超基本判例ですが・・・

2016-01-28 21:54:49 | 司法試験関連

行政法の重要判例で短答問題を作ってみると。最判平成4年10月29日 伊方原発の判例(百選81事件)をちょいといじりました(2箇所です)。要は正誤問題で出た場合、「誤り」の選択肢になります。わかるかな?

「右の原子炉施設の安全性に関する判断の適否が争われる原子炉設置許可処分の取消訴訟における裁判所の審理、判断は、原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の専門技術的な調査審議及び判断を基にしてされた被告行政庁の裁量権の行使に不合理な点があるか否かという観点から行われるべきであって、処分時の科学技術水準に照らし、右調査審議において用いられた具体的審査基準に不合理な点があり、あるいは当該原子炉施設が右の具体的審査基準に適合するとした原子力委員会若しくは原子炉安全専門審査会の調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤、欠落があり、被告行政庁の判断がこれに依拠してされたと認められる場合には、被告行政庁の右判断に不合理な点があるものとして、右判断に基づく原子炉設置許可処分は違法と解すべきである」

 

<解答>

一つはすぐ分かるかと。「処分時」ではなくて「現在の」ですね。科学技術水準の基準時が違います。

2つ目はちょいとわかりにくいかなと。実は伊方原発判例は、「裁量」(専門技術的裁量)という言葉を意図的に使っていません。「裁量権の行使」ではなく、「被告行政庁の判断に不合理な点があるかどうか」というのが正しい言い回しです。

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