心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

ぼけ茄子なんて言わないで

2007-08-06 | つれづれ


地元で、母と書道教室をしています。
これは教室で、夏の書として書いた参考作品。
母はいわゆる伝統的な王義之、皇甫誕などの行書、楷書、仮名を、
私は古い時代の甲骨、木簡、隷書、造像を中心に創作を担当、
普段はそれぞれの希望にそった古典の臨書学習を、一人一人添削を
しながら行っています。

年に一度、広い会場を借りて展覧会も開催。
ちょっと自慢は、書の展覧会というと、その会の先生の色一色で、
似たような作品が並んでいることが多いのですが、私たちの会は十人十色、
色々な書体、表現方法で、観にいらして下さった方々が、「とにかく観ていて
楽しい。来てよかった」と言って下さることです。

母と私、違う好み、個性があり、生徒さん達とも、名前がなくてもこれは
あの方の作品ね!とわかるようなその人らしい表現を一緒に探しています。

同じ古典を臨書しても、人によって個性が見えておもしろいです。
本当は臨書は、誰の何を臨書したのかわからなくちゃ意味がないんですけど、
どうしてこれがこうなるの?という臨書をされる方もいて、指導力のなさに
ため息をつくこともありますが、どことなく書いた人の人柄が滲み出ていたり
すると、ま、いっか・・と苦笑い。

繊細な人は線がシャープだったり、おおざっぱな人は文字が紙からはみ出たり、
お手本で渡した半紙に、たまたま墨がたれて点のようになった線も、
文字を考えたらそこに点なんてないのに、同じように点をつけてきたり、
その個性が、私はいとおしいです。

大人でもましてや子供の間では、そこに優劣など決めがたく、
その人本来の姿を自由に純粋に褒め称えることで、自分に大きな自信を持つのです。
自分に自信が生まれると、他人のことも褒められる、思いやれる、許せるように
なるんじゃないかと思います。

書を学ぶことは、自分を知ること、自分を褒めることとなり、その喜びと
自信が回りの人への思いやりや優しさに繋がればなあと、思います。

だから、ぼけ茄子なんて言わないでね。





コメント (13)
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