「伊方原発事件」と比較ということで、教科書検定と裁量審査の判例も確認しましょう。最判平成5年3月16日(百選82事件)。
伊方原発との大きな違いは、「検定当時」を基準に「看過しがたい過誤」の有無を判断する点です。また、「学術的・教育的な専門技術的判断」、「文部大臣の合理的な裁量」という言葉を用いている点です。
最高裁は、「裁量」(=専門技術的裁量)という用語に、政治的、政策的裁量と同じような意味合いを込めて使っているようです。すなわち「広範な」裁量あり、との受け止め方をされるという認識のようです。