Inta Somethin'/Kenny Dorham
(Pacific Jazz PJ-41 jp.reissue)
(Pacific Jazz PJ-41 jp.reissue)
ヴォーカルでもいろんな声質があるようにジャズインストでも同じ楽器でありながら極めて個性的な音色を醸し出すプレイヤーがいます。トランペットのケニー・ドーハムとアルトサックスのジャッキー・マクリーンはともにそれぞれの楽器の中でもとりわけ特徴的な音色を持ったプレイヤーだと思います。ドーハムのやや籠ったような柔らかいサウンドは彼ならではだし、マクリーンのなき節とも言うべきサウンドも一聴すれば彼と言い当てられる特徴的音色だと思います。このコンビでの録音ではUniIted Artistsのマタドールが有名ですが、本日アップのサンフランシスコジャズワークショップでのライブ録音もなかなかホットで好ましいアルバムですよね。
メンバーは彼ら2人の双頭コンボとも言うべき編成で、リズムセクションにはマタドールとは全く異なったメンバーが採用されています。Walter Bishop Jr.(p), Leroy Vinnegar(b), Art Taylor(ds)のトリオがここではサポートしております。A面のオープニングは"Us"のタイトルがクレジットされていますが、例のジャズロックのダンシングビートはまさしくBNで再演された"ウナマス”です。ドーハムの美しい音色が際立つ好トラックですよね。ファンキーなビショップのピアノは名盤”Speak Low"を思わせるスウィンギーなソロはこのアルバムの別の視点から見た目玉とも言えます。フロントの2人をfeatureしたドーハムの"It Could Happen To You", マクリーンの”Let's Face The Music"ともに両者の音色の特徴を充分に示した好トラックですよね。B面のドーハムのミュートが聴ける"No Two People", パーカーの愛奏曲のラバーマンでのマクリーンもパーカーを意識した演奏で好きですね。
所有盤はキングから出た国内盤再発です。2人の個性的なプレイヤーの競演を捉えた貴重なアルバムですよね。ビショップの玄人好みのプレイも聞き物ですね。