[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/窮鼠の指導者がもくろむ AI監視社会の「ディストピア」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/276293)
《「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉をご記憶か。…露骨なまでのチョーチン本だった。褒めて“伸ばす”というか、米国への忠誠心を高める対日戦略だったのだろう。あの呪文をいまだに本気で信じ続けている間抜けが山ほどいる。政財官マスコミ界の指導者連中だ》。
斎藤貴男さんは《「幸福な監視国家・中国」(NHK出版新書)を読んで、日本もいずれこんなふうにされていくのかもしれないな、と感じた》そうだ。壊憲、先制攻撃できる国、核兵器保有論者、超監視社会・管理社会、一方で数々の不正なアベ様案件・犯罪、さらには、COVID19人災を引き起こし、無為無策無能ぶりをいかんなく発揮して人々の生命や生活を危機に追いやる…パラノイアなディストピアで何を好き好んでアベ様の奴隷に成り下がりたい人々のなんと多いことか。気が知れない。
『●斎藤貴男さん「人間が人間であるために、最後まで抗おう」と呼びかけ
…コンナ「裸の王様」に負けたくない』
《私は本稿で、監視社会の問題だけを論じたいのではない。安倍政権が
今なぜ、こうも共謀罪を急いだのか。理由はおそらく大きく二つ。
ひとつは新自由主義イデオロギーに基づき、連綿と続く“構造改革”が、
現状にも増して階層間格差の拡大を必然とするから。もうひとつは、
もはや多くの人々の共通認識となりつつある、戦時体制の構築だ。
いずれも推進している側の層が、大切なものを片っ端から奪われる層による
必死の抵抗に怯(おび)えつつ、せせら笑い、あらかじめ排除するためでは
ないのか(複数の拙著およびJ・ヤング著、青木秀男ら訳『排除型社会』
洛北出版、2007年など参照)。新自由主義は小泉純一郎政権の頃に
目立ったが、ここでは現政権の特徴について書く。安倍氏が戦時体制を
志向するのは、(1)祖父・岸信介元首相が追い求めた大日本帝国の
“夢”よもう一度の悲願、(2)対米従属だから――。どちらも的を
射ていると思う。一見矛盾するようでいて、だが少し考えれば、そもそも
戦前の再現が米国に許されるはずもなく、首相が国内の支持者向けにでも
それらしい立ち居振る舞いをしたければ、まず米国に「愛い奴」と思って
いただかなくてはならないということに気付かされる。
それには彼らの戦争に付き合うのが一番だ。私はこれらと同時に、
(3)日本の支配層には彼らなりの、戦争を放棄したくない事情がある
という私の取材の成果と実感を、可能な限り多くの人々に訴えたい》
『●《「なぜこんな世の中になってしまったのか」とあって、
その文字に重なるようにして「今だけ 自分だけ 金だけ」》』
《〔週刊 本の発見〕金子勝『平成経済 衰退の本質』…1991年に始まる
バブル崩壊後の過程を覆ったのは「新自由主義」イデオロギーで、
市場原理任せの無責任政治が横行したと著者は厳しく批判する。
小泉・竹中の政策が今日の「格差」の源であることは付け加えるまでも
ない。そして新自由主義イデオロギーと自己責任論によって人々を縛り、
無力感に追い込んだのが第二次安倍政権だった。アベノミクスは
デフレ脱却どころか、むしろ危機を広げている。超低金利政策によって、
日銀の保有する資産が異常に膨らみ、国債市場、株式市場は
麻痺しかねない。といってこの異常な政策に企業も依存している状態で
やめることができない。もし金融危機が来たら日銀の抱える国債やETF
などの資産は巨大な損失と化す》
『●「文書が不存在」…トファ小池都知事の脳内AIという
超単純回路な「ブラックボックス」で「政策判断」』
『●キャッシュレス…アベ様の《庶民ぶりっ子にだまされていた日には、
私たちは奴隷そのものにされてしまう》』
《進歩についていけない“老害”と嗤わば嗤え。姫田小夏氏の本紙連載
「AI最先端 中国現地リポート」(1月24日付)に、恐るべき
事態が書かれていたのをご存じか。かの国では個々人を当局かIT企業が
スコア付けしており、低ランクの者は列車の予約さえできなくされる。
一方、高い者は空港やホテルでVIP待遇、病院でも待たずに受診できる
という。権力の腐敗を暴いた記者も当然のようにブラックリスト入り。
監視社会とはそうするために企まれる》
『●パラノイアなディストピアで何を好き好んでアベ様の奴隷に
成り下がりたい?…という人たちの気が知れない』
《①衛星プチ帝国主義。…②階級社会の徹底。…③一億総動員体制。
…④メディアをフル活用したアベ絶対王朝の確立。…》
『●斎藤貴男さん《こうまでわかりやすく、アホらし過ぎる現実を
突き付けられて、それでも騒然とならない日本社会…》』
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【https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/276293】
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
二極化・格差社会の真相
窮鼠の指導者がもくろむ AI監視社会の「ディストピア」
2020/07/22 06:00 今だけ無料
(「日本モデルの力」で…(安倍首相)/(C)共同通信社)
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉をご記憶か。
米国の社会学者エズラ・F・ヴォーゲルが1979年に日本の社会経済システムを称えた本のタイトルで、以来、長期にわたり日本人の自意識に強い影響を残した。
露骨なまでのチョーチン本だった。褒めて“伸ばす”というか、米国への忠誠心を高める対日戦略だったのだろう。
あの呪文をいまだに本気で信じ続けている間抜けが山ほどいる。政財官マスコミ界の指導者連中だ。でなければどうして、明治150年だの東京五輪だの大阪万博だのリニア開業だの札幌冬季五輪招致だの、往年の夢よもう一度的“日本スゴイ”のセンズリ・イベント連発に、挙国一致の血道を上げることができようか。
彼らの自画像は、しかし、悲しくも現実の対極にある。新型コロナウイルス対策は安倍首相の自慰発言「日本モデルの力」どころか、半年たっても何一つわからないまま。これも挙国一致で症状のある人を放置しておく一方で、ホストには集団検査を受けさせるなどして数字を操作し、災厄を政治利用することしかしてこなかったのだから当然だ。
そもそも統計は捏造、公文書は改ざん、会議の議事録は残さない政府であり、それでも与党が支持される社会である。旧ソ連の末期と変わらない。
もはや崩壊も近い……と断じたくもなるが、あのソ連とて、国民や国土が消え失せたわけではない。怖いのは、キューソがネコを噛んでも生き延びようとする時だ。
現代中国経済論を専門とする梶谷懐氏とジャーナリスト・高口康太氏の共著「幸福な監視国家・中国」(NHK出版新書)を読んで、日本もいずれこんなふうにされていくのかもしれないな、と感じた。
個々人の行動も心もスマホとAIで完全に把握され、誘導されて、だけれども大衆の一人一人は便利さと楽チンさにドップリつかって法悦境……。何も考えなければ弾圧もされないわけで。
共産党一党独裁の中国とは違う? いやいや、日本の神様は新自由主義イデオロギーだが、“成功”のカギを握るのが「功利主義」である点がどちらも共通している。大方が食えて便利なら、人間の魂がどうのこうのなど、取るに足らないこととされるのが、今どきの人間社会というものらしいのだ。
この領域で私たちは、これまで指導者層の恐るべき無能に救われてきた。だが、無能なネズミをなめてはいけない。ジャパン・アズ・「最低」は、いつの日か「ディストピア」に変わり得る。
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