【サケ漁をするアイヌ民族の畠山敏さん… (東京新聞2019年9月2日)↑】
// (2023年12月24日[日])
「墓を暴いて先祖の遺骨を集めた学者たちの責任をあいまいにしたまま、国が象徴空間に集約することに我慢がならない。先祖の遺骨をコタンに返してほしい」(東京新聞、2015年1月31日)。
「研究目的」(!!)で勝手に盗掘して「大量の遺骨や副葬品が返還されないまま」に放置する大学人、そして、政府のいい加減な対応。一体全体、どんな国? 当事者が「嫌だ」と言っているにもかかわらず、平気で「人権侵害」。「墓を暴いて先祖の遺骨を集めた学者たちの責任をあいまいにしたまま、国が象徴空間に集約することに我慢がならない。先祖の遺骨をコタンに返してほしい」と云う叫びにどう応えるつもりか?
『●『ドキュメント 憲法を獲得する人々』読了(4/4)』
「【田中伸尚著、『ドキュメント 憲法を獲得する人々』】……
その他、「「神主の娘」の意見陳述」の木村さん、
「揺れる心で「アイヌ宣言」」の多原さん、
「在日だけど、日本社会の一員だから」の徐さん、
「沖縄に基地があるかぎり」の中村さん」
『●「「希望はTPP。」なのか」
『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)』
「平田剛士氏【アイヌ人骨〝発掘〟研究の実態は依然不明
北大のずさんな管理が発覚】……」
『●「安倍首相の暴走と「妄想」」
『週刊金曜日』(2014年2月7日号、978号)について』
「平田剛士氏【いまだ返還されず 全国12大学にアイヌ遺骨1636体!】、
「遺骨を返還すれば大学自体も癒される。アイヌも力を得て、
誇りを取り戻せるはず……より人間的な大学に変わるための
チャンスととらえることもできる」」
『●【<金口木舌>二風谷判決と沖縄】:
「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み…先住民族に該当する」』
《「わが国の統治が及ぶ前から北海道に住み、独自の文化を保っており、
先住民族に該当する」。1997年3月、札幌地裁で言い渡された判決に
原告のアイヌ民族の人々は驚き、涙を流した ▼司法の場で初めてアイヌを
先住民族と認めた、二風谷(にぶたに)ダム建設を巡る訴訟の判決だ…
▼しかし政府は沖縄の人々の権利保護を求めた国連自由権規約委員会の
勧告を無視》
『●《アイヌ民族…サケの捕獲は認められた先住権…
儀式用のサケ十数匹を捕獲…サケ漁をするかどうかは自己決定権だ》』
《畠山敏さん(77)が、サケの捕獲は認められた先住権だとして、
道の許可を得ずに儀式用のサケ十数匹を捕獲した。道職員が制止する
場面もあったが、畠山さんは「サケ漁をするかどうかは自己決定権だ」
として決行した。》
『●【<金口木舌>サケ漁は自己決定権】…《アイヌ民族は
先住民族と認められたが、権利回復の闘いは沖縄同様、道半ば》』
《▼アイヌ民族は先住民族と認められたが、権利回復の闘いは
沖縄同様、道半ばだ。「アイヌモシリ(北海道)に土足で
上がり込んできた和人には左右されない」と訴える畠山さんの
言葉は重くて深い》
『●《「アイヌの伝統」…捨て身ともいえる畠山さんの行動が
先住民族とは何かを問いかける》…そして、「言葉」を殺すな!』
『●「国が象徴空間に集約することに我慢がならない。
先祖の遺骨をコタンに返してほしい」』
『●琉球遺骨返還請求訴訟《旧京都帝国大…の人類学者が今帰仁村の
百按司墓から持ち出した遺骨を京大が占有》は違法…京都地裁が請求を棄却』
『●琉球遺骨返還請求訴訟《沖縄アイデンティティーのよりどころである
遺骨を本来あるべき場所に-という原告の訴えが…入り口論》で棄却』
『●《柔らかな響きと独特の語感が特徴のアイヌ語は、消滅の危機にある
とされています》…萱野茂さんは「言葉は民族の証」と訴えてきた』
『●【<金口木舌>差別を乗り越える】…《アイヌ民族…差別を乗り越え固有
の歴史、文化を守るすべを模索する状況は沖縄にも通じている》(1/2)』
『●【<金口木舌>差別を乗り越える】…《アイヌ民族…差別を乗り越え固有
の歴史、文化を守るすべを模索する状況は沖縄にも通じている》(2/2)』
『●東京新聞【アイヌ実名中傷動画を拡散 自民・杉田水脈氏、民族差別
助長】《差別的言動を繰り返す…さらなるレイシズム助長》する醜悪さ』
《持ち去った側》の論理、《遺骨を集め保管した側》の論理で良いのか? 《だが、これで本当に「解決」と言えるのか。持ち去った側主導の返還のあり方について改めて考えた。(木原育子)》。《◆デスクメモ 人権侵犯の認定を受けてもなお、アイヌ民族への差別発言を続ける与党議員がいる。それに対して党内での処分はない。「共生」を名乗る施設を造ったところで、政府に誠意を感じようはずもない。少数者の尊厳を奪う無神経さと反省の欠如。それは遺骨の扱いにも表れていないか。》
