Kenny Drew Trio/Kenny Drew
(Riverside RLP 2-224, Jp.Reissue)
アメリカのジャズメンでヨーロッパで成功した人は多いが、ピアニストではパウエルを筆頭に、デューク・ジョーダン、ケニー・ドリュー、ホレス・パーランなどそれぞれに一定の成功をみせていますが、いずれも本国時代の瑞々しいプレイを凌駕する事はなかったのではないかと思います。本日は、このケニー・ドリューの大名盤、いやピアノトリオの名盤の一枚と言っても全く不思議はないリバーサイドのトリオアルバムをアップいたします。
メンバーはDrewに加えマイルスバンドのPaul Chambers(b), Philly Joe Jones(ds)を加えたトリオです。自分もかなり初期に購入した入り一枚ですが、A-1の”Caravan"はおそらく最初にこの曲を意識した一枚だったと思います。フィリージョーのフィルインから入るティゾールのエキゾティックな名演ですよね。スティープルチェース時代には陰を潜めてしまったダイナミックなプレイはやはりこのアルバムのハイライトだと思います。続く"Come Rain Or Come Shine", モンクの"Ruby My Dear"はともにピアニスティックな魅力に溢れヨーロッパ時代のアルバムによく聴かれるルバートのイントロを予感させる雰囲気がありますね。B面はオープニングの"Taking A Chance On Love"とオーラスに出てくる"It's Only A Paper Moon"の軽快なスウィング感が最高です。フィリージョーのプレイがその原動力かも知れませんが、やっぱり、この時代の躍動感溢れるDrew Trioのスタイルが好きですよね。Roy De Caravaのモノクロの2人の子供を捉えたカバーは超有名ですよね。
所有盤は悪名高きビクター再発の緑マイルストンラベルのモノ盤です。おそらくオリジナルは素晴らしいと思いますが、許容範囲の盤にはなかなかであえませんね。といってベラボーな値段でしょうから、購入できる代物じゃないでしょうけど・・・。