴールドディスクとかに指定されたんじゃなかったかと記憶しています。こんなマイナーレーベルよく復刻したななんて思い購入したのですが、紙質の良くないぼやけたカバー、センターレーベルにBaybridgeなんて書かれたどうしようもない復刻で少しガッカリしたモノです。

それから何年かたって、アメリカからこのモノラル盤をGETするチャンスを得ました。若干カバーに痛みはあるモノの美しい発色、きちんとしたエメラルドのセンターレーベル付きです。blog仲間のmono-monoさんにDL-102をご紹介いただきうちのモノラルシステムを構築したのですが、このカートリッジが後方に長く、今までのトーレンス/シュアーのカートリッジ(現在ステレオ盤担当)に比べると盤面とのクリアランスが本当に少ないんです。このモノラル盤が反りがあるんですよね。従来のトーレンスのシステムなら難なくトレースできていたのですが、B面はこの反りがカートリッジボディにヒットしトレースできないのです。未だにステレオシステムで聴いております。盤の反り、どうしようもないですね。
さてアルバムの内容です。メンバーはJerry Scheff(b), FranK Capp(ds)のトリオです。ハリウッドの"PJ's"というクラブでのライブで、ケッセルにとっては初のライブアルバムになります。65年の録音で時代を反映し"The Shadow Of Your Smile"や"Recado Bossa Nova"などのボッサも取り上げられていますが、ケッセルといえば伝統的なジャズギタースタイルを踏襲するA-1の"Slow Burn", Bラスのメンバー紹介が入る"One Mint Julep"の素晴らしさが特筆モノです。ケッセルファンには絶対はずせない一枚だろうと思います。