木原育子記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「盗ったものは謝って返して」アイヌ民族が求める遺骨返還 「慰霊施設」に集めて移管じゃ浮かばれない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/292246?rct=tokuhou)によると、《過去に発掘・収集され、博物館や大学に保管されていたアイヌ民族の遺骨返還が、国の指針に沿って進んでいる。引き取り手がないと判断された遺骨は、民族共生象徴空間(ウポポイ、北海道白老町)内の慰霊施設に集約している。「こちら特報部」の調査でも、博物館や大学が抱える遺骨の全体数が減っている実態が分かった。だが、これで本当に「解決」と言えるのか。持ち去った側主導の返還のあり方について改めて考えた。(木原育子)》。
《北海道大のジェフリー・ゲーマン教授(多元文化教育論)は「国は植民地主義や人種主義といった文脈を抜きに遺骨問題に対応しているが、全く本質を捉えていない。遺骨を集め保管した側が、民族の尊厳への打撃を受けた側に自ら遺骨を取り戻す手続きを強いること自体、人道的配慮を欠いている」と訴える。前出の木村さんも言う。「アイヌ民族から土地や言語、文化を奪ったこの植民地政策の成功体験を、その後アジアに広げて奪い尽くしていった。その根っこが遺骨返還のあり方にも表れている。過去に目を閉じるものに未来はない。謝罪なき返還は全く意味がない」》。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/292246?rct=tokuhou】
こちら特報部
「盗ったものは謝って返して」アイヌ民族が求める遺骨返還 「慰霊施設」に集めて移管じゃ浮かばれない
2023年11月26日 12時00分
過去に発掘・収集され、博物館や大学に保管されていたアイヌ民族の遺骨返還が、国の指針に沿って進んでいる。引き取り手がないと判断された遺骨は、民族共生象徴空間(ウポポイ、北海道白老町)内の慰霊施設に集約している。「こちら特報部」の調査でも、博物館や大学が抱える遺骨の全体数が減っている実態が分かった。だが、これで本当に「解決」と言えるのか。持ち去った側主導の返還のあり方について改めて考えた。(木原育子)
◆返還先決まらない遺骨が慰霊施設に
「北海道博物館として、こういった形で遺骨返還手続きの方針を決めるのは、これが最初で最後」。道庁のパブリックコメント担当者、墓田裕二係長が話す。
道博物館には、前身の道開拓記念館だった1970〜80年代に寄贈されたアイヌ民族の遺骨7体と副葬品が保管されている。出土地域を調査で特定したとして、返還手続きの方針案に関するパブリックコメントを実施した。その結果を踏まえ、来週にも方針を決定する見通しだ。
(北海道白老町のウポポイにある慰霊施設。博物館や大学に
保管されていた遺骨が集約されている
(内閣官房アイヌ総合政策室ホームページより))
道博物館の小野寺努主幹は「遺骨は特別な部屋を作り、湿気や温度、空調に気を使いながら保管してきた」とこれまでを振り返る。
方針案では、遺骨がどの地域のアイヌ民族のものかなどの情報を6カ月間公開し、返還申請の受け付けを開始。アイヌ民族の団体から返還申請があれば協議し、なかったり、認められなかったりした場合、ウポポイ内の慰霊施設に集約するとしている。
道博物館が想定するプロセスは、文化庁が昨年7月、博物館に保管されているアイヌ遺骨の返還に関して、発出した通知に沿っている。遺骨の詳細が分からず、返還申請を受け付けていない博物館もあるが、文化庁企画調整課は「多くが通知の考え方に従い、返還申請を受け付けている。なるべく早期に返せるよう、来年度中には一定程度の区切りはつけたい」とする。
◆18博物館保管の7割は地域に返還
実際、どれぐらいの遺骨がアイヌ民族の団体に返還されたのか。「こちら特報部」は今月10〜17日にかけて、遺骨を保管してきた東京国立博物館と道内の17博物館にアンケートを実施。
18施設で保管されていたのは、遺骨143体と特定できない遺骨10箱分。22日現在、アイヌ民族側と地域への返還の合意ができたのが、道立埋蔵文化財センターなど6施設。伊達市などのように引き続き市側で保管しているケースや今後返還予定も含め、地域返還できたのは計95体で、全体の7割近くを占めた。
一方、返還申請がなく、慰霊施設に集約されたのは東京国立博物館など6施設で、28体7箱に上った。残りの6施設は、冒頭の道博物館のようにパブリックコメントを経るなど方針を策定中という状況だった。
国が望むプロセスで作業が進んでいるが、アンケートには博物館側の苦渋の言葉がにじむ。
