東京新聞の社説【高速炉開発会議 サイクルは切れていた】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016120702000136.html)
《増殖炉がだめなら高速炉、「もんじゅ」がだめなら引退した「常陽」を引っ張り出せばいい。そんな簡単なものなのか。核燃料サイクルの輪は、二十年以上も前に切れていた。もう元には戻せない》。
いつもながらの委員会構成の酷さ…東京新聞の社説は高速増殖炉「廃炉」会議・核燃サイクル「断念」会議ではなく、高速炉「開発」会議であることを指摘している。《経済産業省と文部科学省、電気事業連合会、そして原子炉メーカーなど、核燃料サイクルを維持し、原発を存続させたい役所、企業ばかりが顔を並べるメンバー構成からも、あからさまなほどに明らかだ》。
再度掲示すると以下のようなメンバー構成。
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『高速炉開発会議の設置について』
(http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy/fr/pdf/001_01_00.pdf)
高速炉開発会議メンバー(平成28年10月7日時点)
経済産業大臣 世耕弘成
文部科学大臣 松野博一
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構理事長 児玉敏雄
電気事業連合会会長 勝野哲
三菱重工業株式会社代表取締役社長 宮永俊一
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まさに、高速炉「開発」会議。
閉じない環に縋る、命を賭す高速炉「開発」会議。その名称として、愚かな核発電「麻薬」中毒患者の計り知れない大罪を後世の教訓として残すために、新高速炉「アベシンゾウ」を提案する。
『●高速増殖炉もんじゅ…ニッポンでは、
巨額の「エサ代」を支払い続けるつもりらしい』
『●「(悪)夢の高速増殖炉」もんじゅの延命に向かって着々と
…ドブガネという巨額の「エサ代」は続く』
『●予想に反して「もんじゅ」廃炉へ、一方、
「閉じない環」核燃料サイクルは維持するという無茶苦茶』
『●「核発電は安い」と言っておきながら、
「原発の電力を使っていない消費者にまで負担を強いる方針」』
『●「ふげん」、「もんじゅ」…次の高速炉は
「こくうぞう」、「みろく」? 「白象」とでもしますか??』
『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016120702000136.html】
【社説】
高速炉開発会議 サイクルは切れていた
2016年12月7日
増殖炉がだめなら高速炉、「もんじゅ」がだめなら引退した「常陽」を引っ張り出せばいい。そんな簡単なものなのか。核燃料サイクルの輪は、二十年以上も前に切れていた。もう元には戻せない。
何か勘違いしてないか。
そもそも「高速炉開発会議」という名称が、おかしくないか。
トラブル続きで働けず、「金食い虫」の汚名をまとう高速増殖原型炉の「もんじゅ」(福井県敦賀市)。第一に問われているのは、そのもんじゅを中心とする核燃料サイクルの“進退”だ。
多くの人は“引退”、つまり廃炉を求めている。
たとえばもんじゅ、あるいは核燃料サイクルの対策会議というなら、まだ分かる。
開発会議の議論は、明らかに核燃料サイクルの存続が前提だ。
経済産業省と文部科学省、電気事業連合会、そして原子炉メーカーなど、核燃料サイクルを維持し、原発を存続させたい役所、企業ばかりが顔を並べるメンバー構成からも、あからさまなほどに明らかだ。
核燃料サイクルを断念すれば、使用済み核燃料は、ただのごみ。青森県六ケ所村の関連施設で保管してもらえなくなり、宙に浮く。核のごみに対する世論の風当たりが強くなり、原発の再稼働に支障を来す。だから断念はしたくない-。思惑が透けて見えるようではないか。
ところが、エネルギーを増やしてくれる増殖炉、もんじゅなしではサイクルはなりたたない。
高速炉は核のごみを燃やす単なる“バーナー”だと言う学者もいる。家庭ごみの焼却処理を「リサイクル」と呼ぶ人はいないのと同じである。
核のごみの処分技術を研究するのはいい。だが、六ケ所村の再処理施設も、もんじゅ同様、莫大(ばくだい)な国費を投入し、歳月を費やしながら、失敗と稼働延期を繰り返す。もんじゅを廃炉にするのなら、当然、核燃料サイクル全体を断念すべきではないか。
もんじゅは、科学の夢だった。だが、核燃料サイクルが破綻したのは現実だ。これ以上、傷を深めるべきではない。
立地地域の福井県や青森県ともよく話し合い、もんじゅと核燃料サイクルをまず円満な“引退”に導くべきだ。
そして、核のごみの処分をどうするかという緊急課題に議論を切り替えて、正面から取り組むべきである。
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