百選マーキング講義憲法,開幕

2013-11-19 14:38:49 | 司法試験関連

百選マーキング講義憲法の収録を始めました。1回目で5個目,2回目で9個目までいきました。憲法に関しては,改訂されたばかりで,解説講義的なものはまだないので,受験生の便宜も考え解説部分にもかなり言及しています(判例本体より,解説が気になるという人も多いでしょう)。まぁ,ごつくなりすぎても意味ないので,スピード感は出していくつもりです。

解説部分も,単に重要ポイントを読みあげるのではなく,主張・反論に役立つ形で説明を加えることにしていますので,憲法的な思考パターンを学べる効果があると思います(このような考え方をすれば裁量が狭まる,など)。メリハリつけてガシガシ進めたいと思います。百選マーキングは,文字通り百選に加工すれば事足りるので,条文シリーズに比べても,講座スタイルとしてフィットしていると思います。

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民法2回目ネタばれあり

2013-11-19 13:38:40 | 司法試験関連

即時取得の要件の中で,94条2項を論じる,という部分についてかなり質問が出たのでここでも。要は「Fが94条2項で保護されれば,それで足りるのではないか」,という構成では駄目なのか,という質問です。

94条2項で保護された場合,有効となるのは,あくまでもそこでなされた「意思表示」です。本問で言えば,EF間における,「他人物売買の申込みと承諾」という意思表示が有効になるだけです。Eが所有権を未だ取得していない段階での売買契約なので,EF間で成立する契約は通常の売買契約ではなく,他人物売買にしかなりません。したがって,94条2項でFが保護されるとしても,他人物売買が有効に成立するだけの話であって,そのことからFに直接所有権が移転してくることにはならないのです。なので,94条2項論だけでは,Fが所有権を取得した,という主張は通りません。

通常,94条2項の場面は,本来的な意味での売買契約が成立したことになる事例で説明されているので,結果的に第三者が所有権を取得する,という結論になるだけなのです。94条2項が有効なものとして取り扱うのは,あくまでも「意思表示」にすぎず,意思表示が有効に成立した結果,その意思の合致により成立しうる契約が結果的に成立し,その有効に成立した契約の効果として,何らかの権利変動が生じるにすぎません。

今回は,EF間の意思表示が通謀虚偽表示ではないとしても,有効に成立しうる契約はEが無権利者である以上,「他人物売買」に過ぎないのです。なので所有権がFに移転することにはならないので,Fが即時取得したかどうかを検討しなければならないのです。

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