「当地にはアイヌ民族団体がなく、相談する相手がいなかった」「返還したくても、出土地域が不明でかなわない。どうしようもない」と吐露する声も。「当館収蔵庫は遺骨を安置する環境になく、一刻も早くふさわしい環境にしたいと思ってきた」「資金面から(アイヌ民族側が)引き取りたくても引き取れないなどの事情もある」といった切実な意見が目立った。
◆慰霊施設に閉じ込めるなんて信じられない
元の地域に遺骨を返せなければ、国が整備した慰霊施設に集める方針をアイヌ民族はどう感じるのか。
9月上旬、遺骨返還運動に取り組む木村二三夫さん(74)=北海道平取町=を訪ねた。多くのアイヌ民族が暮らす平取町二風谷コタン(集落)から、さらに山奥へ車で20分ほど。腰ほどに伸びたササを分け入りながら進むと、静かで神聖な趣の場所に着いた。
所々に立つ墓標「クワ(アイヌ語で杖(つえ))」。「これがアイヌ民族のお墓だ。人は土から生まれ、土に返るんだ」と木村さんが語る。
(アイヌ民族の墓標「クワ」について説明する
木村さん=北海道平取町で)
クワはドスナラと呼ばれる木の皮をはいで作られる。数年で朽ちた時、死者はポクナモシリ(冥界)に旅立ち、クワはその際、杖になると伝わる。
木村さんは1916年、日高地域の新冠(ニイカップ)御料牧場内にあった姉去(アネサル)コタンから旧上貫気別(カミヌキベツ)(平取町旭)に強制移住させられたアイヌ民族の子孫。「慰霊施設に閉じ込めるなんて信じられない。和人はこのクワを目印に遺骨を盗掘していった。盗(と)ったものは謝って返す。なぜそんな当たり前が和人はできないのか」と憤る。
◆12大学に251体、多くが返還されないまま
博物館以外に、大学が保管している遺骨もある。こちらについても博物館と同様、政府は2018年策定の指針で、申請に基づいて返還する考え方を示している。ただ、大学で保管したままの遺骨も多い。
20年の国の調査では12大学に251体が残っていた。「こちら特報部」は今月中旬、12大学にアンケートを実施した。
東京大と大阪大は「個別の回答は差し控える」と回答拒否し、京都大は回答が空欄だったが、少なくとも計114体の遺骨がなお保管されていると分かった。
保管を続ける理由について、北海道大は「地域返還の申請があった遺骨が何度も移転する事態は、極力避けるべきだ」などとし、地域での継続的な保管の難しさを理由の一つに挙げた。
◆保管継続では「将来も研究すると誤解産む」
木村さんは大学の遺骨の取り扱いにも疑問の目を向ける。20年、地元の平取町に北海道、札幌医科、東京など4大学が保管していた遺骨34体が戻った。
明治から戦後にかけ、研究者が墓地を掘り起こすなどして収集した遺骨だ。「北海道大はご遺骨を抱いて持ってきたが、東京大は4トントラックで運んできた。あまりにアイヌ民族を侮辱する行為で、生涯忘れられない光景だ」と話す。
大学による遺骨の保管について、九州大の瀬口典子准教授(人類学)は「将来的に研究を継続する余地を残しているとアイヌ側(先住民側)に解釈されても仕方がない。主な国際ジャーナルは、先住民の許可を取らずに調査分析した論文は査読にも回さないほど厳格だ。今の状態ではアイヌの遺骨研究を投稿できる国際ジャーナルはなく、国際的な流れに反する」とする。
◆先住民族と協働、関係改善図ったアメリカの例
米国では、1990年に先住民族の遺骨返還に関する法律が整備され、先住民族と協働研究するなど積極的に関係改善を図ってきた。瀬口氏は「返還したら終わりではない。先住民族との協議を常に続け、関係の再構築をしていかなければならない」と指摘する。
北海道大のジェフリー・ゲーマン教授(多元文化教育論)は「国は植民地主義や人種主義といった文脈を抜きに遺骨問題に対応しているが、全く本質を捉えていない。遺骨を集め保管した側が、民族の尊厳への打撃を受けた側に自ら遺骨を取り戻す手続きを強いること自体、人道的配慮を欠いている」と訴える。
前出の木村さんも言う。「アイヌ民族から土地や言語、文化を奪ったこの植民地政策の成功体験を、その後アジアに広げて奪い尽くしていった。その根っこが遺骨返還のあり方にも表れている。過去に目を閉じるものに未来はない。謝罪なき返還は全く意味がない」
◆デスクメモ
人権侵犯の認定を受けてもなお、アイヌ民族への差別発言を続ける与党議員がいる。それに対して党内での処分はない。「共生」を名乗る施設を造ったところで、政府に誠意を感じようはずもない。少数者の尊厳を奪う無神経さと反省の欠如。それは遺骨の扱いにも表れていないか。(北)
【関連記事】持ち去られたアイヌの遺骨が子孫に返還されない 「一刻も早く土に」を阻む背景とは
【関連記事】強制移住→疫病で400人犠牲…杉田水脈氏が人権侵害したアイヌ 悲しい歴史は本当に共有されているのか
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