67camper's Blog

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かつてのジャズランド最大のコレクターズアイテム

2009-03-27 05:48:49 | jazz & vocal
All Members/Don Sleet
(Jazzland JLP945S)


 皆さんご存知のようにジャズランドは3大ジャズレーベルの一つリバーサイドの傍系ラベルであります。発足当時は、リバーサイド音源の廉価盤再発を主体としたレーベルでした。その後オリジナル音源も録音・リリースも初めて行きますが、おそらくJLP19のチャーリー・ラウズあたりからであろうと思われる。このレーベルの特徴は一発屋とも言うべき、単発リーダー盤が多いのが特徴です。これらは積極的な本邦の再発事業で殆どが国内盤で再発されましたが、それまでは多くがコレクターズアイテムとして幻化していたと言えます。当時、そのメンバーの良さ、内容の良さから最右翼と考えられていたものがこのスリートのアルバムかも知れませんね。

 メンバーがとにかく魅力的です。Don Sleet(tp), Jimmy Heath(ts), Wynton Kelly(p), Ron Carter(b), Jimmy Cobb(ds)のクインテットです。リーダーが唯一の白人ドン・スリートです。他のプレイヤーから言うと知名度は低いですが、抑制の利いたプレイはマイルス、ドーハム、ミッチェルの影響を感じさせるトランペッターで、バディ・チルダースに師事していたと言います。やはりリバーサイドのマイナー盤、ドラムのLenny McBrownの"Eastern Lights"での好プレイで 記憶に残っている方も多いかも知れませんね。演奏曲もSleetのオリジナル1曲、Jimmy Heathのオリジナルが1曲、3曲のスタンダード(Secret Love, Softly As In A Morning Sunrise, But Beautiful)、そしてテナー奏者Clifford Jordanのオリジナルが2曲というバランスのとれた構成です。特に素晴らしいのはB-1の"But Beautiful"で、彼のバラードに対する非凡な語り口、抑制の利いたサウンドコントロールには脱帽です。そして全編を通じて好ソロを展開するKellyのプレイはこのアルバムの価値を数倍高めていると行っても過言ではありませんね。

 所有盤は、オルフェウムのJAZZLANDステレオ盤でバーガンディラベルです。メンバー、希少度、プレイの充実度、録音、どれをとってもすばらしい「充実の一枚」と言えるのではないでしょうか?!