[※ 三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]
沖縄タイムスの金平茂紀さんのコラム【辺野古唯一=「沖縄でよかった」 持続する差別の構造 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(25)】】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/96153)。
《(以降の記述はフィクションです。念のため)20××年×月×日午前9時23分。沖縄の在日米軍××××基地に、巡航ミサイル59発が撃ち込まれた。寝耳に水のことだった。一体なぜなんだ? 被害は基地のみならず、近隣の住宅地も甚大な被害を受けた。基地内の死傷者に加え、沖縄県民に多数の死傷者が出てしまった。政府はただちに非常事態宣言を発令し、国家安全保障会議が緊急招集された》。
『●「積極的平和主義」なアベ様という
civili-UNcontrolな大暴走(out of control)』
『●20XX年、再び戦争が始まった…:
立憲主義を否定し、クーデターで壊憲しといて、そりゃぁないでしょ』
『●「平和憲法」が風前の灯火: 壊憲の坂道を転げ落ち、
アベ政権と与党自公は戦争へと火に油を注いでいる』
《冷徹な事実がある。4月26日付の東京の新聞各紙の1面トップ記事は、横並びで〈今村復興相、辞任〉だった。沖縄の県紙2紙は当然ながら〈辺野古の護岸工事着工〉がトップ記事だった…「この政権はこれまでずっと〈辺野古が唯一の選択肢〉と言い続けてきた。これは結局、今村前復興相ふうに言えば、〈辺野古でよかった〉と言っているのと同じじゃないのか」と。その根元には、米軍基地は、本土ではなく沖縄でよかった、という本音があるのではないか、と》。
『●今村雅弘復興相、「本人の責任」
「裁判でも何でもやればいい」と…「死の町」にした者こそ糾弾されるべき』
『●今村雅弘復興相「問題は激高よりも
「自主避難は自己責任」発言」…ココで「自己責任」論に出くわすとは…』
『●「政治家にしてはいけないレベルの人材を
チヤホヤして勘違いさせ、党を挙げて見抜けない「節穴責任」」』
遅ればせながら、今村雅弘復興相をクビにした訳ですが、次はアベ様に《節穴責任》をとっていただく番です。
一方、沖縄では、《辺野古が唯一の選択肢》という寝言にも表れているように、《〈辺野古でよかった〉と言っているのと同じじゃないのか》?、という金平茂紀さんの指摘。《その根元には、米軍基地は、本土ではなく沖縄でよかった、という本音》。正に、正鵠を得た指摘。
沖縄差別には沈黙な「本土」マスコミ。
『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見』
『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々』
『●高江破壊と歴史的暴言: 「みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、
無用な衝突を招いている張本人は誰か」?』
『●高野孟氏の至言: 「安倍晋三首相と
今井尚哉首席秘書官の関係」=愚かな「裸の王様」」とその家臣』
『●「基地の偏在を沖縄が訴えても「裁判所はほとんど答えない」」
…「政治判断」しかできない司法の悲劇』
最後に、小田嶋隆さんも《節穴責任》の指摘。
日刊ゲンダイの記事【もう戻れないこの国の惨憺/すべては安倍サマの気分次第 国会は完全に茶番劇と化した】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/204697)より。《今村個人だけでなく、あんな男を大臣に任命し、庇い続けた安倍首相の責任こそ問われるべき…コラムニストの小田嶋隆氏はこう言う。 「『東北でよかった』という暴言が更迭の引き金になりましたが、発言としては前回の『本人の責任』の方がひどいと思います。あれは復興相が絶対に言ってはならない言葉です。今回、更迭となったのは、もちろん2度目だというのはありますが、更迭に踏み切った大きな理由は、前回は記者会見の場だったが、今回は安倍首相も出席するパーティーでの失言だったからではないか。『私の顔を潰した』『恥をかかされた』と安倍首相は激怒した。首相の機嫌を損ねたからクビ、ということです。今や大臣の任命基準は、安倍首相の気持ちひとつ。政権のガバナンスとしてどうかと思います」 北朝鮮と同じように、何でも“安倍サマ”の気分次第だから、国会なんてあってないようなものだ》。
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【http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/96153】
辺野古唯一=「沖縄でよかった」 持続する差別の構造 【金平茂紀の新・ワジワジー通信(25)】
2017年5月4日 18:35辺野古埋め立て 普天間移設問題・辺野古新基地 金平茂紀 在日米軍
金平茂紀
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金平茂紀(かねひら しげのり)
TBS報道記者、キャスター、ディレクター
1953年北海道生まれ。TBS報道記者、キャスター、ディレクター。2004年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。著書に「ホワイトハウスから徒歩5分」ほか。
