67camper's Blog

管理人67camperの空冷VW、北米輸入住宅、キャンプ、ジャズ、自転車、アコギ、カメラ、アメカジに関するログです。

この黒いオルフェが好きでねぇ・・・。

2007-12-06 05:38:20 | jazz & vocal
Wayning Moments/Wayne Shorter
(Vee Jay JC16 jp.reissue)


 ショーターのサックスはコルトレーンの奏法に立脚した新主流派スタイルと思われますが、ジャズメッセンジャーズ、マイルス五重奏団、ウェザーリポートと名門コンボでのグループパフォーマンス、ミュージカルディレクターとしての仕事がよく知られていますよね。これほど次から次へと名門コンボを渡り歩いた男もそんなにはいませんし、彼が抜けたあとそのコンボは衰退の一途を辿ったことを考えると、彼の音楽的才能については認めざるを得ませんね。そしたら演奏はどうか。ブルーノートやビージェイにリーダーアルバムがありますが、これぞ最高傑作というものがなくインパクトに欠けるアルバムが多いように思えるのは自分だけでしょうか?本日は彼のリーダーアルバムからビージェイ第3作のWayning Momentsをアップしますね。

 メンバーはFreddie Hubbard(tp), Wayne Shorter(ts), Eddie Higgins(p), James Merritt(b), Marshall Thompson(ds)の五重奏団です。当時所属していたJMのメンバーからハバード、メリットと2人が参加しています。個人的にこのアルバムに肩入れするのは、A-1に当時流行のボッサ、ルイス・ボンファの名作”黒いオルフェ”のすばらしい演奏が収録されているためです。もちろん本質的にはB-1のタイトル曲の"Wayning Moments"やB-2の"Powder Keg"などのコルトレーンマナーの演奏が彼の本領ですが、黒いオルフェをA-1に持ってきたあたり、ショーターのリスナーへのアピールを意図した点が見え隠れしますね。でも騙されて聴きましょう。絶対コルトレーン風に吹くより、こんなボッサやB-3の"All Or Nothing At All"のような演奏がいいですよねぇ!コルトレーンのように吹くのは本家に任せとけばいいですよ!意外と好演なのがヒギンズのピアノですよね。ビージェイならではの人選ですね。

 所有盤は徳間がだした再発国内盤です。カバーも分厚い紙質で1800円とは思えない仕上がりですね。テナーを吹くショーターのフロントカバー、ロゴのバランスがいいカバーも大好きですね。

Parisのエスプリ"The Blue Stars of France"

2007-12-05 03:06:37 | jazz & vocal
Lullaby Of Birdland And Other Famous Hits
The Blue Stars Of France
(EmArcy MG36067)


 jazz vocalといえばもっぱらアメリカが本場であるので英語は基本の言語である訳ですが、ボッサにおけるポルトガル語の響きなどそのお国言葉でやられる音楽には特種な効果があるものですね。今日はフランス語です。もちろん、フランス語で1から10までカウントすることができない自分には、フランス語について語る資格などないことは百も承知です。私事で恐縮ですが、92年アメリカに遊学させてもらう機会があったのですが、これに先立ち上司から最初に薦められたのがフランスへの留学でした。これを丁重にお断りしたのが、この理由”10まで数えられません”の一言でした。上司は納得してくれ、その翌年アメリカ留学(本当は遊学)のチャンスが巡ってきたのです。本当にいい上司ですね。感謝しています。そんなこんなで日頃フランスには因縁めいたものを感じており、本日アップのこのBlue Starsを聴くたびにそのことが思い出されます。

 さてこのBlue Starsには2つの重要なポイントがあります。一つは、このコーラスグループの結成に一躍かったのはキュートなボーカルとピアノの弾き語りで知られるブロッサム・ディアリーであることです。ほとんどボーカリストとしては素人集団ですが、元々は器楽奏者で占められた男性4人、女性4人の混声コーラスで、彼らが繰り出すフランス語の独特な味がパリのエスプリを強く感じさせます。そして、もう一つは名唱”バードランドの子守唄”がA-1に取り上げられていることでしょう!。ご存知のようにこの曲は、ジョージ・シアリングの演奏で市民権を得たジャズスタンダードの名曲ですが、サラのボーカルと並びボーカル界ではこの歌唱は両横綱にあげられる出来だと思います。他にもA-2のTout Bas(Speak Low)やB-1のMister L'Amour(Mister Sandman)も好きなトラックですね。この軽妙で粋なコーラスこそ彼らの持ち味でフランス語の響きが優しく、英語で歌った2作目を遥かに凌駕しているといえるのではないでしょうか?

