Wayning Moments/Wayne Shorter
(Vee Jay JC16 jp.reissue)
(Vee Jay JC16 jp.reissue)
ショーターのサックスはコルトレーンの奏法に立脚した新主流派スタイルと思われますが、ジャズメッセンジャーズ、マイルス五重奏団、ウェザーリポートと名門コンボでのグループパフォーマンス、ミュージカルディレクターとしての仕事がよく知られていますよね。これほど次から次へと名門コンボを渡り歩いた男もそんなにはいませんし、彼が抜けたあとそのコンボは衰退の一途を辿ったことを考えると、彼の音楽的才能については認めざるを得ませんね。そしたら演奏はどうか。ブルーノートやビージェイにリーダーアルバムがありますが、これぞ最高傑作というものがなくインパクトに欠けるアルバムが多いように思えるのは自分だけでしょうか?本日は彼のリーダーアルバムからビージェイ第3作のWayning Momentsをアップしますね。
メンバーはFreddie Hubbard(tp), Wayne Shorter(ts), Eddie Higgins(p), James Merritt(b), Marshall Thompson(ds)の五重奏団です。当時所属していたJMのメンバーからハバード、メリットと2人が参加しています。個人的にこのアルバムに肩入れするのは、A-1に当時流行のボッサ、ルイス・ボンファの名作”黒いオルフェ”のすばらしい演奏が収録されているためです。もちろん本質的にはB-1のタイトル曲の"Wayning Moments"やB-2の"Powder Keg"などのコルトレーンマナーの演奏が彼の本領ですが、黒いオルフェをA-1に持ってきたあたり、ショーターのリスナーへのアピールを意図した点が見え隠れしますね。でも騙されて聴きましょう。絶対コルトレーン風に吹くより、こんなボッサやB-3の"All Or Nothing At All"のような演奏がいいですよねぇ!コルトレーンのように吹くのは本家に任せとけばいいですよ!意外と好演なのがヒギンズのピアノですよね。ビージェイならではの人選ですね。
所有盤は徳間がだした再発国内盤です。カバーも分厚い紙質で1800円とは思えない仕上がりですね。テナーを吹くショーターのフロントカバー、ロゴのバランスがいいカバーも大好きですね。