パブの中は、暖炉の火で心地よい暖かさだった。コートを脱ぎ、奥の席に陣取った。雪道を歩いてきた者にとっては、ここはまさに別天地。身も心も解きほぐされるようだった。昼前ということもあってか、客はカウンター周りと暖炉近くに数人いるだけだった。奥の席は私達のほか誰もいない。
何か注文しようと、しばらく待っていたがなかなか来ない。カウンターが見える席だったので、観察してみることにした。
「カウンターでお金を払うみたいだよ。カウンターにメニューが書いてあるかもね」と娘が言った。
どうやらセルフサービスらしい。その都度、お金を払ってはビールを飲んだり、つまみを食べたり、おしゃべりする姿が目に入った。
「何食べようか」私が言う。
「私あまり食べたくない」と娘。
「でも何か食べないとね。お母さん、ちょっと見てくるね」
カウンターまで行ってメニューをチェック。
「いろいろあるけど、お母さんはフイッシュ&チップスにしよう。同じのにする?肉もあるよ」
「私は飲み物だけでいいや」
娘にはオレンジジュース、私はフイッシュ&チップスとコーヒーをたのむことにした。注文し、お金を払うと、
「出来たら持って行きます」と若いウエートレス。
「ちょっと遅いね。まだかなぁ~」
などと言いながら、待っていると、しばらくして厨房係らしき年配の女性が料理を運んできた。
「えぇ~!魚のフライ大きいねぇ~」
大皿からはみ出さんばかりの大きさで、ただただ驚く。
「うわぁ~。すっごい大きいねぇ!お母さん!」
「美味しそう~。少し食べてみる?」
「うん!少し頂戴!」
さっきは食欲ない、なんて言ってた娘が身を乗り出した。 (つづく…)
何か注文しようと、しばらく待っていたがなかなか来ない。カウンターが見える席だったので、観察してみることにした。
「カウンターでお金を払うみたいだよ。カウンターにメニューが書いてあるかもね」と娘が言った。
どうやらセルフサービスらしい。その都度、お金を払ってはビールを飲んだり、つまみを食べたり、おしゃべりする姿が目に入った。
「何食べようか」私が言う。
「私あまり食べたくない」と娘。
「でも何か食べないとね。お母さん、ちょっと見てくるね」
カウンターまで行ってメニューをチェック。
「いろいろあるけど、お母さんはフイッシュ&チップスにしよう。同じのにする?肉もあるよ」
「私は飲み物だけでいいや」
娘にはオレンジジュース、私はフイッシュ&チップスとコーヒーをたのむことにした。注文し、お金を払うと、
「出来たら持って行きます」と若いウエートレス。
「ちょっと遅いね。まだかなぁ~」
などと言いながら、待っていると、しばらくして厨房係らしき年配の女性が料理を運んできた。
「えぇ~!魚のフライ大きいねぇ~」
大皿からはみ出さんばかりの大きさで、ただただ驚く。
「うわぁ~。すっごい大きいねぇ!お母さん!」
「美味しそう~。少し食べてみる?」
「うん!少し頂戴!」
さっきは食欲ない、なんて言ってた娘が身を乗り出した。 (つづく…)