風を紡いで

旅の記録と料理、暮らしの中で感じた事などを綴っています。自然の恵みに感謝しながら…。

(17)スノーズヒルのパブ

2005年07月12日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
パブの中は、暖炉の火で心地よい暖かさだった。コートを脱ぎ、奥の席に陣取った。雪道を歩いてきた者にとっては、ここはまさに別天地。身も心も解きほぐされるようだった。昼前ということもあってか、客はカウンター周りと暖炉近くに数人いるだけだった。奥の席は私達のほか誰もいない。

何か注文しようと、しばらく待っていたがなかなか来ない。カウンターが見える席だったので、観察してみることにした。

「カウンターでお金を払うみたいだよ。カウンターにメニューが書いてあるかもね」と娘が言った。

どうやらセルフサービスらしい。その都度、お金を払ってはビールを飲んだり、つまみを食べたり、おしゃべりする姿が目に入った。

「何食べようか」私が言う。
「私あまり食べたくない」と娘。
「でも何か食べないとね。お母さん、ちょっと見てくるね」

カウンターまで行ってメニューをチェック。
「いろいろあるけど、お母さんはフイッシュ&チップスにしよう。同じのにする?肉もあるよ」
「私は飲み物だけでいいや」

娘にはオレンジジュース、私はフイッシュ&チップスとコーヒーをたのむことにした。注文し、お金を払うと、
「出来たら持って行きます」と若いウエートレス。


「ちょっと遅いね。まだかなぁ~」
などと言いながら、待っていると、しばらくして厨房係らしき年配の女性が料理を運んできた。

「えぇ~!魚のフライ大きいねぇ~」
大皿からはみ出さんばかりの大きさで、ただただ驚く。
「うわぁ~。すっごい大きいねぇ!お母さん!」
「美味しそう~。少し食べてみる?」
「うん!少し頂戴!」

さっきは食欲ない、なんて言ってた娘が身を乗り出した。 (つづく…)