 所有盤はEmarcyの溝ありのモノラル盤です。ラミネート加工が施されたカバーはいいですが、やや退色傾向があるのもEmarcyでは仕方ないところです。オリジナリティについてはよくわからないのですが、カバーにはEmArcy/Mercury両方のロゴが見られるのでやっぱり再発かな?また情報教えてくださいね。

紅葉もそろそろ終わりかな?

2007-12-04 03:04:03 | Volkswagen

 2日の日曜日、カフェオーレで出かけようという次男坊の要請で四万十町の緑林公園に行ってきました。南国高知はまだそんなに寒くないですし、風のない一日でしたので、カフェオーレでフルオープンで走るにはまあまあのコンディションでした。それでもやっぱり後部座席は寒いのでしょうね。ペンドルトンのブランケットは必須です。末っ子は後部座席に横になり毛布をかぶって真っ青な空をずーっと眺めていたようです。



 この辺りは、自分が住んでいる海沿いと違ってやや標高が高いためか、少しずつ落葉が進んでいるようでした。子供達は、フルオープンで走ってきたため、ほかの子供達に比べたら異常に厚着です。アスレティックでやりたい放題やって、帰りは帽子もダウンも脱いで幌をかけてかえって来ました。往復一時間の道のりなんですがカフェオーレのドライブには格好の距離で、子供も遊べるし、いいドライブコースです。

演奏もブルー、カバーもブルー

2007-12-03 04:27:10 | jazz & vocal
Blue Lou/Lou McGarity
(Argo LP-654)


 メルトーメのアルバムに「月」ばかりをタイトルに入れた曲ばかりを集めた"Swingin' On The Moon"なんてのがありましたが、今度はタイトルに"Blue"というジャズファンの琴線を最も刺激するようなWORDを使った曲ばかりを集めたアルバムをアップしてみます。ARGO盤でリーダーは白人ボントロ奏者のルー・マクガリティです。ルーに関しては以前に浴槽&美人カバーのジュビリー盤"Some Like It Hot"をアップしておりそのときにちょっと話題になったアルバムですね。曲もそうですが、先日脳梗塞で倒れたオシム監督似のルーの横顔、そしてブルーアイ、背景のブルーが印象的なカバーも二重丸ですね。

 録音は59年9月とハードバップ隆盛期ですが、演奏自体はクラリネットが入っているためか、ルーのサウンドの本質なのか、スウィング~中間派色の強い演奏です。でもこういうタイプの演奏も好きだなぁ・・・。メンバーはなじみが薄いと思いますが一応列記しておきます。Lou McGarity(tb), Doc Severinsen(tp), Bob Wilber(cl, ts, bcl), Dick Cary(p, as, tp), George Barnes(g), Jack Lesberg(b), Don Marino(ds)のセプテット(BIG EIGHTとあるが7人しかクレジットされていません。)です。有名曲ではA面の"Blue Moon", B面での"Born To Be Blue"、“Blue Skies"、”Black and Blue"が知られていますね。中でも"Blue"という言葉ぴったりの哀愁のあるメロディラインが印象的な"Blue Skies"や”Black and Blue"はこのアルバムのムードを端的にあらわした好トラックだと思います。またB-5の"I Get The Blues When It Rains"ではマクガリティ自信の粋なボーカルも聴かせてくれますが、もともとBenny Goodman楽団で名を挙げたマクガリティのJack Teagardenへの傾倒を示したものと思います。

 所有盤はARGOのブラックレーベル、シルバーロゴのモノラル盤です。企画のすばらしさも手伝ってルーを代表するアルバムに仕上がっていますね。

このライブが好きなんだよね!

