『野中広務 差別と権力』、10月に読了。魚住昭著。講談社文庫。2006年5月刊。解説は佐高信さんで、「柔和な風貌の中に硬骨の芯を秘めている魚住の本を、是非多くの読者に耽読してほしい」(p.430)。
差別に対峙しつつ伸し上っていく前半と、権力に上り詰めて頂点にあと一歩の後半・・・。「この国の歴史で・・・の事実を隠さずに政治活動を行い、権力の中枢にまでたどり着いた人間は野中しかいない」(p.393)。
「・・・戦争に巻き込まれるようなことだけは命がけで止めなきゃいけない・・・」(p.56)。一方、小渕政権 (※1) でやったことは? 国旗・国歌法案でも「・・・教育現場に義務付けを行うことは考えていない」(p.373) と答弁していたにもかかわらず、結局、「教育現場の管理・統制は一気に強化され・・・「現場の犠牲者」を出さないための法律が新たな犠牲者を大量に生み、教師や子供たちの内面の自由を確実に奪っていった」(p.373)。