『佐高信の新・筆頭両断』、10月に読了。佐高信著。講談社文庫。2006年3月刊。解説は魚住昭さん「解説 ― 佐高信と反ファシズム」。
「・・・何かを学ぶのは知識をふやすためではなく、ミソとクソの区別をつけるためである。・・・長谷川慶太郎、堺屋太一、そして竹中平蔵の〝時流の経済論者〟の系譜があり、それに対立する〝反時流の経済論者〟として城山三郎、内橋克人・・・の系譜がある・・・時流にはもちろん、バブルというルビ・・・」(pp.35-36)。城山さんは、「・・・言論の自由のない当時の時代や社会、そして国が強制したのだと強調・・・「九条をね。とんでもないことだね。だって、日本が負けて得たものはあれしかない、『戦争をしない』ということしかないんだから」」(p.100)、「言論統制が一度始まれば、とめどなく拡大・・・『美化』という形での情報汚染」(pp.249-250)。
権力に立ち向かうような俳優や芸人が日本には少ない。成田三樹夫は、「最近の役者・・・いやらしいのが多すぎる・・・総理大臣主催のナントカ会・・・ニコニコして出かけて行って、握手なんかして喜んでるだろ。・・・情けなくなっちまうね。権力にへたへたする役者じゃ意味がない。・・・バカがどんどん図にのるんだよ、ハハハ」(p.52)。
『勁 (つよ) き草の根』(草の根会発行)、『松下竜一の青春』(新木安利、海鳥社)。「たしかに年収二百万で泰然としている男を夫にするのはむずかしい。洋子夫人以外には、その役はつとまらない」(p.92)。獄中の大道寺将司さんについての『狼煙を見よ』(河出書房新社)。『豆腐屋の四季』(講談社文庫) が縁 (p.253)。