2007-12-02 03:17:06 | jazz & vocal
'Round About Midnight at the Cafe Bohemia
(Blue Note 1524 jp.reissue)


 やっぱり自分にとって最も印象深い、哀愁を感じるトランぺッターがドーハムであることは間違いない。既にメモリアルアルバム(JAROの再発)、Quiet KennyUna Masとアップしてきましたが、最も初期に買ったドーハムのレコードが本日アップのカフェ・ボヘミアのライブです。繰り返し繰り返し新潟のジャズフラッシュで聴いていたので、購入したときにソロのオーダー、フレージングまで覚えてしまっていた、そんなアルバムです。当時は、国内盤はキングがリリースしていましたが、国内盤とは思えない良い音でとらえられていてライブの熱気が伝わる演奏に狂気したものです。

 メンバーはセクステットでリリシズムあふれるサウンドで時には鋭いアタックを見せるドーハムのトランペット、グルービーなJRモンテローズのテナー、相変わらず華麗でブルージーなバレルのギター、後に見せる3連符をほとんど使わないティモンズのピアノ、そして重厚なサム・ジョーンズのベース、シンバルが印象的なアーサー・エッジヒルのドラムというセットです。A面2曲目に"'Round About Midnight", B面2曲目にドーハムのMCも聴ける"Autumn In New York"の2つのバラードをおいて後の4曲はグルービーな演奏で固めた構成もすばらしいですね。この4曲の中でもチュニジアの夜はこの有名曲の演奏の中でも自分がもっとも好きなヴァージョンです。バレルのブルージーですばらしいソロがこの演奏を支えていると考えているのは自分だけでしょうか。最後の"Hill's Edge"もマイルスの有名曲"Tune Up"と何ら変わらない、こういった選曲のすばらしさがこのアルバムを支えていると思います。絶対、聞き逃せないバラード2曲とチュニジアと思います。マイルス、ロリンズ、エヴァンスもいいでしょうが、これからジャズを聴きたいという人にまず聴いてほしい絶対的おすすめ盤ですよ。

 所有盤はキングリリースの国内盤です。マドラスのジャケットを羽織ったドーハムのMCが聞こえてきそうなカバーですね。これぞブルーノートです。

渋い白人ピアニストの一人

2007-12-01 05:18:16 | jazz & vocal
The Piano Scene of Dave McKenna/Dave McKenna
(Epic ECPU7 jp reissue)


 白人ピアニストではビル・エバンスは別格として、いわゆるカクテルピアニストのカテゴリーではくくれないバッパーも結構いますよね。アル・ヘイグ、ドド・ママローサ、クロード・ウィリアムソン、ラス・フリーマン、ジョン・ウィリアムスらと同様、パウエルの影響をうけながらスウィングからポップチューンまで幅広くこなす実力を持った名手に本日の主役、デイブ・マッケンナがいます。マッケンナというと、一番印象に残っているのがズートの名盤ダウンホームでの小気味よいピアノです。リーダーアルバムは少ないですが、本日アップのこの58年のエピック盤などはファンの多い一枚ではないでしょうか。

 メンバーはDave McKenna(p), John Drew(b), Osie Johnson(ds)のトリオです。マッケンナの溌剌としたピアノトリオが聴けるアルバムとして貴重です。演奏曲もオリジナルとスタンダードがバランスよく配されています。特に”Fools Rush In”や”I Should Care”などの知られたスタンダードでの解釈も見事で、この”Fools~”の演奏はクールな一面とウォームな面と両方が見事に調和したベストトラックとおもいます。ほかにも、デキシーの”’Way Down Yonder In New Orleans”やドリス・デイの映画”Calamity Jane”で紹介された”Secret Love”など選曲の渋さもありますよね。全体を通して、好サポートを見せるジョンソンのブラッシュワークも聞き物です。

 所有盤はCBSソニーの再発廉価盤です。ピアノの鍵盤をモチーフにしたアーティスティックなカバーも好きですね。こういう白人ピアニストもたまにはいいですね。