[※ 報道特集(2017年7月8日)↑]
東京新聞の熊倉逸男記者によるコラム【【私説・論説室から】命に勝る大義はない】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017070502000141.html)。
レイバーネットの映画コラム【<木下昌明の映画の部屋>戦争の裏側を描く2本の映画~『空と風と星の詩人~尹東柱の生涯』『ヒトラーへの285枚の葉書』】(http://www.labornetjp.org/news/2017/0705eiga)。
《ナチス政権下、前線に送られた息子を亡くしたドイツ人夫婦は、戦争を推し進めるヒトラーを真正面から批判するはがきをこっそり、ベルリン市内にまき続けた》。
《夫妻に一人息子の戦死の報が届くところから始まる。二人はそっけない軍事郵便に騙されたと絶望するものの後の祭り…。ヒトラー政権が台頭するとき、市民がみな反対していれば、誰もが一人一人捕らえられて死んでいくことはなかった。…ドイツの独狼さん…「黙るのは罪、行動するのは義務」…。いまがふんばりどきなのだ》。
『●「裸の王様」および「最低の官房長官」の
「下足番」新聞=読売新聞…落ちぶれたものだ』
『●望月衣塑子東京新聞社会部記者
「会見場は勝負しなければいけない場所、非常に重要な場所」』
『●斎藤貴男さん「人間が人間であるために、
最後まで抗おう」と呼びかけ…コンナ「裸の王様」に負けたくない』
「自由新聞(フライエ プレッセ)!」と「下足番」新聞。《威勢のいい指導者を信じてはいけない》…それは「A」だ。Leaderではなく、Dictatorな「A」。
最近、励まされた二つの言葉。木下昌明さんは《いまがふんばりどきなのだ》と言い、斎藤貴男さんは《人間が人間であるために最後まで抗おう》と呼びかけます。(日刊スポーツ)《キレた首相「こんな人たちに負けない!」国民に応酬》するようなコンナ「裸の王様」に負けたくないし、負けてはいけない!
このリテラ記事にあるコラージュ(http://lite-ra.com/2017/07/post-3294.html)…《人づくりこそ次なる時代を切り拓く原動力》…だそうです。笑止、これまでどんな「人づくり」をしてきたのか振り返ってみるといい。
日刊ゲンダイの記事【金子勝の「天下の逆襲」/安倍首相が“人づくり”のお笑い 2回生のしつけはどうした】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/208733)には、《安倍首相は、一体いくつスローガンを掲げれば気が済むのか。「3本の矢」に始まり「女性活躍」「新3本の矢」「1億総活躍」と、次々とスローガンを打ち出してきた。それまでに掲げていたスローガンが失敗に終わったり、支持率が下落したりした時に、必ず新たにハデ…》。
「A」の最近の《人づくり》の事例…。
日刊ゲンダイの記事【戦犯4人も全員所属 安倍「清和会」包囲網が自民内で着々】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/208876)によると、《「魔の2回生」もとい「魔の清和会」と永田町で揶揄されている…「THIS IS 敗因」のT(豊田真由子衆院議員)、H(萩生田光一官房副長官)、I(稲田朋美防衛相)、S(下村博文元文科相)は全員、「清和会」(細田派)所属》。
また、同ようにコラム【高橋乗宣 日本経済一歩先の真相/潔く投了すべき 安倍首相に「初心」に帰られても困るのだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/208877)にも、《身内の中谷元前防衛相でさえ、「THIS IS 大打撃」と皮肉っていた…Tは秘書への「このハゲーッ!」パワハラ暴行の豊田真由子衆院議員、Hは加計学園「官邸は絶対やる」文書疑惑の萩生田光一官房副長官、Iは自衛隊政治利用発言の稲田朋美防衛相、Sは加計学園からのヤミ献金疑惑の下村博文都連会長を指す…14歳の藤井聡太四段を見習い、居住まいを正してから「参りました」と投了すべきだ。内閣総辞職しか残された道はないのである》。