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よりによって東日本大震災と福島第1原発過酷事故からの復旧・復興を担当する今村雅弘復興大臣兼福島原発事故再生総括担当が、東日本大震災の被害に関して「まだ東北で、あっちの方だったから良かった。首都圏に近かったりすると莫大(ばくだい)な、甚大な額になった」などと発言したことが引き金となって、発言当日の4月25日に大臣辞任の意向を表明した。翌日付で辞表は受理されたが、辞任と言うよりは事実上の更迭だった。
(辺野古新基地建設の護岸工事が始まり、フロートをはさんで
反対するカヌー隊と海保がにらみ合う。浜辺ではトラックが
石材を下ろす作業を進める=4月25日午後、名護市辺野古の
米軍キャンプ・シュワブ)
政権の反応はすばやかった。これ以上は守りきれないとでも言うかのように。今村大臣の場合、この失言に先立つ「前科」があった。今回の失言の3週間前にも記者会見で、原発事故の自主避難者への住宅無償支援打ち切りをめぐって、記者との間で激しいやりとりがあり「(自主避難者)本人の責任でしょう」「裁判でも何でもやればいいじゃない」「(記者に対して)二度と来ないでください」などと発言し批判を浴びていた。
〈東北で良かった〉はいくら何でもひどい。メディアは今村復興大臣の辞任に至る言動を大々的に報じた。
まさにその4月25日のことだった。午前9時20分、沖縄防衛局が名護市辺野古で、米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立てる護岸工事に着手した。埋め立て工事は環境を激変させる決定的な動きだ。大量のコンクリートブロックや土砂などが大量に海に投下されれば、原状回復はほとんど絶望的となる。本紙は〈1996年の普天間飛行場返還合意から21年、重大な局面を迎えた〉と報じていた。
翁長雄志知事は「暴挙」という言葉を5回も使ってこの護岸工事着工を強く批判していた。一方、菅義偉官房長官は記者会見で「埋め立て本体の工事開始は、多くの人々が望んできた普天間飛行場の全面返還を実現する確かな一歩だ」と普段よりも語気を強めて用意されたステートメントを読み上げていた。冷徹な事実がある。4月26日付の東京の新聞各紙の1面トップ記事は、横並びで〈今村復興相、辞任〉だった。沖縄の県紙2紙は当然ながら〈辺野古の護岸工事着工〉がトップ記事だった。
東京と沖縄の新聞を並べて読みながら、僕には心の中に抑えがたい憤りが湧いてくるのを感じた。「この政権はこれまでずっと〈辺野古が唯一の選択肢〉と言い続けてきた。これは結局、今村前復興相ふうに言えば、〈辺野古でよかった〉と言っているのと同じじゃないのか」と。その根元には、米軍基地は、本土ではなく沖縄でよかった、という本音があるのではないか、と。
やがて沖縄慰霊の日が今年もやって来る。歴史家たちの詳細な研究が述べるところによれば、太平洋戦争全体の中で沖縄戦の占める位置づけは、はるかにむごい。沖縄は本土をまもるための「捨て石」にされたのではなかったか。〈沖縄でよかった。本土ではなくて〉。あまりにもむごい。仮に、その考え方が今現在に至るまで脈々と生き続けているとしたら、僕らは誰に向かって何を言えばいいのだろうか。すでに沖縄県民は国政選挙や知事選挙を通じて、これ以上の基地建設はノーだと意思表示してきているのだから。
司法に救済を求めたいわゆる辺野古訴訟は最高裁で沖縄県側の敗訴が確定した。政府は「決着がついたと思っている」との姿勢だ。つまりもはや聴く耳を持たないと言っているのだ。1月の宮古島市長選、2月の浦添市長選、4月のうるま市長選と、このところ政府与党の推す候補が連勝してきている。翁長知事を支える「オール沖縄」が苦境に陥っていることは否定できない。沖縄は一体どこへ向かっていくのだろうか。
かつての本紙編集局長・由井晶子さんの著書に『沖縄 アリは象に挑む』というタイトルのすばらしい本がある。そのアリが今、踏みつぶされようとしている光景がみえる。〈沖縄でよかった?〉
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(以降の記述はフィクションです。念のため)20××年×月×日午前9時23分。沖縄の在日米軍××××基地に、巡航ミサイル59発が撃ち込まれた。寝耳に水のことだった。一体なぜなんだ? 被害は基地のみならず、近隣の住宅地も甚大な被害を受けた。基地内の死傷者に加え、沖縄県民に多数の死傷者が出てしまった。政府はただちに非常事態宣言を発令し、国家安全保障会議が緊急招集された。
参加者の間で冒頭から激しい口論となった。「だから言わんこっちゃないんだ。沖縄に基地が集中しすぎていることに何の手も打たなかったことの報いだ」「何を言っとる。貴君だって基地反対運動を潰(つぶ)してきた張本人じゃないか」「そうだ、そうだ、あんたは共謀罪を適用して沖縄基地反対運動を壊滅させたことを忘れたようだな」「いや、少なくとも同盟国内からこんな攻撃が起きてしまうなんて想像もできなかった」「現場の軍人は常に極度の緊張にさらされているんだ。何があってもおかしくはないさ」「それにしてもどうする。国民に対してどう説明するんだ」「沖縄勤務経験のある米軍兵士が錯乱してミサイルを誤射したなんて何の説明にもならんぞ」「でも事実だ」。
その時、普段から寡黙でほとんど会議でも発言したことがない閣僚の一人がこうつぶやいた。「ミサイルが沖縄でよかった。本土や原発立地県ならもっと甚大な被害になっていたな。本土でなくてよかった」。すると突然、部屋中に鋭い金属質の警報音が鳴りだした。ピピピピピピピピ。閣議決定で導入が決まった「失言探知アラート・システム」が作動したのだ。
-以上は、もちろん架空のフィクションである。けれども、「本土でなくてよかった」という台詞は何だか異様なリアリティーを帯びていないか? 悲しみと憤りがミックスされたカクテルをこれ以上飲み続けるのは、僕はもうごめんこうむりたい。
(テレビ報道記者・キャスター)=随時掲載
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