(はがき)
今日は仕事がお休みだったので、本棚の整理をば。
で、大学の頃、よく読んでいた詩集が何冊か出てきて。
寺山修司、辻井喬、吉増剛造、清岡卓行、ねじめ正一、そして茂木のり子。
久々に頁をめくって、ふと目に止まった詩。
なんだか、ぐぐっときて
読み終わったあと、背筋を伸ばして大きく深呼吸した。
茨木のり子
『自分の感受性くらい』
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難かしくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