「THIS IS A …」だそうです。「A 敗因」の「A」(A夫妻)、「A 大打撃」の「A」(A夫妻)が抜けている。「主犯」が抜けている、隠されている。《居住まいを正してから「参りました」と投了すべきだ。内閣総辞職しか残された道はないのである》…では満足できない。勢い余って、まな板に自ら乗った「A」、《断頭台に自ら首を突っ込んだ》「A」、大見得・啖呵「議員辞職」しか残された道はないはずだ。
『●「森友、加計、準強姦事件の3つ…諸悪の根源である
“主犯”は目の前にいるのだ」=アベ様御夫妻』
『●「有権者はすぐに忘れてしまうとたかをくくって」いるアベ様ら…
第三の森友問題を前に御優しい有権者』
『●「本当の権力の恣意的運用というルビコン川を渡った」
自公お維…「平成の治安維持法」参議院突破』
『●永六輔さん『職人』…「〈出世したか〉〈しないか〉では
ありません。〈いやしいか〉〈いやしくないか〉」』
『●内田樹さん「泥靴でふみにじられた戦後立憲政治の常識」…
国権の最高機関という素朴な願望も打ち砕かれる』
『●2017年都議会議員選挙: 「「安倍政治」を許さない」
→自民党亜種・トファや公明に投票? 理解不能』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017070502000141.html】
【私説・論説室から】
命に勝る大義はない
2017年7月5日
こんな夫婦がいたとは知らなかった。実話に基づいた映画「ヒトラーへの285枚の葉書(はがき)」(八日から公開)。ナチス政権下、前線に送られた息子を亡くしたドイツ人夫婦は、戦争を推し進めるヒトラーを真正面から批判するはがきをこっそり、ベルリン市内にまき続けた。
その一枚。「自由新聞(フライエ プレッセ)!」の題字で、「下劣な兵士ヒトラーと一味はわれわれを破滅へと突き落とす!」と感嘆符を連発して訴える。ヒトラーの肖像をあしらった切手の上には、消印のように「労働者の殺害者」と殴り書きされていた。
夫は工場で働き、妻はナチス傘下の女性同盟で活動する、当時としてはごく普通の市民だった。はがきは筆跡が分からないようブロック体で記し、公共施設や集合住宅の入り口や階段などに置いた。計二百八十五枚。二年間続けたが、密告で逮捕され、処刑された。
将校らによるヒトラー暗殺計画もあったが、力を持たない個人の抵抗にはさらに勇気が必要だったに違いない。突き動かしたのは愛する者の命を奪った戦争への怒りだった。
民族、正義、領土、経済、さらには国際貢献、同盟国との絆-軍備増強や軍事力行使では、さまざまな大義名分が叫ばれる。
しかし、命より重い大義などない。威勢のいい指導者を信じてはいけないと、この夫婦は教えてくれる。
(熊倉逸男)
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【http://www.labornetjp.org/news/2017/0705eiga】
木下昌明の映画批評 : 『空と風と星の詩人~尹東柱の生涯』『ヒトラーへの285枚の葉書』
<木下昌明の映画の部屋>
戦争の裏側を描く2本の映画~『空と風と星の詩人~尹東柱の生涯』『ヒトラーへの285枚の葉書』
●イ・ジュニク監督『空と風と星の詩人~尹東柱の生涯』
尹東柱(ユン・ドンジュ)は、韓国ばかりでなく、日本でもその名を知られた詩人という。イ・ジュニク監督の『空と風と星の詩人~尹東柱の生涯』をみて、彼の詩と短い人生を初めて知った。映画は〈ハートアンドハーツ・コリアン・フィルムウィーク〉で公開される一本だ。
東柱は1917年12月生まれで45年2月に27歳で獄死している。今年は生誕100年。監督は、彼の学生時代の白黒写真が印象的なので、カラー化しないで全編モノクロで通したという。それに折々の詩を挿入することで、詩人の生涯を浮かび上がらせていく。
また映画は、幼い頃から一つ屋根の下に育った、同い年のいとこの宋夢奎(ソン・モンギュ)にも光を当て、性格が全く違う2人の切っても切れない関係をとらえている。東柱は詩人を、夢奎は「世界は変わる」と革命を夢みている。その2人の生き方から植民地時代の朝鮮が浮かび上がってくる。彼らは創氏改名で「平沼」と「宋村」姓を名乗り、京都の大学で学ぶが、「朝鮮独立運動を企(たくら)んでいる」と特高警察に治安維持法違反の容疑で逮捕され、後に福岡刑務所に投獄される。
映画は、その東柱が取調官に尋問されるシーンから始まり、2人の生い立ちや東柱の淡い初恋のエピソードなどがサンドイッチのように挟み込まれて展開される。
衝撃的なのは、なぜ2人が獄死したか――のいくつかのシーン。特に刑務所の面会室で、夢奎が父に黒ずんだ腕をみせ、東柱の死は人体実験の注射だったと明かすところ。
それは戦時下、九州帝国大学でひそかに行った人体実験を暗示していた。遠藤周作の『海と毒薬』は何も特殊なケースではなかった。当時の記録文書『戦時行刑実録』(矯正協会)によると、この年の福岡刑務所だけで、獄死者は259人とあるから驚く。
人生を空と風と星に託した詩人まで死に追いやった治安維持法は、日本人を鬼畜にしてしまったのか。 (『サンデー毎日』2017年7月9日号)
※7月22日より東京・シネマート新宿ほかで公開
〔追記〕この映画については『月刊東京』7月号に「なぜ詩人は獄死したか?」と題して詳しくかいています。
●ヴァンサン・ペレーズ監督『ヒトラーへの285枚の葉書』
『サンデー毎日』6月11日号に保阪正康氏が、安倍晋三首相を名指しで「恐るべきファシスト」と断じている一文に接して、時代はそこまできたかとの思いを強くした。
ヴァンサン・ペレーズ監督『ヒトラーへの285枚の葉書』には、ファシズム下の庶民の日常の一面がうかがわれる。家具工場夫妻の生活が中心で、彼らのアパートには社会の縮図のようにさまざまな人々が暮らしている。夫妻が話をしたりするときなどはドアや窓を固くしめる。妻はナチス女性委員のメンバーとして活動し、夫は工場で増産をしいられ、やがて家具は棺(ひつぎ)ばかりに。
映画は、フランスに勝ってベルリンが戦勝に沸く日、夫妻に一人息子の戦死の報が届くところから始まる。二人はそっけない軍事郵便に騙(だま)されたと絶望するものの後の祭り。夫はいたたまれずにカードに「君たちの息子も殺される」と書き、ひそかに市中の建物の階段などに置いていく。
妻は最初「そんなことして何になるの」と問うが、夫は「頼むからやらせてくれ」と息子を失った悲しみをぶつけるように書く。それを見て妻も「私も一緒に行かせて!」と懇願し、共同の作業がはじまる。反ナチの活動に共感してくれる人が出てくるかも、と願って。言葉も次第に過激になっていく。しかし、そんな甘いものではなかった……。
実は「ハンペル事件」というゲシュタポの秘密文書を基に、戦後、ハンス・ファラダが書いた小説『ベルリンに一人死す』(みすず書房)が原作で、原題は『誰もが一人で死んでいく』。訳者の解説によると、ヒトラー政権が台頭するとき、市民がみな反対していれば、誰もが一人一人捕らえられて死んでいくことはなかった――という意味を含んでいるという。
日本もそうなってからでは遅い。映画はその夫妻のやむにやまれぬ抵抗を通じて暗い時代を浮かび上がらせている。(『サンデー毎日2017年6月25日号』)
※7月8日より東京・新宿武蔵野館ほか全国順次公開
〔追記〕『ベルリンに死す』は、4月6日、レイバーネットTV「本の発見」アンケート「わたしを変えた一冊」というコーナーでドイツの独狼さんが推薦した本でもあります。独狼さんは、この本を読んだ印象として「黙るのは罪、行動するのは義務」の大切さを上げていました。その点では、映画からも〈一人で死す〉ことと〈一人でも行動する〉ことの二つの意味を掘り起こすことができます。いまがふんばりどきなのだ。
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